オフィス環境によるストレスは業務にも影響!?どうやって解決すればいい?

ストレスに配慮した環境のオフィスのイメージ画像ストレス

オフィスにおけるストレス要因はさまざまですが、意外に見落とされがちなのが「オフィス環境」です。オフィスの過ごしやすさは自宅と比べて軽視されやすいですが、ストレス要因の多いオフィスでは集中力も下がってしまいます。

そこで、今回はオフィス環境のストレス要因とその解決策、メリットについてご紹介します。オフィス環境の改善を考えているなら、ぜひ一度チェックしてください。

オフィス環境がストレスの原因になる?

オフィス環境の中でも、特にストレス要因になりやすいポイントとして、以下の8つが挙げられます。

騒音や雑音が多すぎるオフィスでは、多くの人は業務に集中できず、ストレスに
雑音が全くない環境も、電話応対の声などが響いて逆にストレスを感じやすい
温度・湿度
夏場の室内温度、梅雨時期の湿度など、高すぎるのも低すぎるのもNG
空調設備や換気設備を利用し、誰にとっても快適なオフィス環境を
視線
他人からの視線は、多くの人にとってストレス要因
作業中のPC画面を後ろから覗かれる、常に上司の視線を感じる、など
中には、気になって作業に集中できないという人も
雰囲気
車内の空気がピリピリしていると、居心地の悪さを感じる人も多い
快適に感じる雰囲気には個人差があるものの、基本的にはアットホームで風通しの良い雰囲気が好まれやすい
照明・ブルーライト
室内の照明や、スマホ・パソコンの画面など、業務には光が重要
ブルーライトなど光の負担による眼精疲労から、肩こりや頭痛になる人も
体調不良による業務効率低下をストレスに感じるビジネスパーソンは多い
ブルーライトによる眼精疲労を軽減するため、オフィス内の照明の明るさや色合いを調整して対策する企業も
汚れ
オフィスやデスクに書類・備品・その他のものが溢れかえっていたり、明らかな汚れがあちこちに付着していたりすると、大きなストレスに
会議室・応接室・エントランスなどが乱雑だと、来訪者に悪印象を与えてしまう
基本の整理整頓や清掃を徹底するとともに、書類の電子化によるペーパーレス、クラウドサービス活用による紙資料の削減などでオフィス環境を見直す
閉鎖感
快適に働けるオフィスの広さは、1人あたり2〜2.5坪(畳4〜5畳、7㎡)
これより狭いとオフィスに閉鎖感を感じたり、ストレスを感じやすくなったりする
個人の作業スペースやデスクは、横幅1.4m程度あれば隣の人を気にせず業務に集中できる
空気
広さ同様、1人あたり必要な空気の量(気積)にも基準があり、10m³以上とされる
労働安全衛生規則で定められ、気積は床面積×天井の平均的な高さで求める
定期的に窓を開ける、空気清浄機を導入するなどで換気もしっかり行う

職場環境の中で最大限のストレス要因は「音のプライバシー」だということがシドニー大学の調査からわかっています。オフィスのタイプに関わらず、個室のないオープンオフィスやパーティションで区切っただけのオフィスの場合、半数以上もの人がフラストレーションを感じているという結果になりました。

聞きたくない音や話を聞いてしまうストレスだけでなく、自分の聞かれたくない音や話を聞かれてしまうことが心理的なストレスになるようです。また、同じように視覚的なプライバシーの欠如も大きなストレス要因だとわかっています。上司の席が自分の席の真後ろにあるなど、まるで監視されているような状況では気を張り詰めっぱなしになってしまいます。

近年、デスクワークでは長時間同じ姿勢でパソコンを使うことから、眼精疲労や視力低下の他にも肩や腕の痛み、判断力の低下などさまざまな症状が現れます。この傾向は観葉植物がないオフィスでより強まることも調査結果からわかっていて、観葉植物がないオフィスではあるオフィスと比べて空気のよどみに関する不満足率が約35%も違うという結果になりました。

職場のストレス要因で最も多いのは人間関係だとされていますが、オフィス環境と密接に結びつく人間関係もあります。「デスクや作業スペースが狭すぎて、隣の人の物や資料がはみ出てくる」「対向型レイアウトで奥行きが足りず、机の下で足がぶつかる」といった環境では、どうしてもイライラがつのってしまいます。

次章では、実際にこうしたオフィス環境を改善することで得られるメリットについて見ていきましょう。

オフィス環境を改善するとどんなメリットがあるの?

