愚痴の聞き方マニュアル ― 男女別で覚えておこう!

愚痴をこぼしあう男女愚痴

日常生活の中で、つい愚痴を言いたくなってしまう場面は誰にもあることです。身近な人に「ちょっと聞いてよ!」と愚痴を言われたとき、できるだけ寄り添って聞きたいと思うのは誰しも当たり前のことでしょう。

しかし、愚痴の聞き方に齟齬が生じてパートナーと喧嘩になってしまう、という話はよくあります。そこで、愚痴の正しい聞き方マニュアルを基本と性別で覚えておきましょう。

この記事を読んでわかること
  • 正しい愚痴の聞き方とうまく聞くコツ
  • 男性が女性の愚痴を聞くときの注意点
  • 女性男性の愚痴を聞くときの注意点

まずは愚痴の聞き方の基本を覚えよう!

まずは、基本的な愚痴の聞き方をおさえておきましょう。「ちょっと聞いてくれる?」と言われたとき、相槌や共感を示しながら上手に聞ければ「あの人は優しい人だ」と思われ、頼りにされることも増えるでしょう。しかし、聞き方を失敗してしまうと「冷たい人」と思われ、その後の人間関係に支障をきたしてしまう可能性もあります。

そこで、最初に聞く姿勢に気をつけなくてはなりません。スマホやパソコンを弄りながらろくに話を聞いていないというのでは、いくら愚痴が解決を求めていないとはいっても、話している方も「私の話を真剣に聞いてくれない」と余計にストレスや不満を溜めてしまうことになります。やや前のめりの状態で、「あなたの話を聞いていますよ」という態度を忘れないようにしましょう。

次に、具体的な会話としての愚痴の聞き方について、4つのポイントをご紹介します。「どれも基本的なことばかりじゃないか」と思う人も多いでしょうが、いざ自分がやってみるとなると意外と難しいものです。ぜひ、愚痴を聞くときにはできることから少しずつ実践していってください。

愚痴の基本的な聞き方①:受け流す

愚痴は「真剣に聞いていますよ」という態度で聞くことは大切なのですが、深刻に捉えすぎるのも自分の気持ちがマイナスに引きずられたり、相手のストレスに共感しすぎて自分までストレスを溜めてしまったりしかねません。真剣になりすぎないよう、愚痴をいったんは受け止めて、さらりと受け流すことが重要です。

例えば、以下のような例は共感しすぎて愚痴に自分が引きずられてしまう「悪い例」です。

上司「最近の若者はなっていない」
自分「その通りですね」
上司「そうだろう?ろくに義務も果たしていないのに、権利ばかり主張する」
自分「全くです。うちの若いやつも〜」

このように相手の感情に引きずられてしまうと、自分までネガティブな思考に陥り、延々と愚痴のループに入ってしまうことは往々にしてあります。こうした事態を防ぐためには、以下のように相槌を打ったり、近い話題にすり替えて流したりして、ネガティブなループに陥らない工夫をしましょう。

上司「最近の若者はなっていない」
自分「そうなんですか、Aさんが仰るなんてよほどのことなんでしょうね。どんなことがあってそう感じられたんですか?」
上司「ろくに義務も果たしていないのに、権利ばかり主張して困っているんだよ」
自分「なるほど。例えば、どんなことですか?」
上司「事前に有給を申請していたとはいえ、業務が中途半端なまま、引き継ぎもなく休暇に入られてしまったんだ」
自分「それは大変でしたね。その後、業務は無事に進みましたか?」

相手に共感しすぎないためには、「誰も批判しない」というルールを徹底しましょう。誰かを批判したり、悪口を言い始めてしまったりすると、すぐに負のループに巻き込まれてしまいます。誰も批判せず、適度な相槌と話題逸らしで上手に愚痴を受け流していきましょう。

