ストレスの原因となる出来事はさまざまですが、特に仕事に関係することでストレスを感じるという人は多いです。仕事はしなくてはならないことであり、その時間も長いことから、ストレスを感じやすいのです。
そこで、今回は仕事に多いストレスの原因と、ストレスのチェック方法、解消するための対処法について解説します。仕事が辛いと感じている人は、ぜひチェックしてみてください。
仕事のストレスの原因は?
仕事のストレスとして考えられる要因は、人間関係や仕事の内容、待遇、環境などが挙げられます。それぞれについて、もう少し詳しく見ていきましょう。
仕事のストレス①:人間関係
職場の人間関係は、仕事のしやすさを左右する非常に重要なポイントと言えます。職場の人間関係が悪いと、その他の条件が良くても大きなストレスを感じてしまいます。
- 職場の人とコミュニケーションがうまく取れず、昼休みに一人ぼっちだったり、陰口を叩かれたりする
- 直属の上司とそりが合わず、評定を低くされてしまう
- セクハラやパワハラをしてくる上司がいる
- 細々とした部分にも文句を言ってくる人がいる
このように、何らかの要因で一度壊れてしまった人間関係を構築し直すのは、一から始めるよりも非常に困難だと言えます。そのため、ストレス要因として非常に大きなものになってしまうのです。さらに、接客業やサービス業に従事している人は、社内だけでなく顧客に対してもストレスを抱えてしまうことが多々あります。
特に、顧客との関わりがメインとなる営業や販売などの職業は、コミュニケーションが好きであれば良いのですが、あまりコミュニケーションが好きでない人の場合、話すだけでストレスが溜まりやすいです。また、どんなにコミュニケーション能力が高かったとしても、クレーマーに当たってしまった日はストレスを抱えてしまうことでしょう。
顧客によって話す内容や態度も気をつけなくてはならないため、気を使うことが多いという点からもストレスを感じやすい職種だと言えます。
仕事のストレス②:仕事の内容
仕事にやりがいを感じられない場合、どうしてもストレスになってしまいます。仕事内容に不満があると、成長のスピードやモチベーションにも大きく影響してくるでしょう。業務内容にもよりますが、ストレスを軽減するためには何らかの「やりがい」を見つけるのが最も良い方法でしょう。
他にも、仕事の量が多すぎて毎日残業をしている、逆に少なすぎて社内にいるのに暇な状態が続いている、振られる仕事が単調すぎる、自分の仕事だけあまりにも能力に見合わないハードな仕事が課されているといった場合にも大きなストレスになり得ます。責任の重い仕事をしていたり、失敗できない重要な案件を担当していたりすることで緊張からストレスを感じることもあります。
また、職場での役割や地位の変化によって、それが良いことであってもストレスを抱えてしまうことも考えられます。例えば、中堅社員になって徐々に部下を持つようになって、部下の仕事やミスにも責任を負う必要が出てくると、抱えるものが増えることによるストレスも大きくなっていくでしょう。
仕事をする上で、適度なストレスは脳を活性化させてくれる「良いストレス」です。ですから、ストレスをなくすことが仕事をする上で良いこととは限らないのですが、高い地位についたことでストレスやプレッシャーを抱えすぎてしまうのはよくありません。溜まったストレスは上手に解消していきましょう。
仕事のストレス③:待遇
勤務時間や給与、度を超えたノルマなど、待遇面がストレスとなることもあります。例えば、残業が常習化している職場で、企業としても労働時間を減らす努力をしていない、といった状態では、ストレスが溜まるばかりか、労働意欲も削られてしまうでしょう。もし、労働時間が長いのに給与が低いというような問題があった場合、転職を考えた方が良いかも知れません。
給与も、仕事に見合わないくらい低いものだったり、自分の行った成果が反映されなかったりすると大きなストレスになります。例えば、残業や効率化を行って同僚よりも成果を上げているのに、給与は全く一緒ということになると、ストレスを感じて頑張る気力もなくなってしまうでしょう。そもそも、給与が低いと生活や心にも余裕が失われ、余計にストレスになってしまうこともあります。
そして、ノルマがあまりにも無理難題であるという場合にもやはり大きなストレスとなってしまうでしょう。適正であればもちろん、緊張感を感じる「良いストレス」となりますが、無理難題を達成できないと怒られるというようなことがあると、理不尽さを感じる悪いストレスとなってしまいます。
