愚痴が溜まってきた、相談したいと思ったとき、どうすればいいかというのは悩ましいものですね。友人知人へ話す、電話サービスや掲示板、SNS、など、色々な方法があります。
今回は、どのようなときに愚痴を相談すべきか、どこに相談すべきかを、愚痴と相談との違いと相談するときの注意点をあわせて解説していきます。
愚痴と相談は違う?他人に言うべき?
どこからが「愚痴」でどこからが「相談」か、明確な定義は難しいですが、国語辞典的な意味合いとしては以下のように定義されているようです。
- ぐ‐ち【愚痴】
- ①〔仏〕理非の区別のつかないおろかさ。「―邪見」
- ②言っても仕方のないことを言って嘆くこと。また、その言葉。「―をこぼす」「―を聞いてやる」
- そう‐だん【相談】サウ‥
- 互いに意見を出して話しあうこと。談合。また、他人に意見を求めること。「対策を―する」「―を持ちかける」「人生―」「―事ごと」
(広辞苑)
- ぐ-ち [0] 【愚痴】
- (1)言ってもしかたがないことを言って嘆くこと。「―を言う」「―をこぼす」
- (2)〔仏〕 三毒の一。物事を正しく認識したり判断したりできないこと。愚かであること。痴。癡。
- そう-だん サウ― [0] 【相談】 (名)スル
- 物事を決めるために他の人の意見を聞いたり,話し合ったりすること。また,その話し合い。「旅行の日程を―する」「―に乗る」
(大辞林)
ここから考えると、愚痴は「言っても仕方ないこと、解決しないこと」を話し、「必ずしも解決を目的としない」ものであり、相談は「解決する、対策を講じる、何かを決定するために話し合いをすること」と定義できるかもしれませんね。
愚痴や相談は「アウトプット」が大切
ただ、この2つの境界はなかなかはっきりさせにくいです。仕事の愚痴などはその最たるものでしょう。後輩や部下から相談を持ちかけられたので話を聞いてみたら結局は愚痴だったとか、愚痴を聞いてやろうとお酒の席を設けたら仕事上の問題が浮き彫りになったことなどもあると思います。愚痴を言う側、相談する側本人は、冷静に判断できないことも多いでしょうから、さらに判断がつきにくいことが予想されます。
「この悩みは愚痴?相談事?」と考え込むと、ドツボにハマって心身が病んでしまう原因になります。頭のなかで整理しようとしても、同じ思考や感情がループしてしまい負のスパイラルに陥ることも少なくありません。頭のなかの情報や感情を棚卸しするためにも、まずは「アウトプット」をしましょう。
アウトプットの方法は、自身がやりやすい方法をとってもらってかまいませんが、人の口には戸が立てられません。他人に話すときは注意が必要です。友人でも上司でも、必ず「信頼できる」人を頼りましょう。秘密がもれないようにするためにも、まず「文字」として書き出す方法をとることをおすすめします。文字化することで、悩みを客観視しやすくなるメリットもあります。手書きでもデジタルデバイスを使っても構いませんが、他人に見つからないように管理しましょう。
愚痴や相談に掲示板やSNSを使っても良い?
ぐりりすでも「掲示板」を用意しているように、掲示板で愚痴ることは問題ないと考えます。ただし、個人や企業、グループを特定できる書き込みは法的なトラブルの元になりますし、本来の目的からは外れてしまうので止めましょう。個人が特定できない形で吐き出すぶんにはかまいません。
これはSNSにも言えることです。相手を特定できない形で愚痴るぶんにはかまいませんが、特定のアカウント、人、企業、グループに向けてのコメントには注意しましょう。
そもそも、愚痴と悪口は違うものです。
- わる‐くち【悪口】
- (ワルグチとも)人を悪く言うこと。また、その言葉。あっこう。「―を言う」
(広辞苑)
- わる-くち [2] 【悪口】
- 〔「わるぐち」とも〕人を悪く言うこと。また,その言葉。あっこう。「友人の―を言う」
(大辞林)
愚痴は言っても仕方ないことを言う「罪がない(益もない)」もの。人を傷つけたり貶めたりする悪口とは明確に違います。匿名性が高い掲示板やSNSは悪口になりがちです。悪口はどう調整が高いので広まりやすい特徴もあります。掲示板やSNSの愚痴は、あくまでも「愚痴」に留めるように努めましょう。
電話で愚痴、相談するサービスの注意点は?
一般的に、電話は文字を書くことに比べて感情が乗りやすいです。文字通り、書くよりも「愚痴を言う」ほうが解決しやすいかもしれません。ただ、信頼できる人や話せる人がいない、内容的に友人や知人、家族には話しづらいこともあると思います。そのような場合は、電話サービスを使うこともひとつの手段です。
電話での愚痴聞きサービスはさまざまな会社が運営していますし、ココナラのように個人で対応しているサービスもあります。有料無料、高額、安価とありますので、自身と相性の良いサービスを選んでください。ただし、有料サービスのなかには悪徳業者が運営しているものも紛れ込んでいます。何度も課金を求める、延長を強要する場合には注意してください。
悩みや愚痴が溜まりすぎて日常生活にも支障が出そう、すでに支障が出ている場合は、厚生労働省が管理する電話相談サービスに電話することをおすすめします(無料)。もちろんいたずらや冷やかしは厳禁ですが、深刻な悩みかどうかは自分では判断が難しいこともありますので、相談してもいいかどうか悩まず、まずは相談することが大切です。
不調があるならすぐに心療内科へ
愚痴や相談をすることは大切ですが、すでに心身に不調が出ている場合は、専門的な治療が必要な場合があります。心身の不調ははっきりと出る場合もあれば、なんとなく調子が悪いといったはっきりしない変化もあるので注意が必要です。
ストレスが溜まっている、心身に不調が起こりかけているかを早期に発見するには、セルフチェックが有効です。「副交感神経とストレスの関係性 ― 自分の状態をチェックしてみよう!!」の記事でも紹介していますので、定期的にチェックする習慣をつけましょう。厚生労働省運営の「こころの耳」でもセルフチェックツールを紹介しているので、こちらもうまく利用するようにしてください。
こころの耳では、精神科・心療内科などの医療機関をまとめていますので、受診しやすい医療機関を探す参考にしてください。
おわりに:愚痴も相談も「アウトプット」が大切。ただし悪口にならないように
愚痴と相談は違う意味をもっていますが、言う本人も周囲の人も明確な判断がしにくいものです。まずは話す、書き出すなどで「アウトプット」することで対処法なども見つかってくるので、早めにアウトプットしましょう。ただし、悪口は感情・思考がループしやすく、二次的なトラブルの原因にもなります。とくに掲示板やSNSは悪口に傾きやすいので、十分に注意してください。電話サービスの使用も有効ですが、心身の不調が出ている場合は治療が必要な場合もあります。
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