このときの相槌は、「へえ、本当ですか」「それから?(どうなりましたか)」「そうなんだ(わかります)」など、共感を示すものの、深入りしないようなものが良いでしょう。余計な口を挟むのではなく、相手の話の先を促してあげるタイプの相槌です。相手の流れに飲み込まれるのではなく、話の流れを自分で作るイメージを持つとより相槌が自然に浮かびやすいでしょう。

また、どうしても辛いときはオウム返しで体力を温存してしまう方法もあります。一見、先程の悪い例の「その通りですね」と似ているように思えますが、相手から受けた負のエネルギーを自分の中に取り込むのではなく、そのまま反射して打ち返しているだけというところが大きく異なります。

「最近の若者はなっていない」「なっていないんですね」「困っているんだよ」「困っているんですね」と、同じことを繰り返すだけで構いません。真面目な人は「こんなことを言われたら、相手はバカにされていると思うのでは?」と思ってしまうかもしれませんが、そもそも愚痴は相手が聞いてくれさえすれば良いと思っている人が大半です。聞くのが辛いけれど聞かなくてはならない、というときは、ぜひオウム返しで省エネしてしまいましょう。

愚痴の基本的な聞き方②:アドバイスをしない

よく言われることですが、愚痴は解決方法を求めているものではありません。つまり、アドバイスをされても、愚痴を言っている側からすれば完全に的外れなのです。そもそも、アドバイスを素直に聞けるような余裕のある精神状態なら、愚痴を言うのではなく「このことについて相談したいんだけど」と、初めからアドバイスを求めてくれるでしょう。

愚痴を言ってしまうような精神状態のとき、求めているのは「大変だね」「辛かったね」という共感や受容の声かけです。これについては次に詳しく紹介しますが、親切心でアドバイスをしても「わかってくれない」「傷つけられた」と思われて怒りの矛先が自分に向いてしまうことがあるのも、こうした心理状態によるものなのです。

では愚痴は非生産的で何の解決にもならないのか、というとそうでもありません。悩みや不満を抱えたとき、それを愚痴という形で人に吐き出したいのは、他人に話を聞いてもらい、受け入れてもらうだけで「カタルシス効果」という気持ちが晴れる効果があるからです。実際に、人に聞いてもらうことはストレス解消になるだけでなく、思考が整理できて思わぬ解決法を見つけられることもあります。

愚痴を聞いていると、ついついこんなに悩んでいる相手の苦しみを解消してあげたい、と思ってしまうことは多いのですが、アドバイスが的確であればあるほど「そんなことはわかってる」と相手の怒りに油を注いでしまう傾向があります。厄介な心理ですが、人間は図星をつかれると怒ってしまいます。それは、相手に恥をかかされたとつい思ってしまうからです。

アドバイスをするのは、あくまでも「相手がアドバイスを求めてきたら」と心にしっかりとどめておきましょう。日頃から愚痴が多い人に、考え方や解決方法についてお説教をしたくなったとしても、決して愚痴の最中に言ってはいけません。相手の感情が落ち着いてから、改めて話をすると良いでしょう。

また、「相談したい」と断っておきながら、実際には愚痴だった、ということも実はよくあります。こういうときに「相談って言ったじゃん」とアドバイスを押しつけても、残念ながら喧嘩や最悪の場合は絶交、別れで終わってしまう可能性があります。そこで、愚痴と相談を見分けるために、最初は以下のようなポイントに気をつけ、様子を見ながら話を聞きましょう。

  • 特定の誰かに対する不満が多く、もはや悪口ではないかという内容も多い
  • 保身が多い(「僕(私)は悪くないのに」という雰囲気で話される)
  • 「どうすればいいと思う?」「あなたならどうする?」といった問いかけが全くない
  • 何度も同じ話を聞かされている(問題が一向に解決していない)
  • 相手が一方的に喋り続け、さらにそれについての謝罪や反省の様子がない

上記の項目に1つでも当てはまる場合は、愚痴である可能性が高いでしょう。アドバイスは控えておき、相槌と受け流しで上手に話を聞いておくのが無難です。相手がもしもアドバイスを求めてきたら、そのときにアドバイスをするようにしましょう。

