ストレス社会と呼ばれる現代社会では、「適度にリラックスしましょう」「リラックスして睡眠に入りましょう」などと言われることがあります。緊張を解すために「リラックスして」などと声をかけることもあり、非常によく使われる言葉の一つです。
では、リラックスとは具体的にどのような状態を指すのでしょうか。効率的な睡眠や休息をとるためにも、ぜひリラックスについて見直してみましょう。
- この記事を読んでわかること
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- リラックスの定義。リラックスしている状態とは?
- リラックスできないこととストレスの関係性
- 自宅で手軽にできるリラックス対策
- 職場でできるリラックス対策
リラックスしている状態ってどんな状態?
リラックスしている状態とは、一般的に「身体に無理な力が入っておらず、無理な考えや感情にも陥っておらず、自然にモチベーションが高い状態」とされています。いわゆる「いつもの自分」であり、本来自分が持っている力を発揮しやすい状態、なにか変化があってもそれに心身が反応し、うまく対処できる状態であるということです。
もっと具体的に言えば、以下のような状態になっているときでしょう。
- 身体がだらんとしている
- ぼーっとしている
- 身体の筋肉に力が入っていない
- 楽な感じがする
また、リラックスした状態では血圧が下がり、心拍数が低下し、呼吸が深くなるという傾向にあります。血圧が下がるのは「自律神経」と呼ばれる神経の働きによるもので、自律神経には活動時に働く「交感神経」と休息時に働く「副交感神経」の2種類があります。交感神経は身体の働きを活性化させ、副交感神経は逆にリラックスさせる働きをします。
副交感神経が優位になると、血管が広がって血行が良くなります。血の流れが良くなるということは、血管の壁に負担がかかりにくくなりますので、リラックス状態になると血圧が低くなるわけです。リラックスしている時間が長いほど、血圧を低く抑えやすくなります。つまり、血圧の状態を調べることが、ストレス度合いの一つの目安となるでしょう。
1分間に心臓が拍動する回数を「心拍数」と呼び、手足の動脈が拍動する回数を「脈拍数」と呼びます。健康な人であれば心拍数と脈拍数は一致するため、基本的には心拍数を脈拍数で測って良いでしょう。成人の安静時の心拍数は通常65〜80回とされていますが、リラックスしているときには安静時よりも遅くなります。逆に、80回以上の心拍数がある場合はストレスを感じていると考えられます。
呼吸は普段あまり意識的に行うものではなく、無意識に行っているものですが、浅い呼吸と深い呼吸の2種類があります。緊張しているときや仕事のストレスなどを感じているときには浅く速い呼吸を、リラックスしているときには深くゆったりとした呼吸をしています。浅い呼吸は胸式呼吸と呼ばれ、楽に呼吸できるかわり、新鮮な空気を取り込みにくくなります。
一方、深い呼吸は腹式呼吸と呼ばれ、お腹から呼吸する呼吸法です。主にリラックスしているときや寝ているときにしている呼吸で、一回の呼吸で吸い吐きする空気は胸式呼吸の約3倍とされています。少ない呼吸数で多くの新鮮な酸素を体内に取り入れられるため、心臓や肺の負担が軽くなり、血圧が高くなりにくいことにもつながるのです。
リラックスできないのはストレスのせい?
リラックスしたいのにリラックスできない、という悩みは現代社会において誰しも一度は感じたことがあるでしょう。前述のように、リラックスした状態とは身体に力が入っておらず、ぼーっとして楽な感じで、血圧や心拍数は低く呼吸はゆったりとしている状態のことを指します。そのような状態になれない最大の原因として「ストレス」が挙げられます。
現代人は常に緊張やストレスにさらされているため、交感神経が非常に活発に働いている状態です。すると、身体が緊張やストレス状態に慣れすぎてしまい、いざ休息しよう、リラックスしようとしても自律神経が副交感神経に切り替わりにくくなってしまうのです。緊張やストレスを感じていると身体に変な力が入るため、骨格や筋肉の歪みにつながり、脳や自律神経にさらに悪影響を与えている可能性もあります。
このように、リラックスできないのは緊張やストレスによって脳や自律神経のバランスが崩れてしまっているから、と考えられます。現代人の抱えるストレスには、主に以下の4つのことが要因として挙げられます。
- 身近な人の死や災害、失業などの辛さや悲しみを感じる出来事
- 結婚や就職など、大きな環境や人間関係の変化を伴う出来事
- 家計の悩みや近隣住民とのトラブル、周囲の騒音など日常生活で蓄積するストレス
- 仕事や日常生活で感じる疲れを解消できず、溜め込んでしまうことによるストレス
これらの要因はもちろん一つだけとは限らず、さまざまな要因が重なり合うこともあります。ストレスが蓄積されていくと、心身や行動にストレスの影響が現れ、不眠・イライラ・抑うつ状態、腰痛・肩こり・胃潰瘍・便秘や下痢、衝動買いや過食などが起こってしまうこともあり、日常生活に悪影響を及ぼします。
リラックスできない原因、もしかしたら家の状態かも?
