転職後のストレスや不安の原因は?解決する方法はあるの?

転職のストレスで悩んでいる男性ストレス

転職では全く新しい環境に一人で臨むわけですから、大なり小なりストレスや不安を抱えることになるのは誰でも想像がつくでしょう。どれだけ入念に準備をしていても、いざ転職のときを迎えると不安になるものです。
では、転職後に感じるストレスにはどんな原因があるのでしょうか。また、実際に不安やストレスを感じたとき、どうやって解決すれば良いのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

転職後に感じるストレスにはどんな特徴がある?

転職は、多かれ少なかれそれまでの生活を変えることになりますので、誰でも何かしらのストレスは感じてしまうものです。特に不安は最も感じる人が多く、転職エージェント「doda」が行ったアンケートによれば、転職で最も不安を感じていた時期は「転職後1ヶ月以内」と答えた人が86.8%にのぼりました。1ヶ月以内の内訳を見ると、具体的には以下のようになっています。

  • 内定後〜入社前日…27.6%
  • 転職初日…33.7%
  • 転職2日目〜1週間…17.3%
  • 転職1週間〜1ヶ月…8.2%

また、残りの13.2%である転職後1ヶ月を超えてから不安を感じたという人の内訳は、以下のようになっていました。

  • 転職1ヶ月〜3ヶ月…5.8%
  • 転職3ヶ月〜半年…1.2%
  • 転職半年〜1年…2.5%
  • それ以降…3.7%

転職1ヶ月以降の中でも、やはり1ヶ月〜3ヶ月という早い時期に不安を感じていた人が多いことがわかります。たとえ転職先の職場環境が良かったとしても、環境が変化することそのもののストレスは避けられません。転職では職場環境だけでなく、人間関係も新しくなりますので、未知の環境に足を踏み入れる不安やストレスは全くおかしなことではありません。

応募要項や面接、職場見学、インターンシップなどで十分に職場を研究した上で前向きに転職したとしても、実際に働いてみないとその転職が本当に成功だったのかどうかはわからないものです。理想通りに行かず、時には前職の方が良かったと感じてしまうこともあるかもしれません。人間関係にうまく馴染めるかという問題もあるでしょう。

とはいえ、転職後に感じるストレスは、人生で感じるその他のストレスと比較するとそれほど高くないと考えられています。1967年にアメリカの心理学者ホームズ氏とラー氏が開発した「ストレスマグニチュード」という尺度を基準に、日本社会におけるさまざまなストレスを数値化したところ、1位と仕事に関係するストレスはそれぞれ以下のようなポイントになりました。

  • 1位:配偶者の死…82.4ポイント
  • 9位:失業・リストラ…70.8ポイント
  • 15位:職場の人間関係のトラブル…64.1ポイント
  • 23位:転職…57.2ポイント

つまり、人生におけるストレス度合いで見た場合、転職はストレスポイントが決して低いわけでもありませんが、転職前につい心配するほど大打撃になりうるストレスでもないことがわかります。また、転職をしなければ転職に関わるストレスを感じることはありませんが、今の仕事に不満を抱えながら働き続けることもやはりストレスになってしまいます。

正社員で働く人に仕事中のストレス要因を調査したところ、「上司との人間関係」が最も高いという結果になりました。次に給与の低さ、後輩との人間関係と続きます。さらには仕事量の多さ、勤務時間の長さと、いずれもストレスの原因となりえることがらが一時的なものではなく、長期的に続くものです。現在の職場に不満がある人は、転職による一時的なストレスと、こうした長期的なストレスのどちらを取るか、よく考える必要があるでしょう。

ストレスは、男女によっても感じ方が異なるとわかっています。女性の場合は共感性を大切にする傾向があり、人間関係の悪化などに敏感に反応するため、職場の人間関係にストレスを感じる女性は少なくありません。また、月経などの影響によりホルモンバランスも男性と比べると乱れやすい傾向にあるため、ストレスの影響が身体症状として現れ、頭痛や不眠を引き起こすことがあります。

男性の場合、ストレスを感じても身体症状が現れにくい傾向があり、ストレスを感じても溜め込みがちになるとされています。また、ストレスを隠す傾向もあり、身体症状が限界に近づいてからようやくストレスが心身ともに負担をかけていることに気づくケースも少なくありません。

転職後のストレスは何が原因になりやすい?

