仕事や勉強など、何らかの作業をするときには適度なリフレッシュが重要だと言われます。業務や学習を続けているとだんだん効率が下がってくるので、適度にリフレッシュ行って作業効率を取り戻そうとするものです。
今回は、作業中にリフレッシュが必要な理由や簡単なリフレッシュ方法、おすすめのリフレッシュ方法などをご紹介します。気分転換の方法に迷ったら、ぜひチェックしてください。
仕事中の息抜きや気分転換、なぜ必要?
仕事や勉強などをするとき、決められた時間内を少しも休まずに行えるなら作業効率は非常に良いことでしょう。しかし、人間は生き物であり、脳や身体を使って作業をしている以上、どうしても疲労やストレスが溜まっていってしまうものです。疲労やストレスが蓄積されたまま作業を続けていると、効率や生産性はどんどん下がってしまいます。
そんなときに必要なのが「息抜き」です。息抜きとは疲れやストレスを適度に解消して気分をスッキリとリフレッシュさせ、再び新たな気持ちで業務や学習に向き合うことで、本来のやる気や作業効率を取り戻すために行います。息抜きをせず効率が落ちたまま作業を続けるよりも、息抜きをして気分も新たに作業を再開した方が、息抜きで休んだ時間を取り戻す以上の成果を挙げられるでしょう。
好きな仕事ややりたい勉強だからストレスは溜まらない、と勘違いしている人もいますが、人は外部から刺激を受けることで多かれ少なかれストレスを受けているのです。つまり、ポジティブな刺激も過剰であればストレスになりえます。日常生活ではさまざまな変化が起こりますので、ストレスを感じない人はいないと言っても過言ではないでしょう。
こうしたストレスを解消しないまま放置していると、まず夜に眠れなくなったり、体調を崩したりといった身体の不調が警告のように現れます。このサインを見逃してしまう、あるいは無視し続けてしまうと、ストレスはどんどん身体に溜まり続け、最終的には心の病気を発症してしまうこともあります。
そこで、ストレスを解消するために適度なリフレッシュが必要なのです。一般的に仕事中の休憩と言えば、昼休みや決められた時間に取るものだとされていますし、これまでは休憩も取らずずっと仕事を続けている人を「頑張っている」と評価する向きがありました。こうした風潮も手伝って、休憩の重要性があまり省みられていなかったのです。
しかし、近年の研究によって、長時間作業を行うときには一定時間ごとに短い休憩を挟むと作業効率が良くなることがわかってきました。仕事が立て込んでいてなかなか休憩時間が取れないという人もいるかもしれませんが、実は忙しい人ほど適度に休憩を挟み、心身をリフレッシュした方が仕事の効率や生産性をアップできるのです。
簡単にできるリフレッシュ方法は?
手軽にできるリフレッシュ方法の代表は「散歩」です。悩みや仕事の行き詰まりを感じたとき、近所を少し散歩すると良い気分転換になることは経験則的にもよく知られていますが、歩くことは健康にも良く、誰でも手軽にできるリフレッシュ方法としておすすめです。普段歩かない道をあえて歩いたり、近所の公園に行ってベンチで日向ぼっこしたりするのも良いでしょう。
