ストレスが口内炎を引き起こすのはなぜ?どうやって対処すればいいの?

ストレス

体調が悪くなったり、精神的・肉体的に疲労が溜まったりすると口内炎を発症する人は多いです。口内炎が起こると不調のバロメーターにしている人も多いですが、なぜ精神的・肉体的な不調が口内炎につながるのでしょうか。

今回は、精神的なストレスが口内炎を引き起こす場合を始め、口内炎が起こるさまざまな原因、対処や予防法、病院を受診すべき場合などについてご紹介します。

口内炎の原因は?ストレスはどう関係しているの?

口内炎の直接的な原因は、加齢やドライマウスによる唾液の減少、特定の菌の繁殖や傷からの感染、合成界面活性剤が挙げられます。

唾液の減少
唾液は、汚れを洗い流して抗菌作用をもたらし、粘膜の保護や修復を行う
唾液が減って口内が乾燥すると、口内炎になりやすくなる
歯磨きや食事、頬を噛むなどで口内に傷ができたとき、唾液の分泌が少ないと細菌を洗い流せず、増殖してしまう
加齢とともに唾液腺の機能や周辺の筋力が低下し、唾液の分泌量が減る
舌の痛みや口内炎が発症しやすくなる
感染症
口内には無数の常在菌や微生物が存在し、互いに牽制しつつバランスを保っている
さまざまな要因でバランスを崩すと、口内環境が変化し、特定の菌が繁殖して腫瘍性の口内炎ができることも
歯磨きや間違って頬の内側を噛んだり、入れ歯や矯正器具でちょっとした傷ができたりしても感染して炎症を起こしやすくなる
細菌だけでなく、ウイルス感染による口内炎も。特に夏場になると活発になるウイルスは、感染すると強い痛みや高熱が生じるものも
口は外気と接するため、細菌やウイルスの影響を受けやすい器官
合成界面活性剤
歯磨き粉に含まれる合成界面活性剤などの成分で刺激を受け、口内炎を起こすことも
他の原因が思い当たらないときは、自然素材など優しい成分を選ぶとよい

このように、口内炎が起こる直接的な原因として細菌・ウイルスなどの感染や唾液の分泌減少がありますが、細菌・ウイルスなどに感染してしまう理由として、免疫力の低下が挙げられます。免疫力が低下するのはストレスのほか、栄養バランスや生活習慣の乱れによると考えられますが、栄養バランスや生活習慣の乱れは口内の粘膜が弱まることにもつながります。

ストレスや栄養バランスの乱れで免疫力が低下するの?

心身のストレスが溜まると、免疫細胞である白血球などの働きが弱まり、免疫力が低下してしまうことが良く知られています。また、口の中の粘膜は代謝を繰り返して常に新しく生まれ変わることで健康を保っていますが、疲れや睡眠不足などが続くと代謝が滞りがちになり、粘膜の再生力が低下して荒れやただれなどが現れてしまいます。

さらに、心身の疲れはビタミンB群をどんどん消費してしまいます。ビタミンB2は粘膜の健康に関わっていますが、摂取した栄養をエネルギーに変換するためにも消費されてしまいますので、疲れているときはまずエネルギーの産生が優先され、粘膜に回す分が足りなくなってしまうのです。風邪などにかかったときもビタミンB2は激しく消費されてしまいます。

忙しい生活で食事が不規則になり、栄養バランスが崩れるとすぐ口内炎ができてしまう、という人は多いのですが、特にビタミンB2が不足すると口内炎のほか、唇のひび割れなどが起こることもあります。また、ビタミンB1やB6は、神経組織や免疫機能に影響する栄養素で、ストレスを受けると必要量が増え、不足してしまいます。

ビタミンB6は免疫のビタミンとも呼ばれ、これが不足するとさらに細菌やウイルスの影響を受けやすくなってしまいます。ビタミンB群には相互作用があることもわかっているため、まとめて摂取する方が効果的です。栄養バランスの整った食生活を心がけるとともに、ビタミンB群を積極的に摂取し、上手なストレス発散方法を身につけましょう。

また、風邪などの病気に伴う投薬によって口内炎ができることも少なくありません。これは、抗生物質などを服用することで口内の細菌や微生物のバランスが崩れてしまったり、ビタミンB2やB6の不足を招いたりすることが原因です。

他にも、口呼吸や喫煙、ストレス、疾患や投薬がドライマウスという唾液の減少を招いてしまい、口内炎を引き起こしやすくなる場合もあります。頬の内側の粘膜や舌がねばついたり、へばりついたりする感じがあったときは、口内の乾燥や口内炎に注意しましょう。

口内炎は種類によって原因が違うの?

