製造業のストレスはトップクラス!どうやって対策すればいいの?

ストレス

ストレス社会と呼ばれる現代社会に生きる我々は、日々さまざまなストレスを感じながら生活しています。特に毎日多くの時間を費やす仕事ではなにかとストレスを感じやすいものですが、中でも製造業のストレスはトップクラスだと言われています。

今回は、そんな製造業の抱えるストレスに焦点を当て、製造業にストレスが多いとされる理由やセルフケア、企業側ができる対策についてまとめました。

製造業はストレスが多い業種!?

情報基盤開発が発表した「ストレスチェック業界別レポート」によれば、製造業200社の男性19,427名、女性10,044名から提出されたデータを分析したところ、男女ともに他業種と比べて高ストレス者の割合が高いことがわかりました。しかも、調査対象となった業種の中で高ストレス者の割合が男性は1位、女性は2位という結果です。

総合健康リスクについても男女ともに全国平均を大きく上回り、特に男性において全業種の中でも抜きん出て高ストレス・高リスク群なのが製造業という結果になりました。総合健康リスクの判定に使われる尺度は「心理的な仕事の負担(量)」「仕事の裁量度」「上司からの支援度」「同僚からの支援度」の4つがあります。

このうち、「心理的な仕事の負担(量)」は男女ともに全国平均並みでしたが、「同僚からの支援度」は男女どもに全国平均を大きく下回りました。さらに、男性では「仕事の裁量度」「上司からの支援度」も全国平均を大きく下回る結果となりました。他にも、「自覚的な身体的負担度」「家族や友人からの支援度」の数値も男女ともに全国平均を大きく下回り、男性では「職場の対人関係」「職場環境によるストレス」「働きがい」なども他業種のデータを大きく下回りました。

こうしたデータから、高ストレス者の割合・総合健康リスクが高い業種として、男女ともに製造業が1位となっています。男性では次いで「衛生・福祉介護事業」「卸売・小売業」「運輸・郵便業」が挙げられるのに対し、女性では次いで「運輸・郵便業」「医療業」となっています。性別に関わらず、製造業が最もストレスフルかつ健康リスクが高いことは間違いなさそうです。

特に、製造業の男性では高ストレス者の割合が19.5%と、ほぼ5人に1人という高い割合であることもわかっています。このように男性の高ストレス者が多い要因として「職種・担当・携わる作業や工程の内容によって身体的負担が異なる」こと、「男性が身体的負担の高い作業に従事する傾向がある」ことが考えられます。

製造業のストレス対策はどうやってすればいい?

前述のように、製造業に従事する人はストレスが高い傾向にあることがわかりました。ぜひ、意識的に心身のメンテナンスを習慣づけ、セルフケアでストレス対策を行いましょう。身体のメンテナンスは怪我予防や疲労軽減になることはもちろん、精神的疲労も軽減しポジティブ思考へと導いてくれます。映画・美術・小説などに触れて感情を開放する心のメンテナンスも重要です。

具体的なセルフケアの方法を、心身両面から見ていきましょう。

身体的セルフケア
ストレッチやウォーキングなどの軽い有酸素運動、ヨガなどのリラクゼーションを習慣に
生産行程従事者や運搬・清掃・包装等従事者は身体的負荷がかかりやすい作業に取り組むことが多いので、特に休憩時のストレッチなどを習慣に
使わない筋肉を意識して動かすリフレッシュ、休日に軽い運動をして体力をつけるなどもおすすめ
精神的セルフケア
ネガティブな気持ちは、家族や友人など信頼できる人に相談すると解消しやすい
特に、職場の悩みを職場の人に話すわけにいかないので、全く関係ない家族や友人、医師やカウンセラーなどの専門家などに話すのがおすすめ
仕事の内容にストレスを感じるときは、信頼できる上司・同僚、総務や人事担当者などに相談し、具体的に問題を解決する
周囲の人は個人の問題や心理的負担に気づいていないことも多いので、日頃からコミュニケーションを密に

身体的セルフケアでは、軽い運動やストレッチなどで普段使わない筋肉を刺激したり、ほぐしたりするのが良いでしょう。精神的セルフケアでは、家族や友人など信頼できる人に話したり、医師やカウンセラーなど専門家に相談したりするとネガティブな感情を解き放ちやすいです。また、特に製造業が抱えやすいストレスについては、より具体的な以下の3つの対策をとりましょう。

