コーヒーでリラックスやストレス解消!どうやって飲むのがおすすめ?

リラックス

リラックスやストレス解消する方法はたくさんありますが、コーヒーを飲むとリラックスできるという人はたくさんいます。職場でも給湯室などにコーヒーを用意してあるところも多いでしょう。

では、リラックスやストレス解消のためにコーヒーを飲む場合、どうやって飲むのが良いのでしょうか。コーヒーのリラックス・ストレス解消効果の理由や、飲む時の注意点についてご紹介します。

コーヒーにストレス解消やリラックス効果がある?

コーヒーの持つ香りや酸味にリラックス効果やストレス解消効果があることは古くから経験則的に知られていて、職場にコーヒーが用意されていたり、勉強や仕事の休憩時間にコーヒーを飲んだりする人は多くいます。こうしたリラックス効果やストレス解消効果は、以下のように実際に科学的にも検証されています。

香りのリラックス効果:杏梨大学医学部精神神経科、古賀良彦教授ら
コーヒー粉末、レモン油、蒸留水を使い、リラックスしたときの脳波「α波」を比較
コーヒーの香りを嗅いだとき、最も多くα波が現れることがわかった
コーヒーの香りが一番リラックス効果が高く、浅煎りと深煎りでは深煎りの方がリラックス効果が高いこともわかっている
カフェインのリラックス効果:中村大学栄養科学科、青峰正裕教授ら
ストレスを受けると、脳内でさまざまな神経伝達物質が分泌される
ラットを動けないように2回拘束してストレスを与え、解放した後の放出物質を調べた。1回目の拘束と2回目の拘束の間で、生理食塩水やコーヒーを与えてストレス反応を調べた
生理食塩水ではストレス反応の減少は15%だったが、コーヒーでは63%、カフェインでは66%と激減した
コーヒー、特にカフェインに強いリラックス効果があると考えられる

さらに古賀教授は、コーヒーの種類によってリラックス度や集中力(情報処理能力)に差異は生じるのかどうかの研究を行いました。その具体的な内容について、項目を分けて見ていきましょう。

コーヒーの種類でリラックスの度合いは変わるの?

コーヒーは豆によって味も香りも異なりますので、種類によって好き嫌いも分かれます。では、コーヒーの種類によってリラックス度合いは変わるのでしょうか。古賀教授の行った実験では、被験者の頭に小さな電極を貼り、脳波を測定しました。脳がリラックスしていれば「α波」が特に後頭部で多く出現することがわかっています。

具体的には、20代の女性10人に5分間隔で6種類のコーヒーの香りを数十秒ずつ嗅いでもらい、その間の脳波を分析しました。コーヒー豆はブラジルサントス、グァテマラ、ブルーマウンテン、モカマタリ、マンデリン、ハワイ・コナの6種類で、それぞれ中挽きした豆を90℃の熱湯で抽出し、比較対照のために無臭の蒸留水も用意しました。

その結果、α波の出現量が多いのは「グァテマラ」と「ブルーマウンテン」でした。一方、「マンデリン」や「ハワイ・コナ」はα波の出現量が少なく、無臭の蒸留水と比較してもそれほど差が見られませんでした。つまり、コーヒーであればどの香りを嗅いでもリラックスできるとは限らず、豆によってリラックスの度合いは異なると言えそうです。

とはいえ、コーヒーには800種類もの成分があり、そのうちのどの成分がリラックスをもたらすもので、豆によってどう異なるのかについてはまだ解明されていません。香りを構成するのは有力な成分ではなく微量な成分であり、成分の混じり具合で香りが大きく変化するためです。香りを構成する成分については、今後の研究が待たれます。

コーヒーの種類によって集中力が変わるって本当?

さらに古賀教授は、α波ではなく「P300」という脳波に着目した研究も行いました。「P300」という脳波は人の集中度を図る指標で、正しくは「情報処理能力」と呼ばれるものです。物事を見極めたり聞き分けたりするとき、脳は活発に活動するのですが、そのときに出現する脳波がP300です。

この実験では、前述のα波を測定する実験と同じ条件で用意した6種類のコーヒーの香りと無臭の蒸留水を被験者に嗅いでもらい、被験者に「装着してもらったヘッドホンから低い音に交じって高い音が聞こえたら、なるべく早くボタンを押してください」という課題を行ってもらいました。

このとき、被験者の脳内では「まれに聞こえてくる高い音を認知し、それを選り分ける」という作業が行われます。特に、実際にヘッドホンから高い音が聞こえてからそれを脳が「高い音が聞こえた」と認知するまでの時間(情報処理速度)、すなわちP300が出現するまでの「潜時(せんじ)」について調べました。

