リモートワークのストレス|原因と解消法、自宅以外の選択肢とは

リモートワークのストレス対策で同僚と話してリラックスしている女性ストレス

オフィスに出勤せず、自宅などの場所で仕事を行うリモートワーク。働き方改革による多様な働き方の一環としても、新型コロナウイルス感染症の予防対策としても大きく広まりました。
しかし一方で、リモートワークの導入によってストレスを感じる人も増えています。そこで、この記事では、リモートワークでストレスが溜まりやすい人や、リモートワークのストレス対策についてご紹介します。

リモートワークの実態|導入でストレスは増えた?減った?

リモートワークの導入によって、ストレスは増えたのでしょうか、それとも減ったのでしょうか。株式会社月刊総務が全国の総務担当者255名を対象として行った調査によると、リモートワークの推進によってストレスが「とても増えた」「やや増えた」と感じている人は合わせて54.6%と、約半数の総務担当者がストレス増加を感じていることがわかりました。

同調査からは、ストレスが増えた理由として以下のような回答も得られています。

  • 雑事がすべて総務に振られている
  • 同僚とのコミュニケーションが減った
  • 家族の理解が得られにくく、家庭での勤務は居心地が悪い
  • 出社した際に、他担当者の業務がすべて回ってきてしまう
  • オフィスとリモートをつなぐ、目に見えない業務をしなくてはならない
  • リモートワークの規定がなく、上からの指示も曖昧で業務がやりにくい
  • 話せば数分で終わることをテキストのやりとりにすると、余計に時間がかかってしまう
  • 仕事とプライベートの区切りをつけにくくなった

また、総務部が従業員から受けたメンタル不調の相談内容としては、「コミュニケーション不足による孤独感」「外出しないことによる閉塞感」「新型コロナウイルスへの感染不安」「業績不安」などが挙げられました。しかし、こうしたメンタル不調に対するケアも、リモートワークでは難しいと感じる総務担当者が約4分の3(73.3%)にのぼりました。

職場がメンタルケアとして行っている施策は「相談窓口の設置(1位:34.1%)」「朝礼・夕礼などの実施(2位:26.7%)」「アンケートや聞き取りの実施(3位:22.0%)」などが多く、一方で「実施していない」という回答も28.2%でした。従業員のメンタル不調のケアが不十分であると感じる総務担当者が多い一方で、会社として行うメンタルケア施策も充実していないと言えそうです。

新型コロナウイルス感染症の拡大以降にリモートワークを行うようになった従業員のストレス状態に関する調査として、リクルートキャリアの調査結果を見てみましょう。「リモートワーク以前にはなかった仕事上のストレス」について「強く感じた」と答えた人は13.4%、「やや感じた」と答えた人は46.2%となり、全体で約6割の従業員がリモートワーク導入によるストレスを感じていることがわかりました。

ストレスを感じた人に対し、調査時点までにストレスを解消できたか尋ねた質問では「解消できていない」が21.9%、「どちらかといえば解消できていない」が45.8%と、約7割の人がストレスを解消できていないことがわかります。

年代別に見ると年代が上がるごとにストレスを解消できていない人は増えており、20代でストレスを解消できていない人は58.9%ですが、30代で64.6%、40代で67.8%と徐々に増え、50〜60代では83.6%にのぼりました。やはり、これまで長く続けてきた対面での業務やストレス発散に慣れた年代ほど、リモートワークでのストレスを解消しにくい傾向にあります。

これに加えて、リモートワーク中に雑談がある人の方がストレスを解消しやすいことも同調査からわかっています。リモートワーク中に雑談があった人のうち、ストレスを解消できていないと回答した人は63.2%でしたが、リモートワーク中に雑談がなかった人では、ストレスを解消できていないと回答した人は77.3%にのぼりました。

このことから、リモートワーク中に感じるストレスの解消方法の一つとして、雑談を取り入れることが有効だと考えられます。オフィスでは何気なく交わしていた雑談というコミュニケーションの機会がリモートワークで減少し、ストレスを感じる人も多いのではないでしょうか。後述しますが、オンラインツールなどを活用してコミュニケーションの機会を増やしましょう。

リモートワークがストレスになりやすい人|性格、環境、生活習慣などの特徴

リモートワークでストレスを感じる人が多いことはわかりましたが、一方でストレスをあまり感じない人もいます。リモートワークがストレスになりやすい人の特徴として、そもそもリモートワーク用の環境や生活習慣が整っていないということが挙げられます。