オフィス環境を改善すると「業務効率・生産性アップ」「ストレス軽減」「創造性につながる」という3つのメリットが考えられます。それぞれ詳しく見ていきましょう。

オフィス環境改善のメリット①:業務効率・生産性アップ

過剰なストレスは脳の処理能力を低下させ、日常的な業務の作業効率や生産性までも低下させてケアレスミスが増え、さまざまなリスクも高まります。環境要因によるストレスは、経営者側のみの努力で簡単に取り除くことができますので、ぜひ気づいた時点で改善していきましょう。

また、オフィスで利用する備品が全く整理されていない、そのため業務に必要なものがなかなか見つからない、というタイムロスもストレスにつながります。必要なものを探す時間が短縮できれば、その時間で他の作業を行うこともできますし、ストレスフリーに業務を進められるでしょう。

オフィス環境改善のメリット②:ストレス軽減

前述のようにストレスが減れば業務の効率や生産性がアップしますので、従業員自身はもちろん企業にとっても大きなメリットになりえます。厚生労働省が2018年に発表した「労働安全衛生調査」によれば、労働者の58%が業務に強いストレスを感じることがあり、そのうち59.4%は「仕事の質・量」によるものだとわかっています。

他にも、株式会社USENが2016年に行ったアンケート調査でも、約60%の従業員が現在のオフィス環境に満足していないと回答しています。つまり、オフィス環境を整備することは仕事の質を向上させ、従業員のストレスを軽減することにつながるのです。快適な環境で業務を行えることは、従業員の離職率低下にもなるでしょう。

また、近年では仕事を原因とする精神的な疾患のリスクがよく指摘されていますが、うつ病・適応障害・パニック障害・自律神経失調症などの精神疾患・精神症状はいずれもストレスが原因となって引き起こされるものです。まずは、最も調整しやすい職場環境のストレスから減らしていくのが、精神疾患のリスクを下げる近道と言えるでしょう。

さらに、ストレスの多いオフィス環境が慢性化した場合、社内の人間関係も悪化しやすくなります。その結果、社内の連絡や各部署との連携に支障をきたし、業務が進まなくなってしまうかもしれません。こうしたリスクを軽減するためにも、従業員のストレス要因となりえるオフィス環境はできるだけ解消しておきましょう。

オフィス環境改善のメリット③:創造性につながる

従業員のクリエイティビティが必要な業種においては、創造性アップのためにストレス解消が重要です。IT企業やベンチャー企業で求められやすい「イノベーション」は、リラックスした状態や、ありきたりなオフィスとは異なる独創的なオフィス環境によって生み出せるとされています。

例えば、Google社では社内にゲームコーナーや完全無料の社員食堂のほか、仮眠室や瞑想室なども設置されています。このように独創的なオフィス環境、社員のストレスをできるだけ解消しやすい環境を整備することで、長期的な利益を生みだそうとしているわけです。

ストレスがたまりにくいオフィス環境にするにはどうすればいい?

ストレスがたまりにくいオフィス環境を作るためには、最初にご紹介したようなストレス要因を取り除くとともに、より快適なオフィス空間を作る工夫も必要です。最後に、すぐにできるオフィス環境改善と、ストレス軽減・快適な空間設計・イノベーションの3つのカテゴリに分けたオフィス環境改善についてご紹介します。

すぐにできるオフィス環境改善方法とは?

