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保育士のストレスの原因とうつ病になる前にできる対策とは

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ストレス
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どのような仕事であっても、多かれ少なかれストレスは存在するものです。中でも、保育士さんは言葉のやりとりもままならない幼児を相手にする職業であること、保護者との信頼関係など、ストレスが溜まりやすいと言われています。

そこで、保育士に多いストレスの原因や、ストレスチェックの方法についてご紹介します。ストレスが溜まっていると感じている方は、ぜひチェックしてください。

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保育士に多いストレスの原因は?

保育士は業務の性質上、他者に対する配慮や献身的な関わりを求められ、それに伴って仕事量が増加するわりに給与が見合わないことも多く、さらには職場や保護者との人間関係などが積み重なって慢性的なストレスが溜まりやすいとされています。もともと責任感が強い人などは、バーンアウト(燃え尽き症候群)を発症するケースも少なくありません

人手不足の影響で仕事に余裕がもてなかったり、周囲の期待や羨望ばかりが高すぎたりすることで、無理をしている自分に気づきにくいのもよりバーンアウトを発症しやすい原因の一つと考えられています。バーンアウトにつながるストレスを大きく分けると、主に「人間関係」「仕事量の多さ、長時間労働」「保護者対応」「園の方針に合わない」「給与が低い」という5つに分けられます。それぞれのストレスについて、詳しく見ていきましょう。

保育士のストレス①:人間関係

保育士資格があるにも関わらず、現在保育士として働いていない人は全国に80万人以上もいるとされています。保育の現場は常に人手不足とされていて、保育の仕事にやりがいを感じる人も少なくない中、保育の現場を離れてしまった理由として最も多いものが「人間関係」なのです。これは、保育士の離職理由全体の約1/4を占めるという調査結果が報告されています。

男性保育士も徐々に増え始めているものの、まだまだ女性が大半を占める保育士の現場では、閉鎖的な空間であるがゆえの派閥や陰口などウェットな人間関係も多く見られるようです。繁忙期や忙しい職場ではどうしても口調が強くなってしまうことや、無視されたと勘違いしてしまうことも多く、そうしたちょっとしたすれ違いが嫌味やいじめに発展することもあります。

保育士の職場は一般的な企業と異なり、年齢や経験年数がバラバラです。そのため、人によって保育観が異なることも多いのですが、自己主張が強い人の意見や価値観が優先されることも多いため、同僚との距離の置き方や接し方を意識するあまり本来の業務である保育に集中できないケースもあります。機嫌に波がある人もいるため、業務外の人間関係で神経をすり減らし、ストレスを溜めてしまうことも少なくありません。

保育士のストレス②:仕事量の多さ、長時間労働

保育士の仕事は、単純に子どもを見守るだけではありません。日案・週案・月案や年間計画などのカリキュラムを始め、児童票、誕生会やクラス懇談会の計画、個人指導案や記録、グループ作りのための割表、クラスや園だよりの作成、保護者との連絡帳、イベント行事の準備など、非常に多岐にわたる事務作業をこなさなくてはならないのです。

元気いっぱいの子どもたちと一緒に遊び、走り回った後や合間にこうした事務作業を行うため、まず勤務時間内にすべてが終わることはありません。たいていの保育士はサービス残業をしたり、持ち帰り作業をしたりしてなんとか終わらせているのが実情です。当然、その分心身にかかってくるストレスは増えていきます。

「今日は疲れたから、書類は明日まとめてやろう」などと先延ばしにした結果、繁忙期に業務が集中してのっぴきならない事態に陥ることもあります。近年では保護者からの要望に応えようと早朝保育・夜間保育・日曜保育など時間外保育を行う施設も増えてきていますが、当然ながら保育士の負担はどんどん増加していきます。

精神的なストレスだけでなく、増加する勤務時間や仕事量によって睡眠不足に陥り、身体の疲れがとれず、休日にもリフレッシュできないままストレスを溜め続けてしまうという保育士は少なくありません。

保育士のストレス③:保護者対応

日々の保育と同様、保護者に対して子育て支援をすることも保育士にとって重要な業務の一つです。保護者に共感的に寄り添い、信頼関係を構築しなくてはなりませんが、これを実践するのは非常に難しく、心理的圧迫や脅威を感じる保育士も多いです。