実際に転職後のストレスについて調査したアンケートによると、転職後の主なストレス要因としては以下の5つが挙げられます。

転職後のストレスの原因①:仕事の内容や条件が思っていたものと違う

転職に関わるストレスとして最も大きなものに「入社前に聞いていた条件・仕事内容と違う」「イメージしていた仕事と違う」というものがあります。転職後は気持ちを入れ替えて頑張ろうと思っていても、仕事内容や条件が聞いていたものと違う、イメージしていたものと違うとなれば大きなストレスになりますし、モチベーションもがくっと下がってしまいます

ボーナスがあると聞いていたのになかった、残業はないと聞いていたのに帰りづらい雰囲気で帰れなかった、といったエピソードも聞かれます。しかも、これらに気づいて申し出てもすぐには改善されない可能性もあります。このストレスに関しては転職後に変えていくことは難しいので、転職前にしっかり業界・企業研究を行うこと、入社前の面接や面談でのすり合わせを入念に行うことが重要です。

転職後のストレスの原因②:コミュニケーションの問題

人間関係を構築するコミュニケーションの問題は、転職のときだけでなく仕事を行う上で必ずつきまとってくる問題の一つです。上司や同僚とうまくコミュニケーションがとれないことは、仕事をする上で大きなストレス要因になってしまうでしょう。もちろん、一緒に働く人間が大きく変わる転職直後は、うまくコミュニケーションがとれなくて当たり前です。

いうなれば、既に出来上がっている人間関係に自分だけが異分子として入り込んでいくわけですから、どう打ち解ければ良いのか、馴染んでいけばよいのか迷う人も多いでしょう。困ったときや悩んだとき誰に相談すれば良いかわからず、問題が解決しないまま深刻化してしまうこともありえます。まずは、その組織の空気感を見極めるためにも、最初は相手主体のコミュニケーションを心がけると良いでしょう。

転職後のストレスの原因③:社風や制度が合わない

前に働いていた会社とルールが違う、別の手順を踏まなくてはならない、今までの経験をうまく活かせないという場合にもストレスを感じやすいです。社風や文化が違う場合にも、疎外感や孤独感、不安を感じてしまう人は少なくありません。とはいえ、転職直後に反発を示してしまうのは人間関係を悪くする一因にもなってしまうので、避ける必要があります。

まず、仕事の進め方や向き合い方には、それぞれの会社で独特のルールや制度があるものですから、自分が慣れ親しんだ習慣やシステムが全てではないことを肝に銘じておきましょう。まずは一度新しい会社の環境を丸ごと受け止め、その上で正しくない社風や制度があると感じたときは、上司や同僚と相談しながらじっくり改善していくのがベストです。

転職後のストレスの原因④:スキル

転職後、仕事についていけず落ち込んでしまったり、同僚のスキル不足にイライラしてしまったりと「スキル」に関するストレスを抱える人も多いようです。同じ業種や職種でも、会社によって求められるスキルは異なります。自分のスキルが足りないと感じるときはスキルアップのチャンスと捉え、積極的にインプットの量を増やしていきましょう。

特に転職直後は、専門用語が多い、業務の仕組みが複雑など覚えなくてはならないことが多く、なかなか自分の本来の実力を発揮できないものです。やり方が覚えられないとスキル不足だと思い込んでしまいがちですが、そんなときこそ焦りや不安をぐっとこらえ、ワンランク上のビジネスパーソンに成長すべく新しいやり方も意欲的に吸収していきましょう。

