副交感神経とストレスの関係性 ― 自分の状態をチェックしてみよう!!

ストレス

ストレスを解消してリラックスするためには、自律神経のうち「副交感神経」の働きが大切だとされています。では、副交感神経がどのようにストレスに作用し、ストレス(ストレス反応)を解消するのでしょうか。

今回は、副交感神経を含む自律神経とストレスの関係性についてご紹介します。ストレスが生じたときの症状についても確認していきますので、ぜひチェックしてください。

この記事を読んでわかること
  • 副交感神経と交感神経の働き
  • 副交感神経と交感神経のバランスが崩れる原因
  • 自律神経失調症の原因
  • ストレスが溜まっているかどうかのセルフチェック
  • 自律神経を整えるためのストレス対策

副交感神経って?

副交感神経とは、自律神経の一種です。自律神経には、日中の活動モードを司る「交感神経」と、休息やリラックスを司る「副交感神経」の2種類があり、全身の臓器や組織の働きを調整しています。例えば、心臓の拍動を自分の意思でコントロールすることはできませんが、自律神経の働きで調整されているため、拍動が変化することがあるのです。

交感神経と副交感神経は、活動と休息というように真逆の状態で働きますので、各器官にもやはり正反対の作用を及ぼします。例えば、活動モードのときは各器官に酸素や栄養分をどんどん供給するため、心拍数を増やして血圧を上げますが、休息モードのときは心拍数を減らし、血圧を下げて心臓や血管への負担を減らします。

一方、活動モードのときに食物を消化していると効率が悪いので、消化管が活発に働くのは休息モードのときです。つまり、消化管は副交感神経によって活性化され、交感神経によって抑制されます。このように、状況に応じて交感神経と副交感神経のどちらがメインで働くか(優位になるか)が決まり、スイッチを切り替えるようにして生命活動を維持しているのが自律神経です。

交感神経と副交感神経はどちらかが完全に休んでしまうわけではなく、メインで活動する神経がどちらかである、というようにバランスをとって活動しています。互いに協調しながらも拮抗的に働いていて、何らかの原因によってどちらかが異常に働き続ける状態になってしまうと、バランスが崩れて「自律神経失調症」となってしまうのです。

具体的には、以下のような状態に陥ります。

諸器官交感神経の異常副交感神経の異常
神経系落ち込み、寝起きが悪い、眼精疲労、うつ、食欲不振興奮、寝つきが悪い、眼球疲労、イライラ、体重減少
筋骨格系筋疲労、背中のにきび、倦怠感肩こり、頭痛、筋緊張、腱鞘炎
循環器系低血圧、アレルギー、冷え、風邪高血圧、動悸、冷え、息切れ
消化器系下痢、疲れやすい、腹痛便秘、胃痛、胸焼け

このような現象が起こるのは、交感神経と副交感神経がそれぞれ臓器に対して異なった働きをするためです。以下で詳しく見ていきましょう。

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交感神経ってどんな働きをするの?

交感神経は、心身が活動しているときの神経です。闘争や逃走の神経とも言われ、身体を緊張状態にして戦いや逃亡に備えます。興奮・怒り・不安などの情動によって活性化されます。このため、一般的に会社や学校に行ったり、家事などを行ったりする昼間に活動が亢進し、休息している夜間には活動が低下する神経系です。

緊急状態では、身体の活動を最大限に向上させる必要があります。そのため、「心臓の収縮力や拍動数を増して全身に血液が行き渡るように」し、「肺は気管支を拡張させて酸素をたくさん取り込めるように」し、「血糖値を上げてエネルギーを全身に供給できるように」しなくてはなりません。

交感神経には、精神活動を活発にしたり免疫機能を高めたりする作用もあります。また、交感神経が働くと副腎皮質からアドレナリンなどの「カテコールアミン」が分泌されます。この「カテコールアミン」もホルモンの一種として全身の書記官に作用し、心臓の収縮力を上げたり血糖値を上げたりして、交感神経の働きとの相乗効果で全身を戦闘モードに導きます。

カテコールアミンはストレスホルモンとも呼ばれ、ストレスを感じると分泌されて全身の器官に影響を及ぼします。ストレスホルモンと呼ばれるものには他にも副腎皮質から分泌される「コルチゾール」がありますが、いずれも身体を緊張状態にし、ストレスに対抗しようとします。このことから、コルチゾールやカテコールアミンによって起こる身体のさまざまな反応を「ストレス反応(急性ストレス反応)」と呼ぶこともあります。

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副交感神経ってどんな働きをするの?