そもそも、保護者と保育士が見ている子どもの姿は違います。例えば、親の前では良い子にしていても保育園に来るとわがままになる子などは、保護者にいくら注意を促そうとしても、保育士の言うことをなかなか信じてもらえないこともあります。こうした立場や状況の違いが保育士と保護者の間に齟齬を生み、保育士のストレスになってしまうのです。

さらに、保護者同士のトラブルや園へのクレームが入ることもあります。これらはすぐに解決することが難しく、対応の仕方を間違えると大きなトラブルに発展してしまうこともありますので、粘り強くきめ細かな配慮が求められます。しかし当然、そのために保育士の神経が余計にすり減ってしまうことにもなります。

極端な例ですが、おむつ替えや朝ごはんまで保育園に任せきりな親、園で貸し出したものをそのまま子どものものにしてしまう親などもいるようです。園の業務に含まれないことを行わない、ルールを守ってもらうなどは本来、当たり前のことですが、各家庭の実態にどこまで踏み込むべきなのか迷ってしまう保育士も多く、注意できないことが強いストレスになってしまいます。

保育士のストレス④:園の方針と合わない

保育園の掲げる方針に共感し、入職したとしても、実際に現場までその理念が浸透しているかどうかは働いてみないとわかりません。もちろん、理念や方針を100%現場で実践するのは難しいかもしれませんが、現場で実際に行われている保育が明らかに自分の求めていた理想の保育とかけ離れすぎていた場合、納得するのにも時間がかかり、理想と現実のギャップが大きなストレスになってしまいます。

こうしたストレスは真剣に保育に取り組む真面目な保育士ほど感じてしまいやすく、考え方のズレが葛藤になり、仕事へのモチベーションも下がってしまいやすくなります。子どもへの接し方、育て方は世代によっても考え方が異なるため、年齢や経験がバラバラな保育園では特にこうしたストレスが生まれやすいようです。

保育士のストレス⑤:給与が低い、その他待遇面が悪い

ここまでご紹介したように、保育士は他の業種と比べても求められる仕事量や献身的な姿勢、ひいては預かる子どもの命に対する責任なども桁違いに重い仕事です。それにも関わらず、給与面などの待遇は他の業種と比べて悪いと言わざるを得ません。いくら保育士の仕事にやりがいを感じ、子どもを可愛く思っていたとしても、業務内容と待遇面に激しいギャップがあれば、もっと割に合う仕事がしたいと思ってしまうのも無理はないでしょう。

特に、公立保育所の公務員保育士であれば一定以上の水準の給与がもらえますが、私立保育園や認可外保育所では職場によって大きなばらつきがあります。中には、残業手当・休日手当・研修手当・早番や遅番の手当といった基本的な待遇もつかず、生活をするのも厳しいという保育士もいるのです。

マズローの「欲求五段階説」においても、給与など自分の生活を安全で豊かなものにしたいという欲求は、最低限の食欲など生理的現象を満たす欲求の次に満たしたい、と思うほどに人生において優先度が高い欲求なのです。生活をするのも厳しい状況では当然、貯蓄などもできませんので、将来に対する不安などもストレスとしてのしかかってきます。

保育士もうつ病が多い!?早めのストレスチェックを!

上記のように、保育士は多大なストレスを抱えやすい職業と言えます。業務量の多さや長時間労働による肉体的なストレスはもちろんのこと、大切な乳幼児期の子どもを預かる重圧、保護者や同僚との人間関係などの精神的なストレスも保育士には重くのしかかってきます。そのため、保育士はストレスによるうつ病などを発症するリスクも高いと考えられています。

また、このような状況下でも保育士を目指すという人は、そもそも真面目で優しく責任感も強いという人が多いことから、うつ病になりやすい性格傾向を持っているとも言えるでしょう。そこで、ストレスを感じているかどうか簡単に確認できる以下のストレスチェックリストを試してみてください。特に、ストレスを自覚している人はぜひ行いましょう。

