音に癒す力があるのはなぜ?どんな音、音楽を聞けば効果が得られる?

癒しの音がリラックスの空間を作る癒し

ヒーリングミュージックという言葉を聞いたことはありませんか。「ヒーリング=癒し」のための音楽として、何かとストレスを感じやすい現代人に人気の高い音楽の一つです。このように、音楽を含む音には癒しの効果があると考えられています。

では、音で人が癒されるのはなぜなのでしょうか。音が持つ癒しの力を紐解き、最近話題になっているソルフェジオ周波数なども同時に見ていきましょう。

この記事を読んでわかること
  • 音が癒しの力を持つ理由
  • 音が持つ癒やしの効果
  • 癒やしの効果がある音の種類
  • 音の癒やし効果を取り入れる方法

音が持つ癒しの力の正体は?

好きな音楽を聴いてリラックスしたり、波の音や小川のせせらぎを聴いたりして心を落ち着かせたりと、音に心を癒す働きがあることはよく知られています。他にも胎教など妊娠中に心地よい音を聴くことは、生まれてくる子どもの感性にも影響を及ぼすと考えられています。このような音楽の持つ癒しの力は古代ローマ、古代ギリシャの時代から知られており、実際に音楽を心の治療に使っていたそうです。

第二次世界大戦においても傷ついた兵士の治療に音楽を使ったところ、治癒効果が見られたことから音楽による治療を学問として研究する動きが始まりました。現在では「認定音楽療法士」などの分野があったり、ホスピスでのケアやリハビリテーションに取り入れられたりと、さまざまな医療に音楽が取り入れられています。

とはいえ、音楽そのものが薬剤のように直接病変部位に働きかけるわけではありません。しかし、音楽を聴いたり歌ったり、演奏したりすることで不安や抑うつ状態を和らげて心の回復を図ったり、音楽のリラックス効果で痛みなどを緩和したりすることができます。こうした音楽療法は老人ホームや病院施設で取り入れられているほか、自閉症や失語症、うつ病などの治療、不登校の児童などに対しても効果が期待されています。

このように音楽が人に心地よさを感じさせる理由として、「1/fゆらぎ」という独特のゆらぎが指摘されています。ヒーリングミュージックやクラシックのように、私たちが「心地よい」と感じる音楽や、そよ風や小川の流れなどの自然音、心臓の鼓動などはみんなこの「1/fゆらぎ」を持っているのです。

「1/fゆらぎ」とはメトロノームの音とラジオの雑音の中間にあたるもので、規則的な音の中にやや不規則なゆらぎが加わり、人間の脳波や筋肉を緊張状態からリラックス状態に導いてくれる働きがあるとされています。電車の揺れで自然にリラックスして眠くなるのもこの「1/fゆらぎ」が関係していると考えられています。

自然音が持つ「1/fゆらぎ」は具体的にどんな効能を持つの?

「1/fゆらぎ」は具体的にどうやって脳や心、身体の緊張状態をほぐし、リラックスさせてくれるのでしょうか。それは、主に以下の4つのことによるとされています。

筋肉の緊張を和らげる
現代人は生活リズムのテンポが早く、力を抜く時間が取れなかったり、力を抜いているつもりでも無意識に力が入ってしまったりする
自然音を聴くことで、身体の力を抜き、筋肉の緊張を和らげてこわばりをほぐすことができる
緊張状態はストレスの蓄積にもつながるため、意識的に身体の力を抜いてリラックスすることが重要
リラックスで身体に本来備わっている回復力が活性化し、心身の疲れをゆるやかに癒せる
セロトニンの分泌が促進される
自然音によって、ストレスを軽減する「セロトニン」の分泌が促進される
近年の研究によると、リラックスして笑ったり心地よいと感じたりしているときにセロトニンが分泌される
セロトニンの分泌は自律神経系や免疫機構、代謝機能などを正常化・活性化する
逆に、ストレスがかかると分泌される「コルチゾール」は軽減される
エンドルフィンの分泌が促進される
エンドルフィンは脳内で働く神経伝達物質の一つで、「自然の鎮痛剤」とも呼ばれる
痛みを和らげるほか、憂鬱とした気分を高揚させたり、幸福感をもたらしたりする
脳をリラックスさせる
リラックスしたり落ち着いたりしていると「α波」という脳波が発生する
脳をα波が発生する状態に導くと、脳を休めてリラックスさせられる
脳を活性化させたり、身体の免疫力を高めて病気を予防したりすることにもつながる