副交感神経は、身体がリラックスして休息しているときの神経です。交感神経が「闘争と逃走」の神経と呼ばれているのに対し、副交感神経は「休息の神経」と呼ばれています。交感神経の働きが弱まり、副交感神経の働きが活発になっている休息時にしっかりリラックスしておくことで、来たるべき心身の戦闘時、あるいは逃走時に備えることができるのです。

一般的には夜間に活動が盛んになり、「心臓の拍動数や収縮が下がり」「消化管の運動や栄養素の吸収、消化酵素の分泌や肝臓での栄養素の代謝活動が高まり」「涙や唾液など、全身の分泌器官からの分泌も高まり」「消化器系や肝臓の活動亢進により、充分に栄養を吸収・代謝・備蓄して体内にエネルギーを蓄え」る、といった活動を促進します。

つまり、寝る前に食べると太るのは、睡眠中に副交感神経が活動して栄養素の吸収・代謝が高まっているからです。身体が活動している昼間には、消化管の活動にエネルギーを割くのは非効率的なので、交感神経は消化管の働きを抑えてしまいます。排尿や排便も同じように、リラックスして副交感神経の働きが活性化されたときに起こるようになっていて、緊張が強く交感神経が優位な状態では、排尿や排便が起こりにくくなっています。

普段は便秘気味なのに休日になるとトイレが近い、という場合、平日はストレスによる交感神経の働きで排便や排尿が抑えられているのかもしれません。休日になると、副交感神経が優位になるので自然に排便や排尿が起こるというわけです。

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自律神経のバランスが崩れてしまう原因は?

上記のように、自律神経は交感神経と副交感神経のバランスによって身体活動をコントロールしています。しかし、これら自律神経のバランスが崩れてしまうと、身体にさまざまな不調が起こる「自律神経失調症」に陥ってしまいます。自律神経のバランスが崩れてしまう原因を、交感神経が活発になる場合と副交感神経が活発になる場合に分けて見ていきましょう。

交感神経が活発になりすぎて自律神経失調症になるのはどんなとき?

最初にご紹介したように、交感神経は闘争と逃走の神経であり、身体を緊張状態にしてストレスに対処しようとする神経でもあります。つまり、交感神経はストレスがかかるとよく働くようになるのです。ストレス社会とも呼ばれる現代では、さまざまな要因による過剰なストレスが交感神経を過剰に働かせ続けてしまうため、交感神経の働かせすぎで自律神経失調症になる人が圧倒的に多いとされています。

人がストレスを感じる状況には個人差が大きく、人間関係や仕事のプレッシャー、緊張など多くの人がストレスを感じやすい状況以外にも、過労やケガ、温度、音、光などがストレスの原因となることがあります。例えば、発達障がいを持って生まれた方や、幼少期の養育環境などが原因でストレスを感じやすい体質が現れることも多いです。

発達障がいを持つ人は、感覚が通常の人よりも過敏であるという特性を持っていることが多く、音や光だけでなく視覚的に刺激の多い現代社会は、外を歩いたり人と話したり、電車に乗ったりするだけで大きなストレスになりやすいとされています。定型発達の人が刺激とすら意識していないことが、発達障がいを持つ人にとっては辛いこともあるのです。

また、幼少期にしっかりと安心感を持って暮らせないと、基本的な感覚として「この世界は怖く、信用できない場所である。自分を助けてくれる人間は誰もいない」と、自分に否定的な感覚を持ちやすくなってしまいます。つまり、常に誰かから攻撃されるのではないか、誰かに頼っても助けてもらえないのではないかと、常に緊張からストレスを抱えながら生きていかなくてはなりません

一見、周囲の人と同じようなことをしていても、本人の中では周囲に合わせるだけでストレスの連続です。一人では処理しきれないほどの仕事であっても、「ちょっと助けて」「一人じゃ無理だよ」と言うことができずに一人で抱え込んでしまったり、人と話した後で「あのときあんなことを言って変に思われなかっただろうか」と悩みすぎたりしてしまいます。

他にも、残業や家族の介護、子どもやご近所のトラブルなどで睡眠時間が3〜4時間、というように無茶な生活を送っている人も心身に大きなストレス負荷がかかってしまいます。短期間ならともかく、数ヶ月もそんな生活を送っていると、適応障害やうつ病、パニック障害などの精神疾患を引き起こしてしまうかもしれません。

さらには、精神疾患を含む心身の疾患が原因となって、自律神経のバランスを崩してしまう悪循環に陥ることもあります。睡眠時間が極端に減少するような過剰な仕事やトラブルが起これば本人もストレスと自覚しやすいのですが、考え事が尽きずいつも頭を悩ませているような状態でも交感神経が働き通しになり、日々のストレスが自覚のないまま溜まっていってしまいます。

身体表現性障害、不安障害、うつ病、不眠症などから自律神経失調症になってしまうことはよくあります。また、女性の場合は年齢を重ねていくうちにやがて女性ホルモンの分泌が急激に減少し、更年期障害と呼ばれる時期を迎えます。すると、自律神経の乱れから突然のほてり、のぼせ、めまい、頭痛などの不調が生じることもあります。

もちろん、これらの原因はどれか一つだけとは限らず、いくつかの要因が重なって自律神経失調症を引き起こすこともあります。思い当たる節があれば、医師と相談しながら徐々に改善していきましょう。

副交感神経が活発になりすぎて自律神経失調症になるのはどんなとき?