身体

  • よく眠れない、寝つけない、早朝に目が覚めてしまう
  • 食欲がない
  • 胃が痛い、吐き気がする
  • たびたび頭痛がする
  • 心臓がバクバクする、息苦しい
  • 日中にフラフラする、めまいが起こる
  • 汗がどっと出たり、急なほてりを感じたりする
  • 理由もなく突然涙があふれ、止まらなくなる

  • 休日に出かける気になれない、何をする気にもなれない
  • 上司や同僚の目ばかりが気になってしまう
  • 出勤前は気が重い
  • お洒落や買い物に興味がなくなってきた
  • 子どもを可愛いと思えなくなってきた

こうしたストレスチェックは、従業員50人以上の企業に関しては原則として義務付けられているのですが、職員が50人を超える規模の保育園は極めて珍しいことから、多くの保育園で導入されていないのが現状です。そのため、高いストレス状態にあってもなかなか気づけない保育士も多いと考えられます。

上記のストレスチェックに多く当てはまる場合は、心身のストレスが溜まっていて、身体や心がSOSを出している状態です。放置したり、自分でなんとかしようと無理したりしないようにしましょう。自己判断で頑張り続けてしまった結果、うつ病を発症してしまい、職場復帰ができなくなってしまう人もいます。できるだけ早く、専門の医療機関に相談しましょう。

ストレスはたまりきる前に相談することが大切

ストレスが溜まり続けるとうつ病を発症してしまうことがある、という事実はだんだんと広く知られるようになってきましたが、まだまだうつ病は「気の持ちよう」と思っている人も少なくありません。精神的なストレスが強くかかると発症リスクが高まることからそう思われてしまいがちですが、うつ病は脳内の神経伝達物質が減少してしまうために起こる「脳の病」であることが解明されてきています。つまり、気の持ちようではどうにもなりません。

うつ病を発症してしまったら必ず治療が必要ですから、眠れない、気持ちが落ち込むなどの症状が続くという場合は、一人で悩まず家族や友人、職場の同僚など周囲の人に相談してみましょう。誰かに聞いてもらうことで気持ちが軽くなるかもしれませんし、解決策が見つかるかもしれません。

また、このとき職場を退職するなど重要な決断を一人で行ってはいけません。うつ病は、正常な判断力に欠けることも重大な症状の一つです。心身ともに余裕がなく、退職を考えてしまうときにはまず信頼できる同僚や先輩、友人、家族などに感じている不安や悩みを率直に相談し、共感的に受け止めてもらったり、意見やアドバイスをもらったりしましょう。

うつ病に気づかなかったり、治療せず放置したりしてしまうと徐々に症状が悪化し、重症化してしまうこともあります。症状が2週間以上改善されない場合は、専門の医療機関を受診しましょう。場合によっては、休息することも必要かもしれません。真面目で責任感が強い人ほど年度の途中で休むことに強い罪悪感を感じてしまうのですが、子ども達の先生は誰かが代わりにできても、自分の人生の代わりは誰もできないのです。

しかも、うつ病は気分が落ち込むだけの病気ではありません。身体にも症状が出た場合、職場復帰ができなくなってしまう可能性もあります。そうなる前にしっかり休息して自分が元気になることを最優先に考えましょう。どの程度休むかは症状の程度を見ながら医師と相談し、職場の上司に現状を伝えて決めます。

この過程に少し労力がいるのですが、うつ病で職場を退職しなければならないということはありませんので、退職などの言葉は伝えず、あくまでも医師の診断書と必要なお休みの申請をしましょう。うつ病になりやすい真面目で責任感が強い人ほど仕事を休むことは悪いことだと考えてしまいがちですが、必要な休息であり、労働者の権利でもあります。休むことは必要なことだと、まずは自分でもしっかり理解しましょう。

休職にあたって気をつけることは?