音楽や自然音の「1/fゆらぎ」は、力んだ身体の力を抜いたり、脳内でストレスを軽減したり、痛みを緩和したりする神経伝達物質の分泌を促したり、リラックスする脳波を発生させたりすることができます。一方で、ストレスがかかると分泌される「ストレスホルモン(コルチゾールなど)」は減らす働きがあるとされています。

セロトニンは精神疾患の薬物療法などにおいても注目される物質で、セロトニンを増やすことで精神的な安定がもたらされ、抑うつ状態や不安、睡眠障害、過食などの症状を軽減することが期待できます。心と身体の緊張をゆるめてリラックスすることは、肌のコンディションアップにつながるという報告もあります。

人間は聞こえない音からも影響を受けるって本当?

人間の聴覚には限度があり、高すぎる音や低すぎる音は聞こえません。音の高さを表す単位をHz(ヘルツ)またはkHz(キロヘルツ)といい、数字が大きくなるほど高い音を表します。一般的に人間が聞き取れる音は20Hz〜20kHzであり、これを「可聴音」と言います。20Hzよりも低い音は「超低周波音」、20kHzよりも高い音は「超音波」と呼ばれています。

可聴音は動物に種類によって異なり、例えばイヌやネコは人間に聞こえないような高い音まで聞くことができますし、イルカになると人間の7倍以上も高い音を聞くことができます。イルカはこの超音波を使ってエサを探したり、仲間とコミュニケーションをとったりしていることがわかってきています。

ということは、人間も脳が認識できないものの、20kHz以上の音から何らかの影響を受けていてもおかしくありません。最近では、音に含まれる超音波が人間の心を癒す効果があるのではないかという説も出てきており、実際に可聴域よりも高い周波数を持つ音によって実際に聞こえている音が心地よく聞こえるようになる、といった超音波の働きもわかってきています。

逆に、超低周波音は日常生活に悪影響を及ぼすことが指摘されています。超低周波音は、もはや音というよりも空気の振動であり、こうした低い周波数の音は地面などにも振動として伝わるため、建物の窓枠や障子などをガタガタとゆさぶって「低周波騒音」を引き起こすこともあります。

このような耳で聞き取れない超低周波音を無意識に聞き続けていると、頭痛やイライラ、不眠症などを引き起こす場合があると報告されています。超低周波音の発生源はさまざまですが、例えばボイラーや機械、自然現象などによります。実際には聞こえない音であることから、原因を特定しにくく、周波数が少なく波長が長いため反射・吸収されにくいので対策が立てにくいなど、深刻な問題に至るケースもあります。

癒しの音、1/fゆらぎを取り入れるにはどうすればいい?

1/fゆらぎを取り入れるのに最も手軽な方法は、自然音の多い場所に行くことです。特に森の中は木々の葉ずれや風の音、鳥や虫の声などさまざまな自然音に満ちているため、森林浴がおすすめです。森の中に滝がある場所ではマイナスイオンの効果でより癒しを得られるため、リフレッシュに効果的です。

また、自然音の中でも癒し効果の高いものや、自然音以外で1/fゆらぎを取り入れる方法は、以下のようなものがあります。

癒し効果の高い自然音ってどんなもの?