身体を動かすのが好きな人や、普段どうしても運動不足になりがちという人は、軽い運動をするのもおすすめです。ストレッチやウォーキング、ジョギングなどの有酸素運動やヨガ、好きなスポーツ、ジムに通うなど好みの方法で運動を楽しみましょう。運動中は余計なことを考えないので、頭のリセットにも最適です。また、軽い有酸素運動はセロトニンという脳内ホルモンの分泌を促し、うつ病などの精神疾患にも良い影響を与えるとされています。逆にハードすぎる運動は疲れてしまい逆効果なので、やりすぎには気をつけましょう。
同じようにセロトニンの分泌を促す方法として、朝日をしっかり浴びるという方法もあります。朝、眠りから覚めたらまずカーテンを開け、朝日を浴びましょう。朝日を目で感じることは、体内時計を整える効果もあります。太陽を直接見ると網膜を痛めてしまいますので、直接見ないよう気をつけながら、朝日をしっかり浴びて心身をリフレッシュしましょう。
また、脳をリフレッシュさせるためにはいつもと違うことをするのがおすすめです。出かけるのが好きな人は、旅行やリラクゼーションに行ってみるのも良いでしょう。
- 自然に触れる
- 少し足を伸ばし、山や森、川や海など自然に触れることも良いリフレッシュに
- マイナスイオンを浴びたり、自然の音を感じたりすることでストレスを軽減できる
- 忙しくて出かける時間がないけれど自然が好き、という人は花を飾るだけでもOK
- 旅行に出かける
- 知らない土地に出かけて非日常を体験することは、心身のリフレッシュになる
- 休日に家族や仲の良い友人と一緒に出かけることはもちろん、一人旅もOK
- 計画を立てる段階からわくわくした気分になれるので、いい気分転換になる
- マッサージを受ける
- 筋肉の緊張をほぐすためには、リラクゼーションもおすすめ
- 全身の筋肉や神経の緊張をほぐしてもらえば、良いリラックスやリフレッシュに
- 好きな香りのオイルなどでセルフマッサージもおすすめ
以下のようにいつもの生活習慣を少し丁寧に行い、じっくりセルフケアに努めるのも良いでしょう。
- 美味しいものを食べる
- 友人と食事に行く、普段は行かないようなお店に足を運ぶなどもリフレッシュにおすすめ
- 料理が得意な人や好きな人は、家でいつもと違う料理やお菓子にチャレンジするのも良い
- 家族や友人に振る舞い、楽しく話しながら食事するのも気分転換に
- お風呂にゆっくりつかる
- 忙しいとついついシャワーで済ませてしまいがちだが、湯船にゆっくりつかる時間は重要
- ぬるめのお湯につかって半身浴をすると、心身ともにスッキリできる
- 好みの香りの入浴剤を使ったり、湯船の中でマッサージしたりするとより効果的
- たまには温泉や銭湯に出かけるのも、良い気分転換になる
- しっかり睡眠をとる
- 寝る前のPCやスマホのブルーライトは体内時計が狂ってしまい、自律神経にも悪影響なので控える
- アロマの香りやゆったりした音楽などでリラックスできる空間を作り、質の良い睡眠をとろう
- 疲れを翌日に持ち越さないよう、自分に合った快適な寝具を揃えるのもおすすめ
好きな音楽を聴くというのも立派なリフレッシュ方法です。音楽を聴くと脳や自律神経が反応して、高揚感や幸福感が高まったときに出る「ドーパミン」という脳内物質が増えます。すると、ストレス軽減やリフレッシュにつながるのです。盛り上がる元気な曲でテンションを上げたり、静かな落ち着いた曲でリラックスしたりと、その時の気分によって選びましょう。
作業効率を高めるおすすめのリフレッシュ方法は?