一口に口内炎と言っても、その原因によって種類が異なります。代表的な5つの口内炎について、原因や特徴、症状を見ていきましょう。

アフタ性口内炎ってどんな口内炎?

アフタ性口内炎とは、口の中の粘膜にできる境界線がはっきりした小さな腫瘍です。表面が白か黄色の膜で覆われ、周囲が赤くなった状態を「アフタ」と呼びます。この「アフタ」が多発して周辺に粘膜炎を伴っているのがアフタ性口内炎で、もっとも多く見られる口内炎とされています。頬の内側、舌、唇の裏、歯茎などにできやすく、痛みがあり、食べ物が染みます。

白っぽい浅いくぼみのある潰瘍で、通常は1〜2週間程度で自然に治り、傷跡も残らないケースがほとんどですが、繰り返し発生する場合は「再発性アフタ性口内炎」と呼ばれることもあります。

アフタ性口内炎の原因はさまざまですが、大きな原因は免疫力の低下とされています。栄養不足、ストレスや寝不足など生活習慣の乱れが免疫力を低下させることで発症しやすい状態になり、その状態で口の中に傷ができると細菌やウイルスに感染し、悪化してしまいます。

女性の場合、ホルモンバランスが乱れて体力を消耗しやすい月経前や妊娠期にもアフタ性口内炎を発症しやすくなります。他にも、ベーチェット病や潰瘍性大腸炎など、全身の疾患が原因となって発症することもあります。

カタル性口内炎ってどんな口内炎?

カタル性口内炎とは、口の中の粘膜に赤い炎症や斑点、水疱、ひび割れなどの症状が見られるもので、主に物理的な刺激によって発生します。炎症が強い場合は表面が白く濁り、唾液が粘っこくなったり、口臭が気になったりすることも増えます。刺激の強い食べ物に染みたり、ヒリヒリとした痛みを感じやすくなったりするのも大きな特徴です。

唾液の分泌量は増えるものの、腫れによって味覚が鈍ってしまい、食事が美味しく感じられなくなることもあります。はっきりとした腫瘍があるのではなく、全体的に赤く腫れて熱を持ち、口の中が荒れた状態になることから、患者さん自身が口内炎だとは気づいていない場合も多いです。

疲れや免疫力の低下、風邪など健康状態が悪化したときに発症しやすくなり、そこに入れ歯や矯正器具、熱い食べ物などの物理的な刺激が加わると傷ができて細菌が繁殖することで発症します。虫歯や歯周病、歯槽膿漏などの疾患、過度の喫煙、ビタミン欠乏、胃腸の調子などによって、口内の衛生状態が悪化して発症することもあります。

ヘルペス性口内炎ってどんな口内炎?

ヘルペス性口内炎とは、名前のとおりヘルペスウイルスに感染することで発症する口内炎です。舌・唇・歯茎のほか、唇の外側や喉に近い粘膜など、至るところに現れてくることもあります。感染した場合、一定の潜伏期間を経て発疹や高熱、リンパの腫れなどの症状が出た後、しばらくして小さな水疱が複数でき、赤く腫れて痛みを感じ始め、水疱が破れると腫瘍になります。

生後6ヶ月〜3歳くらいの乳幼児がかかりやすく、高熱と痛みを伴う重篤な症状に至ることもあります。口内炎が完治してもヘルペスウイルスは体内に潜伏しているため、大人になった後も疲れや体調不良で免疫力が低下した際にまたヘルペスウイルスが勢力を取り戻し、再発することが多いとされています。

ヘルペスウイルスは人から人へ、モノから人へと感染するため、再発した大人や感染した子どもからうつると感染します。手をつないだり、子どもにキスしたりといった直接の触れ合いはもちろん、感染者が顔や口を拭いたタオル、食事をした食器から感染することもあります。食べかけの食事や飲み物を分けるのも注意が必要です。

カンジダ性口内炎ってどんな口内炎?