さらに、ノルマを達成できず自腹で買い取りを迫られるなどという場合には、やはり大きなストレス要因となります。本来、買い取りは労働者の義務ではありませんので、断っても法的な問題はないのですが、職場の暗黙の了解があったり、上司から圧力をかけられたりして買わざるを得ない状況になってしまうと、給与も減りますし意に沿わないことをさせられたというストレスになりえます。
仕事のストレス④:環境
環境的な要因としては、体力が必要な仕事、休日が少ない、立地が不便などの問題が挙げられます。例えば、体力が必要な仕事は肉体的な疲労が大きいため、身体的なストレスが大きくなります。肉体労働でなくても、長時間の運転や得意先への長距離移動なども同じです。帰宅しても他のことができず、お風呂に入って寝るだけではストレスも解消しにくくなります。
同じように、週に2日の連休をしっかりとれる仕事と、週1日の休日もとれるかどうかわからない不安定な仕事では、ストレスの度合いが大きくことなります。休日が少ないと、リフレッシュするための自分の時間を確保できなくなってしまいますので、友人から遊びに誘われても行けない、家族との時間も取れない、とストレスが溜まるだけでなく、人間関係がどんどん希薄になっていってしまうかもしれません。
勤務先の立地は、働きやすさにも関わってくる重要なポイントです。周辺の家賃が高くて近くに住めない場合、通勤時間がどうしても長くなってしまいますし、都心では毎日、満員電車のストレスを抱えることになるでしょう。一方、郊外ではランチに行ける場所が少なく、一箇所に人が集まりすぎて過ごしづらいなどの問題が出てくる可能性があります。
デスクワークの場合はほぼ一日中オフィスにこもっているため、ランチタイムに外に出てリフレッシュできないのはストレス解消という側面から見ても重要な問題でしょう。
仕事でのストレスがたまっていないかチェックしてみよう!
上記のように、仕事でのストレスはさまざまな要因があります。そこで、仕事でストレスが溜まっていないかどうか、セルフチェックをしてみましょう。
ストレスの原因について
- 時間内に仕事を処理しきれない
- 仕事中は、かなり緊張している
- 身体を非常によく使う仕事だ
- 自分のペースで仕事ができない
- 職場の雰囲気が良くない
- 仕事の内容が自分に合っていないと感じる
- 仕事以外に、自分自身のことで悩みや心配事がある
- 家族や友人のことなどで、悩みや心配事がある
「Yes」が3つ以上あれば、精神的・身体的に疲労が溜まっていく可能性が高いと考えられます。心や身体が疲れたな、と感じたら休養をとりましょう。
ストレスによる心身の反応
- イライラしている
- 朝起きたとき、ぐったりとした疲れを感じる
- 不安だと思う
- 落ち着かない感じがする
- 憂鬱だ
- 何をするのも面倒だ
- よく眠れない
- 食欲がない
- 頭痛、腰痛、肩こり、目の疲れなどの体調不良がある
直近1ヶ月間の自分の状態について、上の6つのうち「Yes」が3つ以上あれば、心がエネルギー不足だったり、感情のコントロールができにくくなったりしていると考えられます。下の3つのいずれかに「Yes」があれば、ストレスによる精神的な不調が身体の不調として現れています。できるだけ早く休養をとったり、気分転換をしたりしましょう。
ストレスとの付き合い方
- ストレスによるこの苦しみは、ずっと続くだろうと思う
- その状況を考え続けてしまう
- 状況を変えるため、何かしらの積極的な行動をとれない
- リラックスや気分転換をしようと思えない
- 家族や会社の人など、相談できる人がいない
「Yes」が2つ以上あった場合、ストレスを重く受け止めてストレス反応を大きくしてしまう傾向があります。そのため、ストレスの原因を避けることも重要ですが、ストレスの捉え方を変え、上手に付き合う方法を模索しましょう。
同じストレスの原因(ストレッサー)が起こっても、それに対するストレス反応は人によって異なります。それは、ストレスとの付き合い方が人によって異なるからです。ストレスを大きく感じやすい人は、ストレスの捉え方を変えることでストレス反応を軽減できるかもしれません。また、ストレス反応が既に強く出ている場合は、できるだけ早めに休息をとりましょう。
仕事のストレスを解消するための対処法は?