近年注目されている原因として、本来リラックスして過ごせるはずの自宅でリラックスできないという人が増えてきていることも挙げられます。このように自宅でリラックスできないのは、家の状態がリラックスを妨げていると考えられます。具体的には、以下のようなことが要因となっている可能性が高いです。
- 空気が汚れている
- 換気ができておらず、空気清浄機もないため部屋の中の空気が淀んでしまっている
- 淀んだ空気からは悪いニオイがすることもあり、嗅覚は人間の感覚の中でも特に脳を刺激するため、悪影響が強い
- 定期的に換気して空気を循環させ、ニオイがこもらないようにすることが重要
- 生活感が全くない、殺風景
- 人気がない、殺風景な室内は、居心地が悪く暗い印象になりやすい
- 鉢植えの観葉植物や花など世話が簡単なものを置き、生命の気配を感じられるようにするとホッとしやすい
- 部屋に緑があると、疲れた目を癒したり空気を浄化させたりする作用も
- 散らかっている
- 忙しい日々が続いて部屋が散らかり放題になっている
- 毎日きちんと掃除して清潔を保つのは難しくても、要らないものを処分すると部屋がすっきりする
- 部屋が片付くと精神的にもすっきりするため、定期的な片づけがおすすめ
- 暖色系のインテリアばかりである
- 部屋をキレイにして換気も気をつけている場合、インテリアの影響かも
- 赤・オレンジ・紫など暖色系のインテリアは精神的に圧迫感を与える
- リラックスするための部屋は、緑や青などの落ち着いた色や、薄めのパステルカラーでまとめるとよい
- 照明が明るすぎる
- 帰宅して部屋の照明をつけたとき、明るすぎるとやはりリラックスできない
- ベッドルームなどの照明は、柔らかい光の間接照明を使うと落ち着いてリラックスして寝やすい
- 照明を交換するほか、思い切ってリノベーションするのもおすすめ
空気が汚れていたり、部屋がいらないもので散らかっていたりすると落ち着けないのは当然と言えますが、特に見落としやすいのはインテリアの色や照明の明るさです。暖色系のインテリアはパワーを与えてくれるからと取り入れる人も多いのですが、リラックスするためには逆効果のこともありますので、部屋ごとにインテリアのテーマを変えてみると良いでしょう。
また、寝る前にスマホやタブレットの画面を見ることが睡眠を妨げるように、強い光の刺激は脳を刺激してしまい、なかなか自律神経が副交感神経に切り替わりにくくなってしまいます。電子機器だけでなく、照明も強すぎる光は刺激になってしまいますので、リラックスしたい部屋では柔らかい間接照明にしたり、光の強さを抑えたりすると良いでしょう。
リラックスするためにどんな対策がおすすめ?
前述のように、リラックスしたくてもできない要因はさまざまです。家の状態であれば解消すれば良いのですが、ストレスでリラックスできなくなっている場合、何らかの対策を講じる必要があります。日常生活のストレスに対してできること、仕事のストレスに対してできること、そしてリラックスの習慣化と、3つに分けて詳しく見ていきましょう。
日常生活のストレスに対してできる対策とは?