実際にお休みを申請することになったら、有給休暇や病気療養のための欠勤、休職、その間の傷病手当金などについて、今後のことを職場の上司に確認しておきましょう。労働者が病気になって休みをもらう場合、その間の給与支払いや傷病手当金の申請などは職場によって少しずつ異なります。特に、小さな保育園ではきちんとした社則がない場合もありますので、必ず確認しましょう。

身体も心も辛いときにはこうした確認作業や手続きも辛いでしょうが、使える制度は最大限に利用し、生活に困らないようにすることも大切です。自分で行うのが難しいなら、両親や代理人にお願いするのも良いでしょう。

また、短期のお休みで職場に復帰した場合、休職前と全く同じ生活をしてしまうとうつ病が再発してしまう可能性があります。責任感の強い人ほど、休んだのだからまた頑張らなくてはと思ってしまいがちですが、再発しては元も子もありません。うつ病や体調不良を繰り返してしまうのであれば、常勤という形にこだわらず非常勤やアルバイトなど、しばらく雇用形態を変えてもらうのも良いでしょう。

退職してしまうとなかなか復職が難しくなったり、気持ちが辛くなったりしてしまう人も多いので、まずはパートタイム勤務や時間帯を変える、医師や上司と相談しながら業務量を調整してもらうなどで働き方を見直してみるのがおすすめです。フルタイムから時間帯を変えるだけでも心身の疲れや人間関係のストレスが軽減されることもありますので、退職を早まらないようにしましょう。

とはいえ、どうしても症状が改善しない、仕事に強い苦痛を感じるなどで限界を迎えてしまった場合は退職も選択肢に入れましょう。もちろん、退職しても罪悪感を持ったり、働けないことに焦ったりする必要はありません。自分の心と身体を最優先に、きちんと治療を受けて自分のペースで少しずつ回復していきましょう

退職した後は、保育士に復職する場合すぐに同じような保育園で働くのではなく、院内保育園や小規模乳児保育園など、行事が少ない保育園や小規模の保育園といったように働く場所を変えてみるのもストレスを減らす一つの方法です。また、保育園でなくても保育士の資格を活かして働ける場所もありますので、最初はなるべく自分にとってストレスが少ない場所から復帰すると良いでしょう。

うつ病になる前に、予防できる対策とは?

最後に、ストレスを感じ始めたときにできる対策として以下の4つのポイントを挙げておきます。ぜひ、できることやしたいことから始めてみましょう。

好きなことをする
好きな食べ物を食べる、映画を見る、動物に触れる、カラオケに行くなど
部屋の模様替え、運動など気持ちよく気分転換できることもおすすめ
少しの時間でも、心がリラックスしてストレスが溜まりすぎるのを防げる
仕事とプライベートの境界線をしっかりつける
仕事とプライベートの切り替えが苦手な人ほど、ストレスを溜め込みやすい
オンオフにきっちり境界線をつけ、割り切ることで仕事に過剰にのめりこんだり、精神的な疲労を軽減したりできる
「今日の仕事は今日中に」を心がけ、事務作業などを後回しにしないスケジュール管理が重要
自分の苦手を知り、知識やスキルを習得する
コミュニケーションが苦手なら、職員や保護者との会話を避けるのではなく「自分とは異なる意見や考え方を学ぶ機会」と考える
初めは緊張するかもしれないが、成功体験が増えることで「努力すれば変われる」と自信を持てる
できないこと、苦手なことが減るとストレスも減る
マインドフルネスで「今」に集中する
マインドフルネスとは、心の集中や瞑想をベースとしたエクササイズ
将来のことを心配したり、過去のことで悩んだりしすぎないよう「今、この瞬間」に集中する
自分の内側の状態を明確に判断し、理解することでストレスフルな状況にも落ち着いて対処できる

ストレスを感じているものの、まだうつ病と考えられる状態ではない、上記のストレスチェックで当てはまる項目があるが少ない、という場合はこうした対策でも改善できる場合があります。ぜひ、ストレスを溜め込みすぎてうつ病などを発症してしまう前に、これらの対策を行いましょう。

おわりに:保育士はストレスフルでうつ病リスクも高い。チェックなど対策を

保育士は、人間関係や長時間労働、待遇面などなにかとストレスを溜めやすい職業だとされています。しかも、ストレスチェックが義務づけられる50人には満たない職場も少なくありません。そのため、高ストレス状態に無自覚な保育士も多いのです。

定期的にセルフチェックしたり、ストレスを感じたら周囲の人や専門の医療機関に相談したりすることも大切です。また、適度に発散してストレスを溜めないような対策もぜひ行いましょう。

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