自然音の中でも癒し効果の高いものとして、以下の3つの音が挙げられます。

波の音
波の音には1/fゆらぎがあるほか、母親の胎内の音によく似ているとされる
母体回帰のような安心感を覚えてリラックスできる、と考えられている
波が不安やストレスを一緒にさらってくれるようなイメージにもつながる
雨の音
水滴が次々に落ちて流れる音は、規則的なようでいて不規則なゆらぎを含む
水のイメージで憂鬱な気持ちや身体的な疲れを洗い流し、スッキリとした気分になる効果も
鳥のさえずり
鳥は早朝に活発に活動することから、清々しい朝のイメージを持つことも
寝不足や徹夜明けなど、朝を感じにくいときでも鳥のさえずりが頭をクリアにしてくれる
鳥が大空を飛び回る自由なイメージから、気分も爽やかになる

いずれも癒しの音としてよく挙げられ、アプリや動画サイトでもよく使われている音です。特に、雨の音は移動しなくても室内で充分聞くことができます。休日に雨が降ったときは少し家事や趣味の手を止め、雨の音でゆっくりと癒されるのも良いかもしれません。

自然音以外で1/fゆらぎを取り入れるには?

1/fゆらぎは自然音以外にも存在します。それがヒーリングミュージックやクラシック音楽で、特にモーツァルトの音楽は規則性と不規則性が1つのリズムとなってうまく整合がとれている、すなわち1/fゆらぎに非常に近い特徴を持っている、とされています。ですから、まずはモーツァルトの曲から好みを探してみるのも良いでしょう。

また、歌手の歌声にも1/fゆらぎが含まれていることがあります。ジョン・レノンや美空ひばり、宇多田ヒカルなどが1/fゆらぎの声を持つとされていますので、これらのアーティストの楽曲をかけるのも良いかもしれません。いずれも絶大な人気を誇っていることからも、癒しの歌声の効果がわかるでしょう。

ギターやピアノ・エレクトロを使ったマルコニ・ユニオン(Marconi Union)の「Weightness(日本語訳:無重力)」は、海外の研究で「最もリラックスできる音楽」と科学的に認定されました。具体的には、心拍数や血圧、コルチゾールなどを下げる効果が確認されていますので、ストレスを感じたときにはぜひ取り入れてみましょう。

眠れない夜やストレスを感じているときは、たいてい脳が覚醒状態にあり、緊張してうまくリラックスできていません。このようなときにテレビやパソコン、スマホなどを見てしまうと余計に脳に強い刺激が加わり、リラックスできなくなってしまいます。こうしたときには、ぜひ「1/fゆらぎ」の特徴を持つ音や歌声、音楽をかけてゆったりリラックスして眠りましょう。

オルゴールの音に癒されるのはなぜ?

オルゴールの高い音を聴いていると、ホッとしたりリラックスした気持ちになったりする人も多いでしょう。ヒーリングミュージックとしてオルゴール音楽が用いられることもあります。このようにオルゴールの音で人々が癒されるのは、曲調だけでなく耳に聞こえない超音波による脳幹刺激効果があるからだとされています。

オルゴールには高周波から低周波までさまざまな音の響きがありますが、特に人に聞こえないほどの超音波や超低周波音が脳幹を振動させることで、脳幹と視床下部の血流を促進すると考えられています。脳幹は呼吸器系や神経系、ホルモン系など身体のさまざまな器官の働きをつかさどる部分ですから、脳幹への刺激が身体の各器官に良い効果をもたらすのです。

人間も生き物ですから、人間の脳はもともと超音波(高周波)を豊富に含む自然の中において正常に働くようにできています。そのため、超音波をほとんど含まない都市型の環境の中にいると、脳の働きが抑えられてストレスが蓄積され、身体の機能や免疫機構などが低下すると考えられています。

そこで、自然音の代わりに超音波を補ってくれるのがオルゴールとされますが、中でも72本以上の弁を持つオルゴールでないと効果は確認されていません。具体的にオルゴールの響きの周波数を調べたところによると、熱帯雨林や深い森でよく見られる3.75Hzという超低周波音から、102kHzという超音波までが含まれていることもわかっています。

このように、オルゴールの響きが脳幹を刺激することで自律神経の働きが正常になったり、血流が改善されたり、体内の老廃物の排出が促進されたりすることは、だんだん学会で認められつつあります。超音波を除いた状態の音では血流が減少することや、22kHz以上の超音波だけを流しても人体には何の変化も起こらない、といった詳細な研究も進められています。

こうしたオルゴールの効果は「オルゴール療法」として確立されつつあり、リウマチ・脳梗塞・アルツハイマー病・冷え性・うつ病など、約120〜130種類の疾患に対し、既に5000件以上の回復例が報告されています。とはいえ、オルゴール療法はまだ正式に認められた医療行為ではないことから、全国でも大々的に導入している病院はまだ少ないのが現状です。

一方、オルゴールの音色を聞いて悪影響があるわけでもありませんから、自宅で音色を楽しむのは自由です。オルゴールの音色が好きな方は、72弁のオルゴールの音色をリラックスタイムに取り入れてみるのも良いでしょう。

最近話題のソルフェジオ周波数はどんな音のこと?