愚痴の基本的な聞き方③:共感と受容の声かけをする

相手の感情に共感し、受容する声かけを行うと、相手はより自分のことを理解してもらえたと満足するはずです。相手との空気感を共有し、相手の感情に寄り添い、相手の感情を受け止められるような言葉をかけましょう。例えば、怒っている人には「耐えられるなんて、すごいね」悲しんでいる人には「頑張ったね」「辛いよね」などです。

また、感情に流されて受け入れられたがっているとき、誰しも子どものような気持ちになっているでしょう。そこで、相手の心の中にいる「5歳の○○くん、○○ちゃん」をイメージして、しかし相手に対する態度は変えないままに慰める方法もあります。ただし、これは本来カウンセラーなどの話を聞くプロの手法であり、①でご紹介した「受け流す」と矛盾しています。

しかも、表面的な反応ではあっさり見抜かれてしまい、「いや、そう思ってないでしょ」「わかっていないんでしょ」と怒りを誘ったり、嫌われたりしてしまうかもしれない諸刃の剣でもあります。かと言って、感情を込めて共感しすぎればネガティブに引きずられ、自分がダメージを受けてしまう可能性もあるでしょう。

そこで、比較的簡単にできる方法として、「オウム返し」に「相手の感情を言語化してくっつける」というものがあります。例えば「昨日、彼女に振られたんだ」という愚痴なら、「振られちゃったんだね。辛かったね」というように、相手の言ったことをオウム返しにして、さらにその後から相手の感情を言葉で伝えるのです。

このやり方なら、オウム返しで相手の愚痴を受容し、さらに受けた感情を鏡のように反射して共感することができます。自分はダメージを受けにくいのに、相手にはしっかり共感や受容が伝わりやすいでしょう。ずっとオウム返しだけをしているわけにはいきませんが、まずはそこからスタートしてみてはいかがでしょうか。

愚痴の基本的な聞き方④:インタビュアーになりきる

愚痴のパーフェクトな聞き方とは、愚痴を言った側が最終的に「あー、スッキリした!」と思えることです。そのためにはどうすれば良いのかというと、相手がイライラしたりモヤモヤしたりしている気持ちを言語化し、上手に引き出してあげることが重要です。具体的には、インタビュアーの聞き方が理想だと考えられます。

政治家やアイドルに密着取材を行う凄腕インタビュアーになったつもりで、相手の話を聞いてみましょう。例えば、以下のようなテクニックが使えるはずです。

  • 相手の話が長いときは、要約して確認する
  • 気になるワードがあれば、話の途切れたタイミングで質問する
  • 相手の過去の経験や価値観がわかっているなら、それに合わせた意見や言い換えを投げかけてみる
  • 話の中に一貫したテーマがあるかどうか、探してみる

もちろん、インタビュアーになりきると言っても、メモを取ったりするのはやりすぎですし、あまりに芝居がかった調子では相手を怒らせてしまうでしょう。しかし、上記のようなことに気をつけて愚痴を聞けば、必要以上に相手の感情に引きずられることもなく、かつ、興味を持って相手の話を聞くことができますので、トークスキルをつけるのにも役立ちます。

営業さんはもちろん、クレーム対応を行うコールセンター業務の方、顧客との条件すり合わせなど、インタビュアースキルが活きてくる場面はビジネスシーンだけでもさまざまなものがあります。愚痴を上手に聞くと相手にも感謝され、自分のトークスキルもアップできると、実はいいことずくめなのです。

男性が女性の愚痴を聞くときに気をつけること

一般的に、男性は愚痴を聞くのが苦手だとされています。よく「男性の脳は論理的」と言われますが、現代ではそれは否定されています。男性の脳が論理的というよりは、男性はさまざまな場面で決断を求められることが多いため、自然と何か問題が起こったらまずジャッジと解決をするように習慣づけられているようです。