作業効率を高めるためにリフレッシュをはかるときは、プロジェクトなどで期間が長期にわたる場合と、テスト前の一夜漬けなど短期間の場合でそれぞれ方法が異なります。詳しく見ていきましょう。
長期間、集中して作業を行うときのリフレッシュ方法
長期間のプロジェクトに取り組むときや、受験に向けて勉強を始めるときなどは長期にわたるノルマ達成の計画が必要です。そんなときは、期間中に何度か適度な息抜きの時間を取り入れていきましょう。最初にどんなにやる気があっても、長期間ずっと同じことに向き合っているとどうしてもやる気が失われてしまったり、効率が下がってしまったりするのは仕方のないことです。以下のようなリフレッシュ方法を適度に取り入れ、時々やる気を復活させましょう。
- 勉強や仕事のことを考えない日を作る
- 期間が長期にわたるときは、息抜きの日をコンスタントに組み入れることが重要
- 例えば、1週間のうち日曜日だけは絶対に作業をしない、と決めてその日は好きなことをして過ごすなど
- 惰性で作業をしてしまうのは、全くリフレッシュにならないのでNG
- 楽しく遊んだり、身体をしっかり休めたりするリフレッシュの日と決めておく
- カフェや公園など、環境を整える
- いつも同じ場所で仕事や勉強をしていると、息が詰まるような感じがしてしまうことも
- 最低限の道具だけ持って、喫茶店・カフェ・図書館など自分が集中できそうなところで作業を行うのもおすすめ
- 場所を探している道中も息抜きになるし、環境を変えることで新鮮な気持ちになれる
- ただし、店舗によっては長時間の作業を断っている場合もありますので、勉強や仕事をしても良い店舗かどうかをあらかじめ確認しておく
- 作業する時間を明確に決める
- 時間割が明確に決まっていた学校のように、自分で勉強や仕事の時間割を作る
- 集中力が途切れるまで続けてしまうと、反動で翌日に全くやる気が出なくなってしまうことも
- 時間割の中には、息抜きの時間を取り入れて適度にリフレッシュを
勉強や仕事の時間を明確に決めることは、毎日コンスタントに作業を続けていく上で非常に重要なことです。昼の休憩をとる、夜は6時までしか作業をしない、など、必ずリフレッシュの時間を設けましょう。この時間になれば休める、という意識が生まれ、作業のモチベーションもぐっと高まる効果が期待できます。
短期間、集中して作業を行うときのリフレッシュ方法
テストの一夜漬けが代表的ですが、他にも突然の会議の資料作りをしなくてはならない場合など、時には非常に短期間で集中して何時間も作業を行わなくてはならない場合があります。そんな時は「時間との戦い」という意識になってしまい、息抜きの時間がもったいないと思ってしまいがちですが、こんなときこそまさに上手な心身のリフレッシュが欠かせません。
このような短期集中のときには、ごく短い時間の息抜きがおすすめです。リフレッシュタイムは5〜10分程度とし、決してだらだらと休み続けないようにしましょう。
- 視界と思考をシャットダウンする
- 脳をフル稼働して集中していると、すべての感覚がいつもより研ぎ澄まされる
- 外部からの刺激が増え、脳のキャパシティが限界を迎えてしまうことがある
- 頑張っても考えがまとまらない、支離滅裂な思考になっている、と思ったら感覚をシャットダウンし、脳を圧迫している余計なデータを一度クリアにすることが重要
- 視覚から認識する情報は脳を強く刺激し、処理に大きなエネルギーを使う
- 目を閉じて視覚に入るものを遮断するだけでも、脳を十分休ませる効果がある
- 目をつぶると脳波が「α波」というリラックス時に出るものに変化するので、特別な準備は必要ない
- おやつを食べ、糖質を補給する
- 集中力が切れたな、と感じたときには甘いお菓子を少し食べるとよい
- お菓子に含まれるブドウ糖が血糖値を上げ、疲れていた脳を活性化させてくれる
- 甘いものを食べると頭が冴える、疲れがとれるとされるのはこうした働きによるもの
- ものを食べるときは作業場所から離れることが多いので、気分転換にもなる
また、どうしても疲れや眠気がとれないというときには、15〜30分間の超短時間仮眠をとって脳を休めると心身ともにスッキリして再び作業にとりかかれる場合が多いです。ただし、このとき布団に入って寝てしまうと身体が本格的な睡眠に入ってしまい、30分経ってもスッキリと起きられなくなってしまいますので、ソファや椅子にもたれて明かりをつけたまま休みましょう。仮眠の直前にカフェインを摂取しておくと、目覚めの時間とカフェインの作用が現れる時間が重なるので、よりスッキリ目覚められます。
さらに、息抜きをする間隔や息抜き前後の作業ペースなども少し工夫すると、より作業効率をアップしやすくなります。以下のようなことにも少し気をつけてみましょう。
- 90分間隔で作業を区切る
- 高い生産性を維持できる集中力が続くのは、90分が限界とされる
- 90分単位で作業を区切り、間に10分の休憩を挟むというサイクルがおすすめ
- 休むべきときに休み、効率よく動けるときに動くという良いリズムが身につく
- わざと中途半端な状態で作業を切り上げておく
- 休憩時間にさしかかるときは、わざときりの悪いところで作業を中断させておく
- 息抜き後、最初に行う作業を息抜き前の反復にでき、集中力の持続につながる
- 勉強なら「章の最後の段落を残す」、仕事なら「書類の最後の1ページを残す」など
これらは、いずれも人間の集中力の仕組みに着目した効率的なリフレッシュのコツです。集中力がちょうど途切れるときに短い休憩を挟むような作業サイクルにすれば、効率的なリズムを身体で覚えられます。
また、作業を始めて15分間継続できれば自然と集中力を持続できるとされています。この15分に休憩前の見直しと手直しといった簡単な作業をあてれば、15分間の継続もしやすくなり、その次の新しいノルマにもスムーズに取り掛かりやすくなるでしょう。
最近話題のリフレッシュ休暇、おすすめの過ごし方は?
