ストレスで耳が詰まった感じになるのはなぜ?どうやって治せばいいの?

ストレス

ストレスが身体にさまざまな不調を引き起こすことはよく知られています。例えば、ストレスによって血流が悪化したり、血圧が上がったり、消化器官の働きが悪くなったりします。今回は、そうした不調の中でも耳が詰まった感じになることについてご紹介します。ストレス以外の原因や、治し方についても一緒に見ていきましょう。

ストレスで耳が詰まった感じがする原因は?

人間関係や仕事などの精神的ストレス、睡眠不足や騒音などの生活環境による身体的ストレスなどのストレスが長期間続くと、自律神経のバランスが崩れやすくなり、耳が詰まったような感じがすることがあると考えられています。また、自律神経のバランスが崩れるとリンパ液の量が増えて内耳がむくみ、耳閉感が生じる場合もあります。

耳が詰まった感じ、耳閉感などで耳が聞こえづらくなると、耳鳴りやめまいを併発することが多く、そこからさらなるストレスを引き起こし、症状を悪化させるケースもあるようです。さらには、ストレスが原因で発症する以下のような疾患から耳が詰まったような感じになったり、聞こえにくくなったりすることもあります。

ストレス性内耳障害
ストレスが原因で内耳に何らかの異常が生じる状態
症状:内耳のむくみによって耳が聞こえにくくなる、めまい、耳鳴りなど
メニエール病
何らかの原因で、内リンパ液の生成と吸収のバランスが乱れ、内リンパ液が必要以上に溜まってしまい、内耳にむくみが生じた状態(内リンパ水腫)
明確な原因は不明ですが、ストレスが原因になる場合があると考えられている
症状:耳閉感、めまい、耳鳴り、難聴など
心因性難聴
思春期頃の子どもに多く見られる難聴で、ベースに精神的葛藤があり、何らかのきっかけが加わると起こる
耳の機能には異常がないものの、本来は聞こえているはずなのに聞こえないと感じる状態
突発性難聴
急に片側の耳が聞こえなくなり(耳閉感)、耳鳴り、めまい、吐き気なども生じる
明確な原因は不明だが、ストレス過多、疲労過多、睡眠不足、糖尿病、ウイルス感染、血管の血流障害などがあると発症しやすいとされる
耳管開放症
耳閉感(耳が詰まった感じ、水が入っているような感じ)、めまい、難聴など
ストレス、疲労過多、睡眠不足、ダイエットなどによって起こりやすくなる
急性低音障害型感音難聴
急性かつ、低音域に対する難聴。耳閉感、音が歪んで聞こえるなどの症状が片側だけに起こる
明確な原因は明らかになっていないが、ストレス、睡眠不足、身体の慢性的な疲れ、風邪などがきっかけとなることが多い

ストレス以外で耳が詰まった感じがすることもある?

前章ではストレスによって耳が詰まった感じがする原因についてご紹介しましたが、耳が詰まった感じがする原因はストレスだけとは限りません。例えば、耳垢が溜まって聞こえにくくなってしまう「耳垢栓塞」という状態は疾患などではありませんが、耳閉感(耳が詰まった感じ)、難聴などの症状につながることが多いです。

また、加齢によって神経や内耳の機能が衰えると、やはり耳が聞こえにくくなります。他にも、耳の穴の入り口から鼓膜までの部分(外耳道)の皮膚に炎症が生じる「外耳炎」でも耳が詰まった感じや聞こえにくさ、痛み、腫れなどが起こります。必要以上に耳掃除をしたり、耳垢が溜まったりして炎症が起こります。

耳の病気といえば、耳管を通過したウイルスや細菌などの病原体が中耳で炎症を起こして膿が溜まってしまう「中耳炎」が有名です。膿が溜まって鼓膜が腫れることで耳が詰まった感じがしたり、痛みや発熱が起こったりします。中耳炎には、以下のように急性・慢性・滲出性の3つがあります。

急性中耳炎
風邪などが原因で発症するケースが多い
慢性中耳炎
鼓膜が破れて穴が開くことで、慢性的に粘性の耳垂れが出るなどの症状が起こる
滲出性中耳炎
鼓膜の奥にある中耳に浸出液が長時間溜まる、慢性の炎症疾患
急性中耳炎とは異なり、細菌の菌体成分(菌を構成する成分)や弱毒菌(毒性の弱い菌)が原因で発症するケースが多い
耳が詰まったような感じのほか、アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎などを併発することも

また、滲出性中耳炎や風邪、アレルギー性鼻炎などの疾患が原因となって、耳管狭窄症という耳管内腔が狭くなって機能が低下した状態になることもあります。このときも耳が詰まったような感じがするほか、難聴や耳鳴りなどの症状が見られます。

耳が詰まった感じがするときの治し方は?