カンジダ性口内炎とは、口腔カンジダ症とも呼ばれる感染症で、口の中でカンジダというカビ(真菌)が過剰に増えることで発症します。粘膜上に白い膜ができる「偽膜性カンジダ症」、粘膜の表面が赤くなる「萎縮性カンジダ症」、慢性化して粘膜の表面が厚くなる「肥厚性カンジダ症」などの症例が見られます。

もっとも多く見られるのは「偽膜性カンジダ症」で、白い苔のようなものが頬の内側や口蓋(口の中の天井にあたる部分)、舌などに点状、線状、斑紋状に付着し、剥がすと赤く腫れたり出血したりします。放置すると口全体に広がっていき、大人だけでなく乳幼児に発症する場合もあります。

口の中に違和感を感じたり、舌が痺れたり、味覚の異常を感じることもありますが、剥がさない限り痛みを感じることはほとんどないとされています。場合によっては炎症を起こしたり、痛みを伴うようになったりするなど、途中で症状が変化する場合もあることも知られています。

カンジダ真菌はもともと口内に存在している常在菌の一種であり、人間が健康な状態であれば悪さをせずおとなしくしているのですが、糖尿病や血液の疾患、がんなどを発症していたり、乳幼児・高齢者・妊娠中など体力や免疫力が弱かったりするとカンジダ真菌が勢力を広げ、口内炎を引き起こすことがあります。

他にも、ステロイド剤や抗生物質などを長期間服用していると、同様に口内の常在菌のバランスが崩れ、カンジダ真菌が過剰に増殖することで口内炎を引き起こす場合もあります。

ニコチン性口内炎ってどんな口内炎?

ニコチン性口内炎も、名前のとおりニコチンが原因となっている口内炎で、ヘビースモーカーはもちろん、日常的に喫煙している人は注意が必要です。長期にわたって喫煙を続けるうち、口内の粘膜の特に上部に赤く発疹ができた後、だんだん白っぽく、分厚くなるため「口蓋ニコチン性白色角化症」と呼ばれることもあります。

痛みは強くないため自覚症状はほとんどないケースが多いものの、食べ物が染みることもあり、ときどき炎症部分が痛んだりすることもあります。さらに近年では、この口内炎からがんに進行するリスクも指摘されています。

もちろん、原因は喫煙なのですが、ニコチンだけでなくタバコに含まれる他の化学物質や熱気による軽い火傷なども口内炎の発症に影響しているのではないかと考えられています。タバコの吸気の熱は口の中を乾燥させますし、喫煙によってビタミンが消費されてしまいますので、より口内炎ができやすい状態になるのです。

口内炎ができたときの対処法と予防対策は?

口内炎ができたときの対処法として、最も大切なのはバランスのとれた食事によって充分な栄養を補給することです。口内炎ができないようにするための予防法も合わせて確認しましょう。

口内炎ができたらバランスの良い食事を摂ろう

最初にご紹介したように、栄養バランスが崩れると口内炎ができやすくなります。つまり、逆に言えば口内炎を防ぐため、できてしまった口内炎を治すためには栄養バランスの整った食事が重要だと考えられます。中でも、ビタミンB群やCが慢性的に不足しやすい人は注意が必要です。以下のような食材を積極的に食事に摂り入れましょう。

ビタミンB1
豚肉、ごま、ほうれん草、豆類、アジ、サバなど
ビタミンB2
レバー、うなぎ、サバ、イワシ、海藻、卵、ブロッコリー、大豆製品など
ビタミンB6
レバー、ささみ、牛乳、チーズ、魚の赤身、じゃがいも、バナナ、大豆製品など
ビタミンC
ピーマン、ブロッコリー、いちご、ケール、レモン、キャベツなど
ビタミンA
レバー、にんじん、ほうれん草、かぼちゃ、卵など

ビタミンB群は粘膜の健康や神経組織、免疫機能などに関連するビタミンなので、一番積極的に摂取したいビタミンです。また、ビタミンCはストレスによる酸化を和らげ、炎症を治りやすくしてくれます。免疫力を高めるビタミンとしては、ビタミンA(β-カロチン)もおすすめです。さらに、ビタミンB群は相互に助け合って働くため、同時に摂取するのが良いでしょう。

逆に、砂糖を多く使っているお菓子や料理や体内のビタミンやミネラルを大量に消費してしまうため、バランスを崩しやすくなりますので控えましょう。口内炎ができている間は、香辛料・酸味や塩気の強い料理・アルコール・炭酸飲料など、刺激の強い食材も避けておいた方が無難です。

口内炎が悪化すると、痛みで食事が進まなくなり、さらに栄養バランスが崩れる悪循環に陥りやすくなりますので、スープやリゾット、おかゆなどのように柔らかくして上手に栄養分を摂取しましょう。ただし、このときも熱すぎたり冷たすぎたりして刺激にならないよう気をつけましょう。