すると、α波の実験とは概ね逆の傾向が示されたのです。つまり、「マンデリン」や「ハワイ・コナ」では情報処理のスピードが早く、最も早く出現したのは「ブラジルサントス」でした。これらの香りには、脳の働きを活発にする効果があると考えられます。一方で、「グァテマラ」や「ブルーマウンテン」はP300の出現が遅く、最も遅かったのは「モカマタリ」でした。

この実験から言えることは、コーヒーの香りには「リラックスさせてくれる香り」と「頭の回転(情報処理能力)を速くさせてくれる香り」がある、ということです。しかも、それらを両立することはどうやら不可能である、と考えられます。集中したいときとリラックスしたいときのコーヒーは、目的によって豆の種類を使い分けるのが良さそうです。

コーヒーにはリラックス以外の効果もある?

コーヒーには、リラックスや集中力アップ以外にもさまざまな効果があるとされています。主要な効果としては、以下の6つが指摘されています。

その1:疲労回復
カフェインが神経や筋肉を刺激し、肉体の疲労を回復させる
その2:コレステロール値を下げる
コーヒーに含まれるニコチン酸(※タバコのニコチンとは別物)を毎日適量摂取すると、コレステロール値を下げる効果がある
コレステロール値を下げることで、心筋梗塞などの心疾患のリスクを下げる効果も期待できる
その3:善玉コレステロールの増加
コーヒーを飲み続けると、善玉コレステロールの高密度リポタンパクが次第に増えていく
その4:喘息の発作を抑える
喘息の発作は、自律神経のうち副交感神経が活発なときに起こりやすいとされる
コーヒーのカフェインは、自律神経のもう片方である交感神経を刺激する作用がある
交感神経を刺激して副交感神経の働きを抑え、喘息の発作を起こりにくくする
その5:脂肪を分解する
コーヒーを飲むと、血中の脂肪酸(皮下脂肪から遊離する)が分解される
※砂糖やクリームを混ぜたコーヒーでは、やや作用が低下する
その6:消化を促進する
カフェインが脳の迷走神経を刺激し、胃酸の分泌を盛んにして消化を助ける
空腹時にブラックでコーヒーを飲むと胃酸で胃が荒れるため、空腹時に飲みたいときは牛乳をたっぷり入れてカフェオレにすると良い

このように、コーヒーにはさまざまな健康効果が期待できます。特に運動不足になりやすく、生活習慣病のリスクが高い現代人にとって、コレステロール値を下げたり脂肪を分解したりする効果は非常に嬉しいものです。コーヒーに含まれるカフェインは脂肪細胞に作用し、脂肪を分解する消化酵素を活性化する働きがあるため、肥満予防に役立つのです。

また、こうしたカフェインの作用は、抗酸化作用を持つ成分「ポリフェノール」と一緒に摂取するとさらに期待できます。ポリフェノールに含まれる「クロロゲン酸」という成分が糖分の吸収を遅くし、食後の急激な血糖値上昇を抑えたり、副交感神経を刺激して血圧を下げたり、体内の脂肪酸の分解を促進したりするからです。

コーヒーには、このカフェインとポリフェノールが豊富に含まれていますので、もともと「薬」として親しまれていたのも当然かもしれません。カフェインを事前に摂取してから運動すると、脂肪燃焼効果がアップしたという研究結果もあります。運動する人にとっても、コーヒーの健康効果が期待できるでしょう。

さらに、コーヒーにはがんを予防する効果や、肌を美しく保つ効果もあるとされています。

コーヒーががんの予防になるって本当?

国立がんセンターの調査・研究によれば、肝臓がんと子宮体がんの予防にコーヒーの効果が期待できるとされています。特に、肝臓がんを抑える効果は「ほぼ確実」、子宮体がんを抑える効果は「可能性あり」と判定されています。これは、コーヒーに含まれる「クロロゲン酸」の作用だと考えられています。

脂肪は酸素と結びついて酸化しますが、これによってできた物質がDNAを刺激して(酸化ストレス)、細胞が突然変異を起こし、老化やがん化が起こると考えられています。クロロゲン酸はこの体内の「炎症」を抑え、酸化するのを抑える働きがあるとされています。さらに、抗炎症作用はコーヒーのもう一つの主要成分「カフェイン」にもあるようです。

カフェインは体に悪いとよく考えられていますが、それは全くの誤解で、逆に内臓や脳を炎症から守る作用があります。この抗炎症作用が、がんやアルツハイマーなどの疾患を予防するのにつながっているのです。国立がんセンターの調査によれば、毎日コーヒーを飲む人の肝臓がん発生リスクは、飲まない人の約半分という結果も出ています。

コーヒー豆を焙煎したときに出る「NMP(N-メチルピリジニウムイオン)」という成分にも、細胞のがん化を防ぐ効果が見つかっています。こうした研究結果から、コーヒーががんを予防するのに一役買っているのは間違いなさそうです。

コーヒーで美肌をキープできる?