どんな人でも多かれ少なかれ、日常生活の中で何らかのストレスを抱えているものですが、ストレスによってリラックスできない状態になってしまうほどストレスが蓄積されていたり、強いストレスを感じたりしているようなら、対策を立てる必要があります。具体的には、以下のような対策を講じてみましょう。
- ストレスの原因を知り、距離を置く
- 何がストレスの原因なのかをきちんと探って見つけ、原因から距離を取る
- 家族の誰かの行動がストレスになっている場合は少し関わりを少なくする、など
- 休日なのに隣人がうるさい、子どもが反抗期など原因はさまざまだが、ストレスでつらくなっているならまずは距離を置いてみる
- 心理的な距離を置くことでストレスが軽減され、緊張状態をゆるめてリラックスできる
- 日記をつける
- ストレスの原因がわからないときは、日記をつけるのがおすすめ
- 日記によって日常生活の細かいところに気づくことができ、ストレスの原因もみつけやすくなる
- 日記で自分自身を見つめ直し、物事を深く考える助けになってくれることも
- 自尊心や自己肯定感を高め、気持ちを落ち着かせてくれる
- 栄養・運動・睡眠を大切に
- 「健康の3本柱」と呼ばれる栄養・運動・睡眠を大切にできるよう、生活リズムを整えていく
- 食生活のリズムを乱さず、適度な運動をし、質のよい睡眠をとる
- 健康が損なわれることは、ストレス対処がうまく行えなくなることにつながる
- 自分自身の健康を保つことは、リラックスへの第一歩
- 筋肉の緊張をほぐす
- ストレスと筋肉の緊張には密接な関係があり、筋肉が緊張していると気持ちが落ち着いていてもリラックスしにくい
- 特に、肩甲骨周りや肩・首などの緊張は心理的な緊張も招くため、しっかりほぐす
- 手の筋肉を刺激すると、肩の力が抜けてリラックスしやすくなるのでおすすめ
- リラックスアイテムを取り入れる
- アロマテラピーで使われるエッセンシャルオイルなど
- ローズマリーやジュニパーベリーなどは、筋肉の緊張をゆるめる
- ラベンダーやオレンジスイートなどは、気持ちを落ち着かせてくれる
- 考える時間を作る
- ストレスの原因にきちんと向き合い、解消のための対策を立てる時間を作る
- 日常生活で多忙を感じやすい人には特におすすめ
- ストレスや不安に的確に対処できるようになり、リラックスできない状態から解放される
- 完璧主義をやめる
- 日常生活の中でストレスを感じやすい人は、完璧主義者が多いとされる
- 何もかもを完璧にこなすのは大変なので、知らず識らず「できなかった」というストレスをためやすい
- 自分のキャパシティを把握し、完璧にできなくても許していく
このように、基本的にはストレスの原因に向き合って解消するようにしたり、原因からしばらく距離を置いてみたりしましょう。また、「健康の3本柱」が欠けていると知らず識らずのうちにストレスに対処しにくくなってしまいますので、こまめに運動したり、栄養バランスを整えたりすることが重要です。
仕事のストレスに対してできる対策とは?
仕事は、現代においてストレスの代表格ともなっていて、仕事そのものに対するストレスもあれば、一緒に仕事を行う上司や同僚などの対人関係によるストレスもあります。特に後者は非常に深刻な問題で、仕事のストレスを解消できないまま帰宅してもなかなかリラックス状態になれません。そんなときは、以下のような対策を試してみましょう。
- 気持ちを切り替えられるものを見つけておく
- 仕事中に感じるストレスを即座に解消するには、適度に息抜きできるようなものを見つけておく
- すっかりリラックスモードになるものではなく、あくまで気持ちの切り替え程度
- 休憩中の読書、音楽鑑賞、可能なら短時間の昼寝などが効果的
- 特に、昼寝は短時間でも脳や身体を休ませることができるため、脳を活性化させて気持ちをリフレッシュさせられる
- ランチは職場以外の場所で食べる
- 節約などの目的でお弁当を持参する場合でも、職場以外の場所で食べる
- お弁当を持参せず、外食するのも良い気分転換に
- 食事をするときには一般的に副交感神経が優位になるが、目の前に仕事があると自律神経が切り替わりにくい
- このように、仕事をする場所と食事の場所は分けておいた方が良いとされる
- 電子機器から離れる時間を作る
- 電子機器のブルーライトは、脳を覚醒させてしまう
- 休憩中でもメールの通知が気になったり、アラート音が気になったりするとリラックスできない
- スマホやパソコンから離れるか、通知を切るなどしてしっかり休むことが重要
- スケジュールの一新をはかる