オフィス環境の改善というと、家具の入れ替えやリフォーム、リノベーションが必要な大掛かりなものを考えがちですが、中にはすぐにできる改善方法もあります。まずは、以下の3つのポイントができているかどうかチェックしてみましょう。

BGMを流す
業務上問題のない範囲で、クラシックやジャズなどリラックス効果の高いBGMを流す
いくつかの音楽をランダムに流すことで、マンネリ化防止も期待できる
清潔・整理された環境を保つ
汚い環境、乱雑な状態はそれだけでストレスを増加させてしまう
夏季・冬季・年末年始など、長期休暇に入る前は社員全員でオフィスの大掃除を
観葉植物など、自然をインテリアに取り入れる
自然に由来するインテリアやデザインを取り入れて、心を癒す
観葉植物や床を芝生にするバイオフィリック・デザインのほか、造花や自然を基調としたインテリア・デザインでもOK

中でも、整理整頓や清掃は新しいものをわざわざ取り入れる必要もなく、今すぐにでも行えるストレス軽減方法です。オフィスやデスクを見回して汚れている、散らかっていると感じるなら、ぜひ掃除や整理整頓してストレスを減らしましょう。

【ストレス軽減編】身体感覚のストレスを減らすには?

次に、身体感覚として部屋の明るさ、温度や湿度、換気、音、目に入る風景などがストレス要因になっていないかチェックしましょう。特に、温度・湿度や換気などは単純な生産性アップ・ストレス軽減だけでなく、従業員の健康を守るという会社の義務を達成する上でも大切なことです。近年、問題となっている感染症予防のためにも、ぜひ快適な温度・湿度と換気を徹底しましょう

また、従業員の眼精疲労やそれに伴う肩こり・腰痛を軽減するためには、照明の明るさや色合いを調節したり、ブルーライトカットメガネを支給したり、PCモニターを入れ替えたりするのも一つの方法です。特にブルーライトカットメガネなら安価かつすぐに対応しやすいので、まずメガネを導入して効果を見るのも良いでしょう。

最初にご紹介したように、職場の最大のストレス要因とされる「音」のプライバシーを守るためには、遮断・遮音できるようなスペースの設置や、電話応対などには専用ブースを設置するなどの工夫をすると良いでしょう。

集中ブースの設置
図書館や学習塾の自習スペースのような、周囲の目に触れない個別の作業スペースを作る
周囲との接触を一時的に遮断することで、業務に没頭できる環境を作り出せる
遮音環境、サイレントエリア
集中ブースよりもさらに遮音・遮断を強化したスペース
より集中して作業を行うことが目的で、遮音性を高めるほか周囲との環境を遮断する
電話専用ブースの設置
遮音環境とは逆に、電話をする場所を限定して周囲の集中を妨げないようにする

集中して行う作業は、情報のインプット(収集・整理など)や資料作成などたいてい一人で行うものです。そこで、一人で思いっきり集中できるよう、遮断・遮音できる環境を用意すると業務効率や生産性がアップするでしょう。話しかけられたり、周囲の人が立てる雑音が耳に入ったりするとどうしても集中が途切れてしまうので、隔離された環境にするのがポイントです。

【快適な空間設計編】業務内容に沿った作業空間を

さらに、業務内容に沿った作業空間を用意することで生産性をアップする方法もあります。前述のように一人で作業する内容なら個人スペースで遮断・遮音して集中して行えば効率が良いですが、チームで行う仕事はコミュニケーションがとりやすい環境を用意する必要があります。でないと、思わぬ認識のズレや人間関係のトラブルが発生しかねません。

例えば、以下のようなワークスペースを用意すると良いでしょう。

モニター、ホワイトボードのある会議室
クラウド化の推進により、会議で紙を使わない企業も増えている
特に会議の場合、紙の資料よりモニター投影の方が進行しやすい
ホワイトボードに書いた内容がそのまま電子化されるといったものを使えば、議事録も取りやすい
スタンドミーティングスペース
健康面でも、会議効率面でもスタンドミーティングスペースは注目を集めている
立って行うため体力的な負担が大きく、集中して早く終わらせようとすることが多い
座るのを待たなくて良いので、すぐに必要な情報伝達ができる