ソルフェジオ周波数とは、人の心と身体に良い効果をもたらす特定の周波数です。「ソルフェジオ」とはフランス語で「ソルフェージュ(音階)」のことを表し、特定の周波数=音階のことを指しています。基本となる癒しの周波数「528Hz」を始め、以下の周波数がそれぞれ異なる効果をもたらすとされています。

最も基本となる癒しの周波数「528Hz」
奇跡の周波数とも呼ばれ、過度なストレスに晒されて傷ついたり壊れたりした細胞のDNAを修復するとされる
安定の周波数「174Hz」
ソルフェジオ周波数の中で最も低いもので、意識の拡大と進化の基礎となる
意識の内面に働きかけ、心を安定に導くとされる
音に合わせて声を出し、音階と共鳴するとより落ち着いた気分が広がる
心が安定すると、自分の軸や存在がしっかり認められ、一歩踏み出す勇気が持てる
促進の周波数「285Hz」
多次元領域からの意識の拡大を促すという、非常にスピリチュアル性が高い周波数
心の安定をより強固なものにするため、自然治癒力を促して心身を整える
ゆっくりと深呼吸しながら聴くことで、意識をさらに広げられる
解放の周波数「396Hz」
基本となる癒しの周波数とともに、最も重要視されるソルフェジオ周波数
罪の意識やトラウマ、恐怖心、不安などのネガティブな感情を緩和させる
感情に働きかけて自己の解放を促し、聴いた後には心身が軽く感じられる
変化の周波数「417Hz」
変容を促す周波数で、意識と無意識に働きかけて回復力を高める
ストレスを生み出し、状況をより悪化させてしまうマイナスの思考や状況からの回復を促す
調和の周波数「639Hz」
人とのつながりをもたらす調和の周波数で、対立するものを統合し緩和させる
ネガティブな気持ちを一掃し、自分と周囲に対して深い愛情を感じられるようになる
自由の周波数「741Hz」
意識を自由に羽ばたかせ、表現力を開花させるコミュニケーション能力向上の周波数
音に合わせて声を出してみると、より効果が高まる
直感の周波数「852hz」
直感力を覚醒させる周波数で、脳の奥に位置する「松果体」を活性化する
洞察力や思考力を高め、聴いた後は雑念が消えて思考がクリアになったり、リフレッシュ感が得られたりする
活性の周波数「956Hz」
一番高い周波数で、頭のてっぺんと天井がつながるようなスピリチュアルなイメージ
高次元の意識とつながり、脳が活性化するとされている
瞑想を行い呼吸を整えることで、スッキリした気分に導かれる

このような特定の周波数による効果は、研究者レオナルド・G・ホロヴィッツが提唱したことで大きく話題になりました。癒しの音楽として知られる「グレゴリオ聖歌」をはじめ、古くからある聖歌などにも含まれていることがわかってきています。海外では、既にソルフェジオ周波数を用いたヒーリングや治療が取り入れられているところもあります。

おわりに:音や音楽による癒しやリラックス効果は「1/fゆらぎ」と「周波数」がカギ

音や音楽が持つ癒しの力は古代ローマや古代ギリシャの時代から注目されており、人間は特に自然音やヒーリングミュージック、クラシック音楽などに心地よさを感じるとされています。こうした音や音楽には「1/fゆらぎ」というゆらぎが含まれています。

また、最近ではオルゴールに含まれる超音波や超低周波音が脳幹に働きかけて身体機能を高めたり、ソルフェジオ周波数が良い効果をもたらしたりすることもわかってきています。

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