ストレス解消に役立つツボ。どうやって刺激すればいい?

ストレス

ストレスを解消し、リラックスするためにはさまざまな方法がありますが、中でも東洋医学で治療によく使われる「ツボ」を利用する方法はストレス以外にもさまざまな良い効果が期待できますのでおすすめです。

今回は、ストレス解消に役立つツボをストレスの状態や部位別にご紹介します。最近ストレスが多い、疲れている、ついイライラしてしまうという人はぜひチェックしてください。

ストレスで起こる変化と気をつけたいい人の特徴

人間はストレスの原因となる刺激(ストレッサー)を受けた後、ストレス反応という反応を引き起こします。このストレス反応には3つの段階があり、1〜2段階目くらいの疾患に移行する前の段階でストレスを解消しておくことが重要です。

警告期
受動的反応期ともされ、「疲れたな」「体調が悪いな」というような危険信号が身体から発せられている状態
血圧が上がったり下がったりすることがある
イライラしたり、異常な肩こりが生じたりする
トラブルやミスが多くなる
抵抗期
ストレスに対して反発・抵抗する時期で、疲労感が興奮に変わったり、逆に脱力感に陥ったりする
血圧の変調が本格的になり、血糖値も上がる
胃や心臓などの臓器に異常が現れる
仕事を抱え込むようになったり、かえって仕事を休まなくなったりする
疲弊期
完全に疲れきって、本当の疾患に移行する時期
自分の力では、どうやっても回復できなくなる
集中力がなくなり、もの忘れがひどくなる
やる気が起きなくなる
ストレス性潰瘍などの心身症になったり、うつ病になったりする

ストレスが溜まっていくと、だんだんと上記のように警告期から抵抗期へ、それでもストレスの軽減がされない場合は疲弊期へと移行していってしまいます。疲弊期に至り、セルフケアではどうにもならなくなってしまう前に、ストレスを解消していきましょう。また、ストレスを溜めやすい性格というのもあります。下記に当てはまる人は、意識的にストレスを解消しましょう

真面目で几帳面な人
ストレスを溜めやすい性格の中でも、最も多いタイプ
完全主義者が多く、適当に妥協できず責任感も強いことから、何もかも自分で背負い込んでしまう
いつも精神的な緊張感があり、少しでも上手くいかないと落ち込んでストレス状態になる
内向的、消極的な人
誘われたときに「No」と言えないタイプで、内向的で大人しい人が多い
言えない自分を反省してストレスに陥ってしまう
いつもこの調子でいると、自己嫌悪の気持ちが溜まっていき、ストレスになる
頑固で厳格な人
頭ごなしに決めつけたり、威圧的な態度をとったりする人は、ストレスを溜めやすい
頑固なために他人のミスが許せず、誰かが失敗するとすぐに爆発してしまう
怒りが自分にもストレッサーとなり、ストレスが溜まりやすい状態に
取り越し苦労しやすい人
取り越し苦労ばかりしている人は、上手くいくかどうかいつも不安な状態
心が休まる暇がなく、不安がストレッサーとなってしまう

ツボ押しや鍼はストレスに効く?

「ツボ」とは古代中国で生まれた治療法で、東洋医学においては2000年以上もツボを利用した治療が行われてきました。WHO(世界保健機関)も認めるように、一定の効能があることもわかっています。2000年代に入ると、長い歴史の中で国によって違いがあったツボの位置や名称の統一がなされ、今後も科学的な解明が期待されています。

ツボによる治療の基本には、東洋医学における「経絡(けいらく)」という考え方があります。経絡は目に見えないながら全身を巡っていて、人間の生命エネルギーの通り道になっていると考えられています。経絡の流れがスムーズだと身体のバランスが保たれ、健康でいられるのですが、流れが滞るとバランスが崩れて不調を引き起こしたり、疾患を発症したりするとされています。

主要な経路は14本あって、それぞれが特定の臓器と深い関係にあるとされています。そして、このルート上にある皮膚の特定のポイントが「ツボ」で、生命エネルギーの出入り口だと考えられています。ツボと臓器はつながっているので、臓器が不調になるとそれに関連するツボも「押すと痛い」「色が変わる」「硬くなる」などの異変が起こります