日頃の生活習慣で口内炎予防対策を

口内炎を予防するための対策としては、日頃から生活習慣の中で上手にストレスを解消したり、免疫力をアップしたりしていくのが重要です。好きな音楽を聴いたり、映画を見たり、ウォーキングなどの軽い有酸素運動を行いましょう。忙しくて時間がないときは、座ったままでも伸びや深呼吸を行うとストレス解消になります。

スポーツ選手がリラックスするためにガムを噛むのはよく見られることですが、脳に刺激を与えてリフレッシュできるだけでなく、唾液が出やすくなるので口内環境を整えるのにも役立ちます。ガムが好きな人は、ぜひ適度に噛むと良いでしょう。

また、全身の免疫力アップは口内炎予防だけでなく、健康のために重要です。加齢による細胞の老化から免疫力が低下するのは誰にとっても避けようがない事態ですが、活性酸素による酸化は工夫で軽減できます。他にも、免疫機能を正常に働かせるため、自律神経のバランスを整えることも大切です。

自律神経には、活動を司る交感神経と、リラックスを司る副交感神経の2種類がありますが、交感神経が働きすぎて副交感神経と切り替えにくくなると、免疫に関する細胞が減ってしまいます。就寝前にぬるめのお湯に入る、軽く身体をほぐす、寝る直前にはスマートフォンやパソコンの画面を見ないなど、意識的にリラックスして副交感神経を活性化するのが有効です。適度な休息をとって疲れを溜めないことも重要です。

さらに、そもそも口内を清潔に保ち、細菌やウイルスが繁殖しにくい状態にしておくのも予防法として効果的です。歯垢や歯石などの汚れは細菌やウイルスの温床となってしまいますので、食後にはうがいで口内洗浄したり、歯磨きをしたりして歯垢を取り除いておきましょう。口呼吸などで空気中の細菌を取り込みやすくなっているときも、うがいが効果的です。

歯磨きをするときは、力を入れすぎて口内を傷つけないように気をつけましょう。力を入れるよりは小刻みに動かして丁寧に磨き、歯ブラシが届かないところは歯間ブラシやマウスウォッシュを合わせて使いましょう。入れ歯や矯正器具をつけている場合も菌が繁殖しやすいため、こまめに洗浄します。

それでも頻繁に口内炎ができてしまう場合は、器具などが自分に合っていない可能性もかんがえられますので、早めに歯科医に相談しましょう。歯にトラブルがなくても、定期的に歯科医による口腔ケアを行うのも効果的な予防になります。口の中が乾燥しないよう、食事の際にはよく噛んで唾液の分泌量を増やすことも口内の清潔を保つのに役立ちます。

病院へ行ったほうがいい口内炎の特徴は?

たいていの口内炎は1〜2週間程度で自然に治るため、食事や生活習慣などのセルフケアで充分な場合が多いのですが、中には重篤な疾患が隠れている場合もあります。そのため、以下のような症状が見られる場合は口内炎と侮らず、早めに病院を受診しましょう。

  • 症状が良くならない状態が2週間以上続いている
  • 口の中全体や唇など、炎症が広く進行している
  • 口内炎の周囲が硬くなり、出血している
  • 口内炎だけでなく、発熱や倦怠感などの症状もある
  • 何度も繰り返し口内炎ができやすい
  • 複数の小さな口内炎が、1ヶ所に集中してできている

例えば、一度治っても繰り返し発症する口内炎の場合はベーチェット病、水疱が大量にできる場合は帯状疱疹や手足口病、歯肉がただれたようになっている場合は壊死性潰瘍性口内炎、天疱瘡、白血病や舌がんなどが考えられます。他にも、バセドウ病や大腸炎、糖尿病、尿毒症などから口内炎を発症する場合もありますので、上記のような症状がある場合は自己診断で済まないよう気をつけましょう

おわりに:ストレスで免疫力が低下したり唾液の分泌量が減ったりすると口内炎に

口内炎が起こる直接的な原因は唾液の分泌量低下、細菌やウイルスなどの感染、合成界面活性剤などが挙げられます。特に、免疫力の低下は細菌やウイルスに感染しやすくなりますので、栄養バランスや生活習慣の乱れ、ストレスが大きく関係してきます。

口内炎ができてしまったら、ビタミンB群やC、Aなどを中心にバランスの良い食事を心がけましょう。また、日頃からストレスを上手に解消し、口内を清潔に保つことも重要です。

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