- どうしても仕事が忙しくて休憩が取れない場合、スケジュールを組み直してみる
- 仕事を断れなくて溜めすぎてしまう人は、「No」ということも重要
- 空いたスケジュールには決して別の予定を入れず、休暇にして何もせず休む
- 長期休暇を上手に活用する
- 仕事に「No」を言えないときは、お盆休みや年末年始などの長期休暇を利用する
- 何もしない日を作り、しっかり休養をとって心身を休める
- 何もしないことに慣れていないときは、好きなように過ごしてリラックスの練習をする
仕事中のリラックス方法や、仕事を終えて帰宅したときのリラックス方法としては「気分転換」がキーワードです。気分を切り替えるためにランチの場所を変えたり、電子機器からいったん完全に離れたり、長期休暇では一切予定を入れない日を作ったりすると、仕事から離れて気分を切り替えやすくなるでしょう。
また、仕事中に簡単にできる気分転換として、以下のようなこともおすすめです。
- チョコレートを食べる
- 良質なチョコレートに含まれる「テオブロミン」にはリラックス効果がある
- 仕事中のおやつや息抜きに、ひとかけのチョコレートを食べるのもおすすめ
- コーヒーをやめ、緑茶に変える
- 休憩中にコーヒーを飲む人は多いが、コーヒーや紅茶にはカフェインが含まれるため過剰な摂取はリラックスを遠ざけてしまう
- こまめな水分補給とリラックスのためには、コーヒーや紅茶よりも緑茶がおすすめ
- 緑茶にもカフェインは含まれているが、テアニンというカフェインの働きを弱める成分も入っているため、心を落ち着かせやすい
- 意識的にトイレに行くなど、定期的に立ち上がる
- 忙しいとき、時間に追われているときはつい休憩も取らずに長時間作業をしがち
- 人間が深い集中力を発揮できる時間は限られていて、疲労や緊張の蓄積で業務効率は下がる
- どんなに忙しくても、定期的に席を立つ時間を作って気分を切り替える
- トイレの代わりに、軽いストレッチや深呼吸もリラックスに効果的
リラックスを習慣化しよう
上記の日常生活や仕事中のストレス解消法は、基本的に一時的なものです。そこで、最後にリラックスを習慣化させるための取り組みをご紹介します。
- 深呼吸で自律神経を整える
- リラックス状態にいる人の多くは呼吸が浅く、緊張状態にあると考えられる
- そこで、意識的に深呼吸を行い、自律神経のバランスを整えることが重要
- ゆっくりとしたリズムで深い呼吸を繰り返せば、副交感神経が優位になってリラックスできる
- 瞑想やマッサージなどで自律神経を整える方法もある
- 触れ合いを大切にする
- 人間の皮膚は単なる触覚だけでなく、感情を感じ取ることもできるとされる
- 安心する相手や、好きなペットと触れ合うことで心身のリラックスをはかれる
- マインドフルネスを練習する
- マインドフルネスとは「自分自身の精神を集中させ、今という瞬間に全力で向き合う」こと
- 自分自身の気持ちがどこに向き、何を考えているかにしっかり向き合う
- 自分がどのようなストレスを抱えていてリラックスできないのか、意識しやすい
- マインドフルネスを日頃から練習しておくと、ストレスを溜め込みにくくなる
- あえていつもと違うことに挑戦する
- 気分転換のために、普段はやらないようなことに挑戦するのもリラックスに
- 少しアクティブな活動をしたり、いつもは行かない場所に行ったりする
- 日常の自分から切り離され、気持ちを切り替えることができる
- 思いきり笑う
- 笑顔を作ったり、笑ったりすると脳内物質の「ドーパミン」の分泌が促される
- 思いきり笑うと、ドーパミンによって緊張やストレスが解消され、リラックスできるようになる
- お笑いのDVDや動画を見たり、笑わせてくれる人の側に行ったりするとよい
- 鏡を見ながらにっこり笑顔を作る「笑顔トレーニング」も手軽にできておすすめ
- 意識的にリラックスする
- そもそも自分がストレス状態にあると自覚し、意識的にリラックスすることも重要
- ただし、「リラックスしなくては」と力んでしまうのはNG
- 力みそうなときは、「和む」「手放す」など、自分の心を解放するイメージの言葉を思い浮かべると良い
また、こうしたリラックス方法をいろいろ試してみてもリラックスできない状態が改善しないときには、何らかの病気である可能性も考えられます。特に、「社会不安障害(SAD)」「うつ病」などを発症していたり、発達障がいの一種であるADHDの特性を持っていたりすると、なかなか心理的な緊張や不安を解いてリラックスしにくいものです。