人間関係の悩みは、溜め込まない
理不尽な依頼やプレッシャーをかけてくる上司、嫌味な先輩など人間関係のストレスは工場勤務でなくても多い
仲の良い同期など親身になってくれる人と飲み会をしたりご飯を食べたりしながらさまざまな話をして負担を溜め込まないように
気持ちを和らげ、悪い方向に考えすぎないよう気をつける
無理難題の仕事を振られたら、しっかり状況を伝えて納期的に厳しいと言う
頼りになる先輩に代わりに相談してもらうなど、自分の負担を極力減らすのも有効
騒音で悩まされる場合は、耳栓をする
工場勤務では、切削の音や金属プレスの音などが一般的な生活音よりも大きい
長時間騒音を聴いているとイライラがつのったり、場合によっては集中できない状況に陥ったりすることも
心理的ストレスだけでなく、血圧が上がったり食欲不振の症状が出たりと身体に悪影響が及ぶことも
耳栓で騒音を極力遮断すれば、イライラや集中できない問題を和らげられる
ただし、必要なコミュニケーションはとれる程度の範囲でつけることに注意
単純作業では、こまめなリフレッシュを
部品の組み立て、食品のライン作業、ピッキング作業などを続けていると、慣れてしまって楽しくない、集中できないなど特有のストレスが発生することも
同じような業務なので、仕事自体に変化をつけるのは難しい
小さな目標を立て、それを達成するために努力するなど、毎日の作業に変化を加えるようにする
やりがいが生まれるので、仕事自体へのモチベーションも上がる
休み時間には心身をしっかり休め、リフレッシュすることも重要

一口に製造業といっても、何をストレスに感じるかは人それぞれです。ここでご紹介したものは主に製造業で発生しやすいストレスへの対処法ですが、自分に当てはまるものを上手く活用し、ストレスを軽減しましょう

企業側ができるメンタルヘルスケアは?

従業員のメンタルに問題が起こることは、企業にとっても重要な問題です。ストレスを原因として発症するうつ病などの精神疾患は、「外部からのストレスの強さ」と「個人の対応力の強さ」との関係で発病に至ると考えられています。「外部からのストレスの強さ」としては、長時間労働やハラスメント、職場でのいじめなどが挙げられ、業務に関連することであれば企業側の責任が問われます

職場でのメンタル不全者についての相談は年々増えていて、労災として認定される件数も増えています。職場でメンタル不全者が出ると休職者が増えて他の労働者への負担が増え、長時間労働につながり、さらなるメンタル不全者が出るという悪循環に陥りやすくなります。負担や長時間労働が増えれば職場全体の雰囲気が悪くなり、従業員のモラル低下にもつながるでしょう。

こうした悪循環を防ぐため、厚生労働省はメンタルヘルスケアに関する取り組みの一環として「労働者の心の健康の保持増進のための指針」を作成・推進しています。この指針の中で、事業者側の望ましい取り組みとして「メンタルヘルスケアに関する事業場の現状と、その問題点を明確にする」とともに、「その問題点を解決する具体的な実施事項等についての基本的な計画」を策定し、実施することが挙げられています。

そして、心の健康づくりのためのケアとして以下の4つが継続的・計画的に行われるよう教育研修・情報提供を行うことが必要とされています。

  • 従業員一人ひとりによる「セルフケア」
  • 会社の管理職による「ラインケア」
  • 事業所内の「産業保健スタッフによるケア」
  • 社外の「専門機関によるケア」

ここで言う「セルフケア」とは、メンタル不全に陥る前に、従業員が自身の心の状態を把握するために行われる「ストレスチェック」のことを指します。ストレスチェックは、2015年12月から労働安全衛生法において従業員50人以上の事業場に対して義務化され、従業員自身が自分のストレスに対する反応の現れ方や、心の状態を正しく把握することができます。

次に「ラインケア」とは、管理監督者が従業員へ個別の指導・相談を行ったり、職場環境の改善を行ったりする取り組みのことを指します。管理監督者は部下に当たる従業員の状況を日常的に把握でき、具体的なストレス要因を把握しうる立場にありますので、職場環境の改善や従業員からの相談に対応することなどが必要とされています。事業者側としては、管理監督者がこうした対応を実践できるよう、ラインケアに関する教育や研修、情報提供を行わなくてはなりません。

「産業保健スタッフによるケア」とは、産業医や衛生管理者、衛生推進者や事業場内の保健師・看護師・カウンセラーなどによって行われる取り組みのことで、「職場環境などの改善」「労働者に対する相談対応」「職場適応・治療及び職場復帰の指導」「労働者に対する教育研修」などを指します。

最後に、「専門機関によるケア」とは、外部のEAP(従業員援助プログラム)機関などによる支援を指します。メンタルヘルスについて社内に専門家がいない事業場も多いため、事業場によっては外部の専門機関の力を借りながら対策を行っていくことも必要です。

おわりに:製造業のストレスは男女ともトップ!セルフケアなどの対策を

製造業に従事する人は、男女ともに高ストレス者の割合が多く、総合健康リスクも高いことがわかっています。まずは自分で行えるストレスケアとして、軽い有酸素運動やストレッチの習慣をつけたり、信頼できる家族や友人、専門家などにネガティブな思いを相談したりすることが重要です。

また、厚生労働省からメンタルヘルスケアの取り組みが推奨されています。企業側はこうしたケアを積極的に策定・実施していく必要があるでしょう。

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