コーヒーの嬉しい効果はまだまだあります。コーヒーにはポリフェノールが含まれていますが、ポリフェノールの抗酸化作用は皮膚がさびつくのを防いでくれます。コーヒーに含まれるポリフェノールは100mLあたり約200mgで、赤ワインと同程度、日本茶の約2倍にものぼります。

赤ワインは抗酸化作用で有名になりましたが、アルコールの苦手な人にとっては摂取が難しかったのも事実です。しかし、コーヒーならアルコールが含まれませんので、アルコールの苦手な人でも摂取しやすいメリットがあります。

実際に、非喫煙者の女性131人(30〜60歳)に対してコーヒーの美肌効果を調べたところ、コーヒーを1日あたり2杯以上飲む人は、飲まない人に比べて紫外線による皮膚のシミが少ないことがわかったのです。つまり、コーヒーの抗酸化作用によって、紫外線の皮膚ダメージを軽減できる可能性がある、と言えるでしょう。

コーヒーを飲むときの注意点は?

ここまでご紹介してきたようにたくさんのメリットがあるコーヒーですが、飲むときは少しだけ注意する必要があります。主な注意点は以下の4つです。

  • 利尿作用により、トイレが近くなりやすい
  • 覚醒作用があるため、寝る直前に飲むと不眠症になりやすい
  • 胃酸分泌を促すので、空腹時に飲むと胃もたれや吐き気、肌荒れを引き起こしやすい
  • 交感神経を刺激して血圧を上げ、頭痛や疲労感を引き起こすことがある

例えば、利尿作用が近くなることから、長時間車などに乗る際には避ける、寝る直前や空腹時は避ける、血圧が高めの人は主治医と相談しながら摂取する、などに気をつけながら摂取しましょう。また、健康効果を狙ってコーヒーを飲むなら、1日に約3杯が目安です。ポリフェノールの抗酸化作用が期待できる摂取量は1日に1000mgですから、多くても5杯飲めば十分です。

上記のように、コーヒーを夜に飲むとカフェインの覚醒作用で眠れなくなってしまう可能性がありますので、朝食時の眠気覚ましや昼食時、午後の仕事中などに摂取するのがおすすめです。3杯程度であっても、美容や健康への効果は十分に期待できるとされています。飲み方は、できれば砂糖やミルクなどを使わない「ブラック」が良いでしょう。

また、重要なのは「しっかり焙煎されたコーヒー」であることです。コーヒー豆を焙煎する際に出る「コーヒーかす」にはコレステロール値を高める成分が入っていますので、口にしないようしっかり取り除いておきましょう。缶コーヒーやインスタントであっても、焙煎したコーヒー豆から抽出したものであれば問題はありません。

ペーパードリップで飲むほど好きな人は、ぜひ最初に抽出される50mLをしっかり味わって飲みましょう。最初の1杯には、コーヒーに含まれる各種の有効成分がぎっしり詰まっているのです。

ただし、どんなにコーヒーが好きでも、妊婦さんはコーヒーを控える必要があります。体内の赤ちゃんが母体を通じて栄養素をしていて、お母さんがコーヒーを飲むと、赤ちゃんの体内にもカフェインが巡ってしまいます。デリケートな赤ちゃんにとっては、少量であっても刺激物であるカフェインは危険に働く場合がありますので、注意しましょう。

具体的には、WHO(世界保健機関)の基準では1日のカフェイン摂取量が300mg以上になると、赤ちゃんを流産するリスクや、新生児の発育不良(低体重児など)のリスクが高まるとされています。日本の厚生労働省が示した基準はこれよりも厳しく、アメリカ産婦人科学会と同様、1日200mg未満に抑えるよう求めています。

インスタントコーヒー1杯(150mL)に含まれるカフェインは約45mgとされていますので、3〜4杯程度にとどめておきましょう。ドリップコーヒー1杯(150mL)では約90mgのカフェインが含まれていますので、1〜2杯が限度です。コーヒーを全く飲んではいけないというわけではありませんが、含まれるカフェインの量を確認しながら飲むと良いでしょう。

おわりに:コーヒーでリラックスしたいなら、豆の種類にこだわろう

コーヒーの香りにリラックス効果やストレス解消効果があることは、昔から経験則的に知られてきましたが、実際にストレス解消効果があるのかを調べた実験によれば、豆の種類によってリラックスの度合いが変わることがわかりました。

また、コーヒーにはリラックス以外にもさまざまな健康効果が期待できます。コーヒーを健康目的で飲むなら、1日3〜5杯程度が目安です。また、妊娠中は1日の許容量を超えないよう気をつけましょう。

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