逆に、同僚のスキル不足を感じてストレスを覚える人もいるでしょう。その場合、採用担当者はスキルを社内に共有してくれることを期待している可能性があります。部署やチームに貢献したいという気持ちを持って積極的にスキル共有していければ、社内での自分の価値や評価もぐっと上がることでしょう。

転職後のストレスの原因⑤:ライフスタイル

転職によって就業時間や時間帯、通勤時間が変わったことでライフスタイルも変化し、ストレスを感じる人もいます。就業時間帯や通勤時間が変化することは入社前からわかっていたものの、実際にやってみると辛いという人は少なくありません。労働時間や残業の有無が違う、通勤時間や経路・手段が違うといったことには、なかなか身体もすぐに適応できないものです。

生活習慣が崩れて疲れが抜けなかったり、その結果体調を崩してしまったりすると、今後の通勤にも不安を感じてしまいやすいですが、基本的にこのストレスからは慣れで解放されます。転職後数週間〜数ヶ月間は身体が慣れるまでじっと待ちましょう。入社前に、生活がどのくらい変わるかイメージトレーニングをしておくと、ギャップにも早く対応しやすいです。

転職後のストレスはどうすれば解決できる?

ここまでお話してきたように、転職後には多くの人が一定のストレスを抱えやすい傾向にあります。特に、新しい環境に移ってすぐは職場の雰囲気や求められるパフォーマンス基準が前職と異なるため、心身にストレスとしてのしかかってくることが多いです。そこで、転職後に感じるストレスを解決するためには、以下の7つのポイントを心がけましょう。

不安を感じるのは当たり前、と割り切る
新しい業務内容や人間関係の中に1人で飛び込んでいくとき、不安を感じるのは当たり前
新しい環境に不安な中で働いている自分を肯定しながら、焦らず慣れていく
仕事を早く覚えるだけでなく、新しい環境や生活リズムに馴染むことを最優先に
積極的にコミュニケーションをとる
相手を知り、相手にも自分を知ってもらう相互努力によって不安が払拭される
まずは、自分から積極的なコミュニケーションを。笑顔で挨拶からスタートしよう
相手の顔や名前を覚えて話しかけたり、報告や連絡を意識的に行ったりするだけでも印象はとても良くなる
やや大きめの声や笑顔を意識すると、相手と打ち解けやすくなり、自分の気持ちも前向きに
新しい職場の社風・習慣・ルールなどを知る
戦略や考え、優先事項、業務スタイルなどはまず受け入れ、試してみる
このとき、風土や雰囲気、環境を前職と比べたり、前職の基準で勝手に判断したりすることは避ける
新しいやり方に沿った上で、前のやり方の方が自分にも会社にも良い結果をもたらすと思ったとき、改めて提案する
上司からのアドバイスや注意を受けたときは、ダメ出しでなく助け舟と思って取り組む
相談相手を見つける
不安なときや困ったとき、自分ひとりで考え込むと焦りや不安を悪化させてしまう
入社してすぐならわからないことも聞きやすいので、どんどん聞き、教えてもらったらしっかりインプットする
教えてもらうときにはメモをとり、後から復習するという学びの姿勢を忘れずに
適度な目標を設定する
一定期間を目安に目標を立てて向き合うことで、行き先やゴールが明確になり、達成感を得やすくなる
ただし、早く結果を出したいと焦りすぎるあまり、無理をした高すぎる目標を立てるのはNG
最初はごく小さなことから、1つ1つ着実にこなして実績と自信を積み重ねていく
自発的に学ぶ姿勢を持つ
失敗を恐れすぎず、業務に率先して取り組み、一歩ずつ確実に経験を積む
全く失敗しない人はいないので、失敗から着実に学び、同じミスを繰り返さないことが重要
過剰に落ち込んだり焦ったりせず、新しいことには意欲的にチャレンジしていく
プライベートの時間はしっかりリフレッシュする
プライベートの時間にはしっかり休み、気持ちや身体をリフレッシュさせる
早く仕事を覚えたい、新しい環境に馴染みたいと焦る気持ちもあるが、余裕がないと些細なミスをしやすくなる
業務中は仕事に向き合い、終わったら頭を切り替えて趣味や余暇の時間を満喫する余裕を
プライベートでリフレッシュできれば、自信や前向きな気持ちが生まれ、不安やストレスを減らすことにもつながる