業務自体に慣れていない
業務・作業そのものに慣れていないため、うまくいかずストレスに
経験が浅くてわからないことや不安を感じることがあっても、リモートワークではなかなか聞きにくい
十分に経験を積まないうちから、1人で作業するリモートワークに移行するとストレスになることも多い
リモートワークの環境が整っていない
インターネット環境や作業用の机・椅子などが整備できておらず、スムーズに作業できない
作業中に接続が切れてしまったり、部屋が散らかっていたりすると集中が途切れてしまうかも
自分に合っていない椅子や机を使っていると、無理な姿勢を続けてしまい身体に負担がかかる
不規則な生活を送っている
作業する日とそうでない日で起床・就寝時間、食事のタイミングを変えてしまうと、生活リズムが乱れる
不規則な生活習慣は、心身に大きなストレスとなる

このように、リモートワークでストレスを感じやすい人は、そもそも1人でリモートワークを行うための環境や経験が整っていない場合が多いです。リモートワークでは生活習慣も何かと乱れやすいので、それが心身のストレスにつながることも考えられます。

また、仕事において直接的なコミュニケーションを重視している人は、リモートワークという環境そのものにストレスを感じてしまうかもしれません。チームでプロジェクトを進行しようとしているのに、リモートワークに変わったことでコミュニケーションが密にとれず、作業がスムーズに進まないということも考えられます。

リモートワークでも、チャットツールやオンライン会議などのコミュニケーションツールを使えば、コミュニケーションは取れるでしょう。しかし、対面でのコミュニケーションに慣れた人にとって、直接声をかけるよりもオンライン上で声をかける方が心理的なハードルが高いということもあるようです。

リモートワークのストレス対策|どうすれば解消できる?

リモートワークへの変化はストレスを感じる人も多い一方で、従業員にとってのメリットもあります。例えば、以下の3つはリモートワークへの変化でよく聞かれるメリットです。

通勤時間をカットできる
毎日の通勤時間をカットでき、浮いた時間を有効に使える
都心部では片道1時間以上かけて通勤する人も多く、往復2時間以上も浮く
浮いた時間で家事をしたり、自分の時間を楽しんだりできる
生産性アップにつながる
通勤時間カットにより、趣味でストレス発散したり、スキルアップの時間を持てたりする
満員電車で通勤し、出社直後にもう疲れている、という状態がない
インフルエンザなどの感染症リスクも抑えられ、欠勤の減少につながる
育児や介護との両立ができる
個人のライフスタイルに合わせた働き方により、育児や介護で急を要する対応もできる
オフィスワークと比べて仕事と生活の時間を比較的自由にマネジメントできれば、さらに働きやすくなる

このように、リモートワーク自体にはさまざまなメリットがあります。リモートワークのメリットを活かし、ストレスを軽減するためには、「作業環境や生活リズム」「メンタル面」の2つを整える必要があります。詳しく見ていきましょう。

リモートワークのストレス対策①:作業環境や生活リズムを整える

リモートワークを始めるとき、自宅の環境がそのまま作業しやすい環境になっているとは限りません。そこで、厚生労働省が推奨する「自宅等でテレワークを行う際の作業環境整備」を参考に、以下のように仕事を行う環境を整えましょう。

  • 部屋は設備を除き、10立方メートル以上の空間
  • 机の照明は、照度300ルクス以上
  • 窓など、換気設備を設置
  • 椅子は、安定していて簡単に移動できるもの
  • 机は、必要なものが配置できる広さのもの
  • 室温は17〜28℃、湿度は40〜70%

他にも、作業中の姿勢や作業時間に注意することも重要です。特に、自分でタスクや時間の管理を行うリモートワークでは、ついつい作業時間が長くなってしまいがち。「午後20時以降は作業しない」「○時間作業を続けたら、必ず休憩を挟む」など、作業が長くなりすぎないようなルールをあらかじめ決めておきましょう。

加えて、生活リズムを整えることを心がけましょう。出勤・退勤という時間の決まりがないと、だらだらと働き続けて起床・就寝の時刻がずれてしまいがちです。まずは、起床時間と就寝時間を一定の時間に合わせることから始め、徐々にバランスの良い食事や運動習慣も行うようにしましょう。