リフレッシュ休暇とは、社員が心身の疲労回復をはかることを目的に、会社から有給休暇とは別に与えられる休暇のことです。法律で定められた休暇ではありませんので、すべての企業が導入しているわけではありませんが、近年ではリフレッシュ休暇を導入する企業が増えています。日数や対象の社員などは各企業が独自に決めていて、勤続年数に応じて節目の年にまとまった休暇を取れるよう、日数を決めるケースが多いようです。
リフレッシュ休暇の過ごし方はさまざまですが、やはり思いきって普段はできていないことや、やりたかったことを行うのが良いでしょう。心身のリフレッシュをはかるのに最もおすすめなのは、旅行などに行くことです。企業によっては1週間くらいのリフレッシュ休暇を設けているところもあり、海外旅行などに行く人も多いようです。
特に、普段はお盆休みや年末年始など混み合う時期にしか旅行ができなかったという人でも、リフレッシュ休暇を使えば閑散期にゆっくり出かけられますので、心身の疲労回復にぴったりです。さまざまな条件はあるものの、リフレッシュ休暇を利用して旅行に行く社員には補助金を支給する企業もありますので、制度があるならぜひ利用してみましょう。
逆に、心ゆくまで一人の時間を満喫するのもおすすめのリフレッシュ方法です。目覚まし時計をかけない、ベッドの中でゆっくりと過ごす、など何もしないというのも立派なリフレッシュになります。この機会に、見たかった映画やドラマなどをじっくり鑑賞するのも良いでしょう。普段できていない趣味があるなら、心ゆくまで没頭して楽しむのがおすすめです。
普段、家族や恋人との時間が取れずストレスを感じている、という人なら、ぜひ予定を合わせて楽しく過ごしましょう。自宅でゆっくり過ごすのも、旅行に行くのも、遠方の実家に帰省するのもおすすめです。普段なかなか会えない人に会うというのも、心身のリフレッシュと気分転換には良い方法です。
また、普段は業務が忙しくてスキルアップのための勉強ができていない、という人なら、資格取得などの勉強にあてても良いでしょう。まとまった時間がとれるので、前述のような効率的な時間の使い方で勉強ができます。ただし、リフレッシュ休暇はあくまでも心身の疲労回復が主目的なので、勉強のしすぎでかえって疲れてしまった、ということのないよう気をつけましょう。
おわりに:疲れやストレスを適度にリフレッシュし、作業効率をアップしよう
人間は脳や身体を使って仕事や勉強を行う以上、どうしても作業をしていると疲れやストレスが溜まっていき、作業効率も落ちてしまうものです。そこで息抜きしてリフレッシュすれば、作業効率を取り戻すことができます。
長期間集中するときはスケジュール管理や特定のリフレッシュ日が、徹夜などの場合は作業サイクルと短い息抜きが重要です。近年では息抜きの重要性が見直され、リフレッシュ休暇を取り入れる企業も増えています。
コメント