耳が詰まった感じがするときの治し方は、原因によってさまざまです。耳垢が詰まっている場合や、水が入ったことによる耳閉感の場合は、原因となる物質を除去すれば症状が改善する場合が多いです。耳かきで奥まで突いてしまった、耳に物が当たったなどで鼓膜が傷ついてしまった場合でも、小さい傷なら自然治癒することもあります。

何らかの疾患が原因と考えられる場合、症状がごく軽い場合であれば、ビタミンB群を配合している市販薬を飲んだり、漢方薬を使ったりすることで症状が改善することもあります。漢方薬の場合は、「加味帰脾湯(かみきひとう)」や「苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)」などが良いとされています。

他にも、日常生活の中でできる対処としては、以下のようなことが挙げられます。

  • ストレスを溜め込みすぎない
  • ビタミンB群(特に、末梢神経の修復をサポートするビタミンB12)を摂取する
  • 気圧の変化が原因の場合、あくびをしたり、水分を摂ったりする
  • 過剰な耳掃除を避ける

こうした対処を行っても症状が改善しない場合は、何らかの疾患が原因となっている可能性もあります。中には重篤な疾患を発症している場合もありますので、できるだけ早めに医療機関を受診し、原因や症状に合った薬を処方してもらいましょう。

最近増えている「低音障害型感音難聴」の治し方は?

急性低音障害型感音難聴とは、急に低い周波数の音だけが聞こえにくくなるという疾患で、「耳に水が入ったような感じ」「周囲や自分の声が耳の中で響く」「ゴーッという低い音の耳鳴りがする」といった症状が現れます。軽いふらつきなどの症状が出ることもありますが、ほとんどは耳の症状のみです。

よく似た疾患として、突発性難聴やメニエール病がありますが、急性低音障害型感音難聴は突発性難聴に比べて治りやすいという特徴があります。ただし、長引いたり再発を繰り返したりする場合もありますので、自覚症状がなくなったから治ったと自己判断で治療を中断してしまうことのないよう気をつけましょう。

急性低音障害型感音難聴は、睡眠不足、ストレス、身体の慢性的な疲れ、風邪などが原因で起こります。若い世代に多い疾患だとされていましたが、最近増えているのは50代、60代、あるいはそれ以上の高齢者の急性低音障害型感音難聴です。年齢に伴う動脈硬化や、体力の低下などが関係しているのではないかと考えられています。

基本的には睡眠不足やストレス、身体の慢性的な疲れが原因であることが多いため、対処としてはまず普段よりもゆっくり身体を休めます。それでも治らない場合は、原因によって治療の方法が異なります。

内耳(蝸牛)のリンパ液の流れが滞っている場合
急性の軽度の炎症が原因となり、リンパの流れが悪くなっている場合はステロイド剤を使う
溜まりすぎた内耳のリンパ液を排出するためには、利尿剤を使うことが多い
リンパ液が溜まりすぎないよう体調を整える「五苓散(ごれいさん)」などの漢方薬が使われることも
内耳(蝸牛)の血液の流れが悪くなっている場合
動脈硬化が関係しているといった場合は、低血圧の場合は血液の流れを良くする薬を使うこともある
基本的には定期的な有酸素運動を含む、健康的な生活習慣を行う
食事・運動・睡眠といった基本的な生活習慣を心がける
年齢に伴う体力低下などが原因の場合や、1ヶ月服薬して治療していても治らないといった難治性の場合は「人参養栄湯(にんじんようえいとう)」という漢方薬を使うことも

いずれの場合も、医師の診察や処方が必要です。ゆっくり身体を休めても治らない場合は、耳鼻科などの専門医の診察を受けましょう。

おわりに:ストレスで耳が詰まったようになる場合、疾患が原因のことも

ストレスで耳が詰まったようになる場合、自律神経のバランスが崩れやすくなって起こるケースのほか、ストレスによって起こる疾患から耳が聞こえにくくなるケースもあります。また、近年では急性低音障害型感音難聴という疾患が増えています。

いずれの場合も、ストレス性の場合はまず心身をゆっくり休めることが重要ですが、中には重篤な疾患の場合もありますので、休んでも治らないときは病院で診察を受けましょう。

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