一般的にはあまり見られにくいですが、副交感神経が活発になりすぎて自律神経失調症に陥ることもあります。主に不規則な生活習慣がその原因になりやすく、昼夜逆転の生活や緊張感のない暮らし、変化や刺激のなさすぎる生活で交感神経を働かせる機会がほとんどない状態だと、副交感神経の働きすぎから自律神経失調症になってしまうことがあります。

その極端な例は、引きこもりです。緊張感がなく、朝からだらだらと昼夜の区別もない単調な生活を送っていたり、夕方になってから起きて夜通し朝まで起き続け、朝になったら寝るというような生活を送っていたりすると、身体も頭もすっきりせず、すぐに疲れて身体がだるくなるのでまた横になって、さらに動かなくなってしまうという悪循環の繰り返しになってしまいます。

働いている人や学校に行っている人は、朝にちょっとスッキリしなくても、支度をして朝ご飯を食べ、歩いたり電車に乗ったりして動いているうちに元気が出てきたという経験がある人も多いのではないでしょうか。このように、適度な緊張は交感神経の活性化を促し、身体を活動モードに切り替えてくれるのです。

何も刺激のない、平坦な地面をただ歩いているだけのような生活が必ずしもストレスにならないわけではありません。刺激がほとんどない、あるいは全く無いことも人間にとっては大きなストレスになってしまうのです。ストレスを軽減させるためにも、最初は少し大変かもしれませんが、規則的な生活習慣を作ることが重要なのです。

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どんな症状のときにストレスに注意すればいい?

ストレスの初期症状としては、以下のようなものがあります。

  • 目が疲れやすい、肩がこりやすい
  • 背中や腰が痛くなる
  • 朝、気持ちよく起きられない
  • 頭がスッキリしない、重い
  • 立ちくらみしそうになる
  • 夢をよく見る
  • 手足が冷たくなることが多い
  • 食べ物が胃もたれすることが多い

ストレスは心身の働きの中でも特にストレッサー(ストレスの原因)の攻撃に弱い部分に現れ、さまざまな機能障害を引き起こします。その部分は人によって異なり、循環器に問題を起こす人、頭痛に悩まされる人胃腸の働きが弱まってしまう人などさまざまです。そして、ストレス状態が慢性化してしまうと、以下のように症状が進行してしまうことがあります。

  • 何かするとすぐ疲れてしまい、その疲れがなかなかとれない
  • お腹が張る、痛む、下痢や便秘がよくある
  • 少しのことで腹が立ったり、イライラしてしまったりしそうになる
  • 他人と会うのが億劫になった
  • 仕事や勉強をする気が起こらない
  • 口の中が荒れたり、ただれたりすることが良くある
  • よく風邪を引き、なかなか治らない
  • 舌が白くなることがある
  • 最近、体重が減った
  • 深夜に目が覚めた後、なかなか寝つけない
  • 好きなものでもあまり食べる気がしない

このような症状が出てくると、心身の症状は少しの休息ではなかなか回復できなくなり、生活にも重大な支障をきたすようになってきてしまいます。また、ストレスによって他にも以下のような症状が現れることがあります。上記の症状と合わせて、当てはまるものが多ければ早めに病院で医師の診察を受けましょう

  • 手のひらや、脇の下に汗をかくことが多い
  • 急に息苦しくなることがある
  • 動悸を打つことがある
  • 原因がわからないのに、胸が痛くなることがある
  • 花粉や風邪などの原因に心当たりがないのに、鼻詰まりするようになった
  • 耳鳴りがする
  • 寝つきが悪くなった

おわりに:副交感神経はと交感神経のほどよいバランスが、ストレス解消に役立つ

副交感神経とは自律神経の片方の神経系のことで、もう片方の交感神経とともに、状況に応じて体内の各種臓器や器官の働きを調節しています。一般的に交感神経は活動の神経、副交感神経は休息の神経と呼ばれています。

ストレスの多い現代社会では、交感神経の働かせすぎで自律神経のバランスを崩すことが多いのですが、副交感神経が働きすぎるのも良くありません。2つの神経がバランス良く働くことが、ストレス解消の近道なのです。

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