仕事のストレスを感じたときの対処法としては、以下の7つが挙げられます。
- 早めに休憩してリセットするのを習慣に
- 基本的な生活習慣として、早寝早起きを心がける
- ちょっと疲れたな、と思ったらすぐ休むよう気をつける
- 信頼できる家族、友人に話を聞いてもらう
- 仕事での愚痴やストレスは、仕事とは一切関係ない人に話す
- 溜め込まず、気の置けない人に話すだけでもスッキリするもの
- 仕事とは無関係な趣味を持つ
- 趣味といっても、難しいものでなくて良い
- お風呂でマッサージ、好きなハンドクリームを集める、軽い散歩など簡単なものでOK
- 仕事には一切関係のない趣味に没頭すれば、ストレスを忘れられる
- 特技やスキルを磨くことに集中する
- 趣味や仕事関連でなくても、何か特技やスキルがあれば磨くのもおすすめ
- 英語が得意なら勉強し直してTOEICを受けたり、スポーツに再度力を入れたり
- 特技やスキルで自分に自信が持てれば、仕事での悩みが小さく思えるかも
- ストレスの原因を考え、分析してみる
- 今、仕事で感じているストレスについて冷静に分析してみるのも一つの手
- 1日の仕事の中で気になること、不快に感じたことを紙に書き出すなど
- 「なぜ」「どうして」と一つひとつ分析することで、解決策が意外と早く見つかるかも
- 睡眠や食事など、基本的な生活の質をワンランク上げてみる
- 質の良い食事、睡眠、運動がストレス解消のカギとなる
- 毎日使う寝具を新しくしたり、コンビニ弁当をやめて食材にこだわったりする
- 毎日の生活に必要なものだからこそ、質を上げると心身ともに元気が出る
- 自分自身の小さな目標を掲げ、こまめに達成する
- ストレスを感じやすい人の特徴として、神経質で自己評価が低すぎる傾向がある
- 大きすぎる目標ではなく、毎日1つ自分が達成できたことを見つけて自分を褒める
仕事のストレスは、仕事以外で解消するのが基本です。仕事のことを思い出してしまうような人間関係や趣味、スキルなどでは、どうしても仕事のことを思い出してしまいがちです。ですから、仕事と全く関係のない人に話を聞いてもらったり、仕事と関係ない趣味を持ったりすることがストレスの解消になるのです。
また、考えすぎてしまう人は、いっそとことん考えて冷静に分析してみるのも良いでしょう。仕事中に気になったことや不快に感じたことを書き出し、一つひとつに対してどうしてこうした事態が発生してしまったのか、次からはどうすれば解決できるのかと分析してみると、積極的にストレスを解決できるかもしれません。
逆にストレスを溜めてしまう、やってはいけない行動って?
以下のような行動は、ストレスを逆に溜め込みすぎてしまいますので、やらないよう注意しましょう。
- SNSに依存する
- ことあるごとにスマホを見て、SNSに書き込みするのは逆効果
- スマホ依存症やSNS依存症にならないよう、通信機器の電源を落としてしまうのも手
- やけ酒、やけ食い
- ストレスを食にぶつけると、過食症や拒食症、アルコール依存症などを招くことがある
- 体調を崩して余計に大きなストレスや疾患につながるので、絶対にNG
- ※ただし、美味しくて好きなものを少量食べる、などはOK
- 夜型の不規則な生活
- ストレス解消のためには、十分な睡眠が欠かせない
- 夜ふかしや昼夜逆転の生活はやめ、睡眠の質を高めるよう意識するのが重要
- ※朝日を浴びると前向きな気持ちが生まれ、ストレスが軽減されるのでおすすめ
- 相手を選ばず愚痴をこぼす
- 仕事の愚痴を話せる相手は必要だが、いつでも誰にでも言うのはNG
- 伝える相手によっては余計にストレスが増え、自己嫌悪に陥ってしまうので逆効果
SNSやスマホ依存症は、ストレスを余計に助長してしまう代表的なものです。できれば、ストレス解消の際には通信機器の電源を落とし、読書や音楽鑑賞などでリラックスしましょう。また、やけ酒ややけ食いはかえって身体を壊しかねません。美味しいものを食べるのが趣味という人は、本当に自分の好きなものを適度な量食べてストレス解消するようにしましょう。
また、愚痴を話すときには必ず相手を慎重に選びましょう。例えば、愚痴に対してずばずばと反論してくるタイプの人に話すと、ただ聞いてほしいのに聞いてもらえなかった、などと余計にストレスを溜め込んでしまうこともあります。信頼できる相手にだけ話すようにしましょう。
おわりに:仕事でストレスを抱える人は多い。仕事と関係ない解消法がおすすめ
仕事では、人間関係や内容、待遇、環境など、さまざまな面でストレスを抱えてしまうことがあります。脳を活性化してくれる程度の適度なストレスであれば良いストレスとなるのですが、過剰な負担になればそれは悪いストレスとなってしまいます。
そこで、仕事のストレスは仕事以外で発散するようにしましょう。仕事と無関係な趣味を持ったり、関係ない友人に聞いてもらったり、特技やスキルを磨いたりするのがおすすめです。
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