また、勤務先が進めるストレス対策として「ワークライフバランスの推進」や「コミュニケーションを円滑にする風土作り」を行っている企業は多いようです。人間関係やワークライフバランスの問題は多くの人がストレスを抱えやすいので、転職後も対策がとられている企業が多いとわかれば不安の軽減につながるでしょう。

ただし、仕事内容が原因のストレスだけは、前述のように転職してしまってから対策をとるのが難しい傾向にあります。このストレスが最も多いストレスでもありますので、転職する前にしっかり業種・業界研究や面接・面談時のすり合わせを行いましょう。自分で交渉しづらい場合は、転職サポートに当たってくれるキャリアコンサルタントを通じてすり合わせておくとより安心です。

心身の不調が続くときは早めに相談を

心身のストレスには、必ずしも自分ですぐに気づけるとは限りません。特に転職後は新しい環境に慣れることでいっぱいっぱいになってしまい、体調や精神の変化に気づけないこともあります。感じているストレスが大きいのか小さいのか自分ではわからない、という人もいるでしょう。そこで、厚生労働省が提供する「5分でできる職場のストレスセルフチェック」を利用するのがおすすめです。

全57の質問に約5分で答え、どれくらいストレスを感じているか、ストレスの原因は何なのかといったことを探ります。利用は無料で、特別な手続きをする必要はありません。転職前より落ち込むことが増えた、なんとなく身体の調子が悪い、だるさが抜けないといった症状があれば、ぜひ一度ストレスチェックを行ってみましょう。

また、「会社に足が向かわない」「わけもなく涙が止まらない」など、日常生活に支障をきたすような強い症状が続いてしまう場合は、精神症状が出ている可能性が高いです。早めに精神科・心療内科など、心に関する専門の医療機関を受診しましょう。

人気のクリニックは前もって受診の予約を入れないと受け付けてくれない場合がありますので、注意が必要です。また、転職先の会社と病院が提携している場合は受診料金が割安になるケースもありますので、一度上司に確認してみると良いでしょう。

体調不良が続いているけれどどの科を受診すれば良いかわからない、という場合は、市役所の健康課などに問い合わせてみると受診すべき科を教えてもらえることがあります。他にも、医療機関案内サービスなど、電話で該当の医療機関を教えてくれるサービスもありますので、ぜひ積極的に利用してみましょう。

転職先の社員数が常時50人を超えるなら、必ず産業医が勤務しています。これは厚生労働省により義務付けられた制度なので、該当する会社なら、この産業医にまず相談してみるのも良いでしょう。健康状態によっては上司と産業医が面談を行い、仕事量を調整したり、異動が行われたりするケースもあります。

転職したばかりで会社の制度を使うことにためらいがあるかもしれませんが、社員の健康を守るのは会社の義務でもあります。気になることがあれば遠慮せず、自分の心身の健康を守るために相談してみましょう。

おわりに:転職後はストレスや不安がつきもの。早めのセルフチェックや対策を

転職後は何かとストレスや不安がつきものです。特に、転職から1ヶ月以内に不安を感じる人は8割を超えることがわかっています。新しい環境に飛び込むのは誰でも怖いもので、少しも恥ずかしいことではありません。

転職後に何かおかしいと感じたら、早めに厚生労働省の「ストレスセルフチェック」を行ったり、自分で解決に向けて工夫したりしてみると良いでしょう。ストレスが酷い場合は、専門の医療機関に相談することも重要です。

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