複数人で行う仕事とは、自分以外の人にアイディアを評価してもらったり、情報を共有したりするもので、会議室やミーティングスペースなどを必要とします。会議室で紙の資料を使う場合、見てほしいページと違うページを見ていたり、指示が聞き取れていなかったりと進行をコントロールするのが難しくなるため、資料を投影できるモニターがあると便利です。

また、こうした複数人で利用するスペースはさまざまな部署やチームが入れ替わりで使うことになりますので、会議予約システムなどを活用し、いつ会議室が埋まっていていつなら空いているのか、必要な従業員がいつでもすぐ確認できるようにしましょう。

クリエイティブな業種の場合、座席を定めない「フリーアドレス制」などのレイアウトを取り入れるのもおすすめです。自由に席を移動してさまざまな人とコミュニケーションを取り、部門を越えた活発な意見交換を行えます。いつもの自分の座席を離れて気分転換すれば、リラックスして新たなアイディアを生み出せるかもしれません。

【イノベーション編】創造性を刺激する職場にしよう

最後に、単にストレスを軽減するだけでなく、イノベーションをもたらすような創造性を刺激する職場にする方法をご紹介します。まずは、リフレッシュとリラックスをもたらすスペースを設置する方法があります。

リフレッシュルームを設置する
くつろげる空間や、リラックスできるソファーなど、身体と脳を休めるスペースを設置
カフェスペースにして、誰でも気軽に立ち寄れるようにするのもおすすめ
遊び場を設置する
卓球・ジムエリア、図書室、シアタールームなどあえて「遊び」を取り入れる
脳は、リラックスしているときにアイデアを生み出すとされる
集中して働いていた脳を休ませるため、体を動かしたり娯楽を楽しんだりすることも重要

一つのことに集中して考えごとをしていると、発想が偏ったり先入観に邪魔されたりして柔軟なアイディアが生まれにくい傾向があります。そこで、創造性を刺激するために、リラックスできるリフレッシュルームを設置したり、身体を動かせるスペースを作ったり、娯楽で気分転換できる要素を用意したりするというのが一つの方法です。

また、同じ部署やチームなどの「いつものメンバー」を越えてさまざまな部署やチーム、立場、年齢の人とコミュニケーションすることで、斬新なアイデアや発想を生み出せることもあります。このためには、自然と社内のさまざまな立場の人がふらりと立ち寄り、雑談しやすいスペースを作ることが必要です。

オープンミーティングスペースを設置する
誰もが通るところに、オープンなミーティングスペースを設置する
たまたま通りかかった人が意見をくれるなど、偶発的なアイデアが生まれやすい
専有専用から、共有共用のパブリックスペースへ
スペースを有効活用するだけでなく、今まで関わりのなかった部署やチームの人と交流しやすくなる

改めてオープンミーティングスペースを設置するのも良いですが、単にある部署が専有していた会議室などをパブリックスペースとして解放するだけでも、そこにさまざまな人が訪れます。やってきた人と積極的にコミュニケーションすることで、意見交換を含めた良い刺激や交流が生まれるでしょう。

おわりに:オフィス環境によるストレスを軽減し、生産性や業務効率をアップしよう

オフィス環境によるストレスとは、音や温度・湿度、明るさ、空気の淀みなど身体的な感覚のほか、目に入る汚れや資料などの乱雑さ、人の視線、スペースの狭さなども関係します。

従業員のストレスを軽減することは業務効率や生産性のアップにつながりますが、中でもオフィス環境の改善は経営側だけで行いやすいところです。ぜひ、ご紹介したポイントを参考に、できることからオフィス環境を改善してみてはいかがでしょうか。

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