このような状態に心当たりがあれば、ぜひ一度専門医に助けを求めてみましょう。専門医であれば、なぜリラックスできないのかの原因を探り、その原因に合った治療法や解決策を提示することができます。
リラックスできる空間づくりのヒント
前章では、自分の気持ちやリラックスアイテムなどから行うリラックス方法をご紹介しましたが、自宅をリラックス空間にする方法も詳しく見ていきましょう。
- 整理整頓する
- リラックスできる部屋の第一条件として「キレイに片付いている」ことが挙げられる
- 散らかっていてものが溢れている部屋では目から入ってくる情報量が多すぎて、脳が休まらずリラックスできない
- 不要なものは思い切って処分し、小物はできるだけまとめて箱に入れるなど整理整頓する
- 目に見える範囲をゆったりした空間にすることで、リラックスしやすくなる
- 背の低い家具を使う
- 背の高い家具は圧迫感があるため、気持ちが休まりにくい
- 背の低い家具で収納力が高いものを選び、部屋に開放感をもたらす
- 逆に、背の低い家具におさまりきるぐらいに断捨離するのもおすすめ
- どうしても背の高い家具を使う必要があるときは、少し離れた場所に置くか、白や薄い茶色など圧迫感を感じにくい色にする
- 統一感をもたせる
- ナチュラルテイスト、アジアンテイスト、ビンテージテイストなど、統一する
- 家族の好みがバラバラなときは、部屋ごとにテーマを分けるのもおすすめ
- リビングはものをごちゃごちゃさせず、シンプルにまとめると落ち着ける
- 落ち着いた色合いでまとめる
- 部屋の中を見渡したとき、あまりカラフルになりすぎないようにする
- 壁紙や天井の「ベースカラー」にはオフホワイトやアイボリー、ベージュなど優しく穏やかな色を
- 他に取り入れる差し色は、淡い寒色系を2色程度にまとめてすっきりと
- 青などの寒色系、落ち着いた茶系などは副交感神経を優位にする作用がある
- 逆に、ビタミンカラーなどを使うと交感神経が優位になってしまい、リラックスしにくい
- 間接照明や観葉植物を活用する
- 柔らかく温かみのある間接照明で、精神的に落ち着きリラックスしやすくする
- 光がダイレクトに網膜に届かず、天井や壁で反射してから届くため、優しく穏やかな光になる
- ろうそくのように揺らめく照明も、気分を落ち着かせるのにおすすめ
- 観葉植物は目の疲労を回復し、緊張感を和らげる効果がある
- 光合成によって酸素を増やし、空気を清浄化する働きも
- 香りや音を効果的に取り入れる
- 好きな音楽や心安らぐ香りを取り入れ、気分をリフレッシュさせる
- ゆずなどの柑橘系、ラベンダーなどが癒しにおすすめ
- アロマポットで楽しんだり、コットンなどに一滴垂らしたりして部屋に置いておくのも良い
視覚情報が多かったり、交感神経を活発にする色を見たりしてしまうと、どうしてもリラックスしにくくなります。そこで、整理整頓をしっかり行うことや、家具の色を落ち着いた色にしたり、寒色系で統一したりすると良いでしょう。
職場をリラックスできる空間にするには?
職場のインテリアや家具を勝手に変えるわけにはいきませんが、経営者や上司が率先して対策してくれれば変えやすいでしょう。その際、以下のようなことを意識するのがおすすめです。
- 空間を広くする
- 書類をデータ化したり、収納の多いオフィス家具を導入したりして、視覚情報を減らす
- スペースや奥行きを感じるレイアウトに変える
- 観葉植物を置く
- オフィス内に観葉植物を置き、自然を感じる癒し効果、リラックス効果を狙える
- 緑を感じさせる職場は仕事中の緊張を解し、コミュニケーションも活性化しやすい
- イヤホンの使用を許可する
- 音楽を聴いて気分を切り替えたり、リラックスしたりする
- 作業に対する集中力を高める働きもあるため、仕事中のイヤホン使用をOKにしている企業も
- 集中したいときに使うと「今は話しかけないでほしい」というメッセージにもなる
おわりに:リラックスするためには、副交感神経を優位にすることが重要
リラックスしている状態とは、身体が楽で力が入っていない状態ですが、身体的には自律神経のうち「副交感神経」が優位になっている状態で、血圧や心拍数が低下し、呼吸が深くなっている状態のことを指します。
そこで、リラックスのためにはストレス要因を減らすほか、意識的に副交感神経を優位にする工夫が重要です。日常生活や仕事で使えるリラックス法を実践してみるほか、リラックスしやすい空間づくりも意識してみましょう。
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