ともかく、男性は何か問題を持ちかけられたらつい「こうしたらいいよ」と解決に向けてアドバイスしたり、「それはきみが悪いのでは?」とジャッジしたりしたくなってしまう傾向があるのは事実です。しかし、前章で紹介してきたように、愚痴は解決方法を求めていないものです。相手が女性であっても男性であっても、まず男性は「愚痴を受け流す」クセを身につけましょう

さらに、男性が女性パートナーの話を聞くときには、女性が愚痴を話したり悩みを打ち明けたりするのは「親密さを示し、相手を頼りにしていると表現する」意味が多いということを覚えておきましょう。女性パートナーが愚痴を話してくれたら、それは自分のことを親しく思い、頼りにしていることの証です。ぜひ、以下のようなポイントに気をつけながら話を聞きましょう。

共感を伝えるための相槌をたくさん打つ
「それは大変だったね」「その気持ち、わかるな」など、共感が伝わる相槌を打つ
パートナーの話を遮らないよう、一通り話し終えてから相槌を打つのも重要
「僕ならこうする」と会話を盗んでしまったり、自慢したりするのは絶対にNG
承認する
「頑張っているね」など、相手の努力や価値を認める表現を使う
「この人は私のことをわかってくれる」と思ってもらえれば、親密さにつながる
味方であることや、愛情があることを伝える
「どんなときも味方であり、愛情が変わらない」ことを伝える
失敗してしまった、後悔しているといった話のときには「そんなところも好きなんだけどね」というフレーズを使う
ついジャッジしたりアドバイスしたりしてしまったときにも使えるフレーズなので、覚えておくと便利

女性が男性の愚痴を聞くときに気をつけること

女性はもともと愚痴を聞くのが上手だとされていますが、それは男性と比べてのことです。男性と同じように、ジャッジや決断を求められることが多い環境で育ってきた女性には、共感が苦手な人も多いでしょう。さらに、一般的なイメージから「男性は論理的で、自分でなんでも解決できる」と思い込んでしまい、愚痴を聞く必要がないと判断してしまうことも少なくありません。

しかし、感情を吐き出したい、愚痴に共感してもらいたいと思うのは女性も男性も同じです。ここで注意したいのは、男性の場合は「男が愚痴を言うのは恥である」と育てられてきているかもしれないことです。つまり、自分の気持ちを吐き出したいのに、吐き出すのは恥ずかしいことだというジレンマに陥ってしまう男性も多いのです。

そこで、女性が男性パートナーの話を聞くときは、以下のようなポイントに気をつけましょう。相手の心を苦しめず、上手に気持ちを吐き出してもらえるはずです。

質問しすぎない
男性によくあるのが、愚痴を言いながら頭を整理している状態
あれこれ質問しすぎると、思考を中断してとっちらかってしまう
前述のように、自分の感情を根掘り葉掘り聞かれるのが苦手な男性も多いので、質問は控えめを心がける
驚きすぎない
リアクションが大きいと、相手を驚かせてしまうなんて恥ずかしい、という感情を加速させてしまう可能性がある
普段の会話では大きめのリアクションを心がけている人も多いが、愚痴のときだけ控えめにしておくと良い
落ち着いたリアクションで、「話を聞いているよ」という相槌だけ忘れずに
自尊心に配慮する
男性は、女性パートナーに対して「頼れる存在でなければ」と思い込む人も多い
愚痴をこぼすことは、それだけで自ら自尊心を傷つけてしまう人も
「あなたのことだから、きっと大丈夫だよ」など、励ましなら自尊心を傷つけにくい

おわりに:愚痴はアドバイスではなく、共感を求めるもの

愚痴を話すとき、人は自分の気持ちに寄り添ってほしい、共感してほしいと思っています。アドバイスを求めて相談したり、意見を求めて議論をしたりしたいわけではありません。正しい聞き方で、上手に愚痴を聞きましょう。

また、パートナーの愚痴を聞くときは、性別の違いを意識する必要があります。今回ご紹介したことを参考に、ぜひパートナーの愚痴は上手に聞いてお互いに認め合い、良い関係を築いていきましょう。

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