東洋医学では、こうしたツボと経絡、臓器の関係を利用し、外からは見えない臓器の異変を診断したり、ツボに刺激を与えて筋肉のコリや痛み、内臓の不調、疲労、ストレス症状などを改善したりします。

特にストレスと関係が深いのは「腎経絡」と「肺経絡」の2つです。腎経絡は副腎を巡るため、足の内側にあるツボを刺激すると副腎皮質ホルモンやステロイドが分泌されます。ステロイドは、最強の抗炎症・抗コルチゾールホルモンとしてよく知られています。肺経絡は呼吸を司るので、自律神経の安定や呼吸器疾患の改善に関わります。手の内側、親指側にありますので、自分で指圧したり温灸をしたりするのも良いでしょう。

また、東洋医学では不安などの精神状態を表す「心」と、実際に血液を流す身体の主要な臓器である「心臓」は同じであると考えられています。そのため、心の問題と心臓の問題では同じ流れを治療することになります。厳密には、経絡には「心包経」と「心経」の2種類があり、心の問題を解決するためには「心包経」を利用します。

ストレス対策にはどのツボを押せばいいの?

では、実際にストレス対策に刺激すると良いツボをご紹介します。まずは、ストレスによってどういう状態になっているかでツボを使い分けましょう。

ストレスでイライラするとき
百会(ひゃくえ):頭のてっぺん、左右の耳の先端を結んだ線と眉間から後ろに下がった線が交差する場所
両手の人差し指で、頭の中心に向かって押す。15回ぐらいじっくりと押して放すのを繰り返す
太衝(たいしょう):足の甲で、足の指の第一の骨と第二の骨の交わるところの前のくぼみ
爪楊枝を10〜15本ゴムバンドで束ねたものか、指で刺激する。気持ちがイライラしているときは、やや強めに刺激すると効果的
ストレスで心が疲れたとき
内関(ないかん):手のひら側の手首のシワの中央から肘に向かって指幅3本分の場所
労宮(ろうきゅう):手のひらのほぼ中央にあるくぼみ
いずれも、親指やボールペンでツボの場所を20回くらいゆっくり押し揉みする
ストレスで胃腸が痛いとき
期門(きもん):両乳首を真下へ下がっていく線と、肋骨の下(第9肋骨)が交わる場所
梁門(りょうもん):上腹部で、みぞおちと臍の中間点から外側に指3本目の場所
いずれも、両手の指の腹で円を描くように軽く揉むなどして刺激する

また、仕事中や通勤中などにも簡単に刺激できる手や腕のストレスツボには、以下の3つがあります。

合谷(ごうこく)
親指と人差し指の骨がクロスするところから、やや人差し指よりのへこみ
親指でぐっと3秒押して離して、を3回繰り返す
ぼーっとしてしまう、眠気や集中できない、風邪のひき始めの目・鼻・歯の不調などにも
神門(しんもん)
手首の曲がりジワを小指側へ辿っていき、骨にぶつかる手前、指が止まるへこみ
イライラを鎮め、気持ちの切り替えをスムーズに
不安、不眠、動悸、息切れ、便秘などお腹の症状にも
手三里(てさんり)
手首の内側をお腹に向けた状態で肘を曲げ、肘にできるシワに指を置き、手首側に指3本離れた場所
自律神経によく効くツボで、だるい、くよくよして心配といった憔悴状態にも効果的
特に胃腸の働きをサポートしてくれるので、消化不良やむかつきも改善できる