リモートワークのストレス対策②:メンタル面を整える

メンタル面を整えるためには、適度な気分転換が欠かせません。特に、リモートワークでは1日中パソコン作業ばかりで椅子に座りっぱなしになってしまう、ということも多いです。心身をリフレッシュし、集中力を回復したり、生産性を高めたりするためにも、気分転換は不可欠。軽いストレッチをしたり、外の空気を吸ったりするのも良いでしょう。

また、リモートワークで抱え込みがちなストレスや悩み事を、気軽に相談できる相手を作ることも大切です。基本的に1人での作業が多いリモートワークでは、オフィス勤務と比べて相談の心理的なハードルも高くなりやすいため、同僚や上司と積極的にコミュニケーションをとることを心がけましょう

自宅で家族がいる場合、「作業中はこの部屋に入らないで、集中させてほしい」「楽器やゲームで大きな音を立てるときは、この時間帯にしてほしい」など、事前に協力を求めましょう。特に、小さな子どもやペットがいる場合、リモートワークをしている人の都合に合わせられるとは限りません。ぜひ、あらかじめよく話し合って理解してもらいましょう。

自宅以外でのリモートワークという選択もあり

自宅ではリモートワークがうまくいかないという人には、別の場所で行うという方法もあります。今回はカフェ、コワーキングスペース、シェアオフィス、ホテルの4つの場所について見ていきましょう。

リモートワークにおすすめの場所①:カフェ

リモートワークを行う場所としてよく利用されるのが、カフェです。お気に入りのカフェで仕事をするノマドワーカーも多く、リモートワーカーも利用しやすいでしょう。いつでも好きなドリンクや軽食を注文できるので、喉が渇いたり小腹が空いたりしたときにも便利です。一方で、以下のようなデメリットもありますので、利用するときには注意しましょう。

  • 必ずしも、電源を確保できるとは限らない
  • 利用時間に制限があるカフェも
  • フリーWi-Fiなどの場合、ネット環境が不安定になることも
  • BGMが大きすぎるカフェの場合、オンライン会議などには向かない
  • 情報漏洩など、セキュリティ面でのリスクがある

リモートワークにおすすめの場所②:コワーキングスペース

フリーランスやノマドワーカーが仕事をするためのスペースとして、さまざまな企業が提供している場所です。リモートワークでは人と接する機会が減り、刺激が少なくなりがちですが、コワーキングスペースなら仕事をする人が集まるので、良い刺激を受けてモチベーション維持に役立てられます。

比較的リーズナブルに長時間利用でき、新たな出会いのきっかけになることもある一方で、以下のようなデメリットには注意しましょう。

  • 他の人の声や騒音が気になってしまうことも
  • どこにでもあるわけではなく、住んでいる場所から遠いことも

リモートワークにおすすめの場所③:シェアオフィス

シェアオフィスとは、一つのオフィス空間を個人や企業が共有で利用できる場所のことで、都内を中心に拡大しています。会議室や電話ブースなど、仕事に必要な環境が整っており、コワーキングスペース同様さまざまな人が仕事をしていることから、良い刺激を受けられて新たなアイディアや出会いにつながる可能性もあります。

リモートワークを行う上で、シェアオフィスにデメリットはほとんどありませんが、これもどこにでもあるわけではなく、住んでいる場所から遠いこともあります。遠い場所に通うことになると、オフィス出勤と同様、通勤時間が生じてしまうため注意が必要です。

リモートワークにおすすめの場所④:ホテル

宿泊施設であるホテルは、プライベート空間を確保するためにぴったりの場所です。電話やインターネット環境も整っているため、円滑にリモートワークを行えるでしょう。特に、リモートワーク応援プランなどを実施しているホテルの場合、長時間滞在が可能。仕事内容や情報を他の人に見られる心配もなく、落ち着いた静かな環境で作業に集中できます。

一方で、費用が高くなってしまうこと、予約をしなくてはならないことがデメリットです。ホテルをリモートワークに利用する場合は、ホテルが実施する応援プランや割引プランなどを上手に利用しましょう。

おわりに:リモートワークのストレスは早めに対策を。自宅以外もおすすめ

リモートワークでストレスを感じやすいのは、作業環境や生活習慣が整っていない人が多いです。また、直接的なコミュニケーションを重視する人は、コミュニケーションへの心理的なハードルが高くなりやすいオンラインでストレスを感じやすい傾向にあります。

リモートワークにはメリットもありますので、ストレスを感じたら早めに対策を行いましょう。自宅ではリモートワークがうまくいかない場合、他の場所で行うのもおすすめです。

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