自宅でリラックスしているときには、足のツボも効果的です。ぜひ、お風呂上がりや寝る前などに刺激してみましょう。

足三里(あしさんり)
膝のすぐ下、お皿の外側のくぼみから指幅4本、ちょうど人差し指をくぼみに当てると小指が乗っているところ
血行促進・体力増強に効果を発揮するツボで、モヤモヤを取り除いてくれる
足の疲れ、むくみ、胃腸の症状、膝の痛みにも
三陰交(さんいんこう)
内くるぶしの上辺から指幅4本、手を当てると人差し指の部分にあるツボ
ホルモンの乱れなどを整え、気分のイライラを払い、気持ちを落ち着かせる
消化器・肝臓・腎臓などの働きを助けて促すとともに、冷えや血流改善に
承山(しょうざん)
足先をピンと伸ばした状態で、かかとからふくらはぎの方へ撫でていくと指が止まるへこみ
血行の改善や筋肉の緊張緩和に効くので、だるさ・疲れ・活力低下などに効果的
足のつかれ、むくみ、ぎっくり腰など足腰の症状緩和にも
湧泉(ゆうせん)
足の指を全部丸めたとき、足裏がいちばんへこんでいるところ
頭の血行を促進し、低気圧による身体のだるさや緊張感、疲労感を軽減する
足の冷えや不眠にも効果があるとされる

耳のツボ押しやマッサージもストレスに効く?

また、耳のマッサージで自律神経を整えるのもストレスに効果的です。ストレスを受けると自律神経のうち、日中の活動を司りストレスに対抗するための「交感神経」が活性化します。この交感神経が活性化しっぱなしになっていると、自律神経のバランスが崩れて身体にさまざまな不調が現れるのです。

耳をマッサージすると、耳の周りはもちろん、全身の血行を良くする効果が期待できます。血行を良くすると、自律神経のうちリラックスを司る「副交感神経」が活性化され、ストレスで交感神経ばかりが働いていた状態が改善され、自律神経のバランスが整うというわけです。

耳マッサージで自律神経を整えられるもう一つの理由として、「神門(しんもん)」というツボの存在も挙げられます。耳の上部にあるツボで、ここを刺激すると自律神経の中枢である大脳の「視床下部」に作用し、自律神経の働きを整えられます。他にも耳には100個以上のツボがあるとされ、耳を揉むだけでも良い効果が期待できます

耳を揉むときには、以下のような手順で行いましょう。

  • 両耳を指全体で軽く揉む
  • 上、下、横に5秒ほど軽く引っ張る
  • 耳を横に引っ張りながら、後ろに5回ほど回す
  • 耳を手のひらで包み、折り曲げて5秒キープする

初めは弱めに揉み、慣れてきたら力を加減して「痛気持ちいい」と感じる程度の刺激を与えながら揉んでいきましょう。また、揉んでいるときに痛みを感じるところは、よく揉みほぐしていきましょう。特に、寝る前に耳を揉むとリラックス効果を得られ、寝つきが良くなったり熟睡できるようになったりします。

毎日耳を揉んでいると、今日は耳が硬い、今日は柔らかいなどの変化に気づけるようにもなります。耳が硬いときは疲れていたり、ストレスを感じていたりすることが多いので、よく揉みほぐしましょう。

耳を揉みほぐした後、神門のツボを刺激するのもおすすめです。爪楊枝の背の部分や綿棒など、先端が尖りすぎず丸みのある細い棒で耳のツボを刺激します。これもやはり「痛気持ちいい」という程度の力加減がポイントで、1日5回くらいを目安に行います。入浴後など、全身が柔らかく血流が良いときにツボ押しをするとより効果的です。

耳は引っ張るだけでも頭蓋骨の歪みが元の位置に戻るとされています。耳を引っ張ると筋肉や関節などが緩み、歪みが改善されると言われています。冷え性や肩こり、高血圧、低血圧、めまい、耳鳴りなどの症状が緩和されるとされますので、ぜひ少しずつ耳揉みを実践していきましょう。

おわりに:ストレス解消のためには、頭や手足のツボ、耳揉みなどが効果的

ストレスの経過には3つの段階があり、疲弊期になって自分ではどうしても改善できない状態に陥ってしまう前に、警告期や抵抗期の段階でストレスを上手に解消しておくことが重要です。イライラしたり心が疲れたりしたら、ぜひツボを刺激してみましょう。

また、耳マッサージで全身の血行を良くし、副交感神経を活性化して自律神経のバランスを整えるのもストレスを軽減し、リラックスに効果的です。寝る前などにやってみましょう。

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