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ストレス解消に役立つ栄養と食べものとは?どうやって食べればいいの?

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ストレス
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ストレス解消のためには、栄養のある食材を食べることも重要です。もちろん、ここで言う「食べる」とは決してやけ食いなどの健康に悪影響を及ぼすようなストレス解消ではなく、バランス良い食生活の上で摂取する栄養素です。

ストレスやイライラ対策のための栄養素や、それを含む食材、脳にリラックスをもたらしてくれる成分などを知り、毎日の食生活に無理なく取り入れていきましょう。

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ストレスやイライラ対策のためにとっておきたい栄養素は??

ストレスやイライラと関係がある栄養素は、主に以下の「カルシウム・マグネシウム・ビタミンB群・ビタミンCやE・タンパク質」の5つです。それぞれの栄養素について、詳しく見ていきましょう。

カルシウムが足りないとイライラすると言われるけれど…

昔から経験則的に知られていたこととして「カルシウムが不足するとイライラしやすい」というものがあります。カルシウムは人体の中で主に骨や歯となっていますが、血液中や細胞中にもわずかながら存在していて、脳神経の興奮を抑えるためにはカルシウムが必要なので、カルシウム不足がイライラの原因と考えられやすいのです。

血液中や細胞中のカルシウムが不足すると、それを補おうと骨の中のカルシウムが溶け出し、細胞内に大量に放出されます。こうした現象から、カルシウムが不足することが過度の興奮状態を引き起こし、気持ちが落ち着かなくなると考えられていました。しかし、近年ではカルシウム不足が直接的にイライラを引き起こすわけではないと指摘されています。

それは、カルシウムが十分に補われている状態なら骨にしっかり保存されたり、余剰分は尿中に廃棄されたりして、常に一定の供給量になるよう管理されていることからもわかります。カルシウムを含んだものを少し食べなかったからといって、すぐにイライラが高まるわけでもありません。

とはいえ、骨から常にカルシウムが流出してばかりでは、骨折などの危険性が高まります。ストレスを感じやすい、カッとなりやすい人は、重篤な疾患につながらないためのリスクマネジメントとしてカルシウムを多く含む食べ物(牛乳・小魚・大豆製品など)とともに、カルシウムの吸収を良くするビタミンDを多く含む食べ物(魚介類・卵類・きのこ類など)や、カルシウムを骨にするビタミンAを多く含む食べ物(緑黄色野菜など)を意識的に摂取するよう心がけましょう。

イライラの原因はマグネシウム不足!?

マグネシウムは、前述のカルシウムと並んで骨や歯の形成に重要な役割を担う栄養素です。神経の伝達を正常に保ち、興奮を抑えてストレスを緩和し、精神状態を安定させる働きがあることも近年わかってきました。骨や歯だけでなく体内に広く存在し、約300種にも及ぶ酵素反応と関係していると考えられています。

体温の調節やエネルギー産生、筋肉の収縮、ホルモン分泌などにもマグネシウムが関わっていますので、マグネシウム不足はイライラや神経過敏などにつながるのです。また、マグネシウムはカルシウムの吸収を高める働きも持っているため、マグネシウムが不足するとカルシウムの不足にもつながってしまいます。

そこで、気持ちを落ち着かせるためにはカルシウムとともにマグネシウムを摂取することを心がけましょう。マグネシウムは牡蠣・ホタテ・納豆・ゴマ・ピーナッツ・ほうれん草などに含まれていますので、魚介類のシチューや納豆と冷奴の和定食、小魚とほうれん草の和え物などを作るとカルシウムとマグネシウムを同時に摂取しやすくおすすめです。

ビタミンB群が足りないと気分に波ができてしまうって本当?

現代は「ストレス社会」と呼ばれるほど、さまざまなストレスを抱えやすい環境にあるとされています。そんな中で暮らす現代人は、「集中力が続かない」「落ち着きがない」といったマイナスの評価を受けることも少なくありません。実は、こうした背景には食生活の乱れによる「ビタミンB群」の不足が関係していると考えられています。

脳はストレスに対処するときにエネルギーを使いますが、脳の栄養源となるのは主にブドウ糖です。このブドウ糖を効率よくエネルギー変換するために、「ビタミンB1・B2・B6」などさまざまなビタミンB群のサポートが必要なのです。ビタミンB群が不足すると、脳がエネルギー切れを起こしやすくなってしまい、集中力や落ち着きがなくなってしまいます。

集中力や落ち着きがなくなると、仕事や生活に支障が出るだけでなく、さらなるストレスが生まれる悪循環に陥ってしまう可能性もあります。また、ビタミンB1はストレスを受けると多く消費されてしまうことから、ストレスを感じやすい人、受けやすい人ほど適宜補給して不足しないようにしなくてはなりません。

ビタミンB1は豚肉などに多く含まれ、ビタミンB2は鶏卵などに多く含まれ、ビタミンB6はバナナやナッツ類などに多く含まれています。これらのビタミンは「群」と呼ばれていることからもわかるように、基本的に単独で働くのではなく、チームで働いて神経系や脳の働きをサポートします。つまり、ビタミンB群は一種類だけでなくまとめて摂取することが重要なのです。

抗ストレスホルモンを作るビタミンC・Eを摂取しよう

ビタミンCは「芽キャベツ・ゴーヤ・パセリ・キウイ・みかん・ブロッコリー・小松菜・ピーマン」などに多く含まれていて、抗ストレスホルモン「コルチゾール」の材料となります。コルチゾールはストレスを感じると分泌される、血圧を上げる、などの作用のため悪者のように感じてしまう人もいるのですが、コルチゾールのおかげで人間はストレスに対抗することができるのです。

一時的に体内の血糖値を増やすのもその作用の一つで、身体がストレスに対抗するための準備を整えてくれるものです。このようにストレスがかかると自動的にコルチゾールが分泌されるため、ストレスを受けるとコルチゾールの材料であるビタミンCは一気に減ってしまいます。ですから、ビタミンCを十分に摂取することを心がけましょう。

また、ビタミンCは水溶性のビタミンであることから、余剰分はすぐ尿中に排出されてしまいます。つまり、一度に大量に摂取してしばらく摂取しない、とするのではなく、できるだけ毎食こまめに摂取することが大切です。うなぎやアボカドに含まれる「ビタミンE」もコルチゾールの生成に関わっていて、ともに作用し合いながらストレスへの防御反応を高めてくれますので、ぜひ一緒に摂取しましょう。

ただし、コルチゾールはストレスに対抗できる準備をしてくれるものの、過剰に分泌され続ける状況が続くと糖尿病の原因になったり、免疫力の低下を招いたりしてしまうこともまた事実です。ビタミンCやEを摂取するだけでなく、ストレスを感じる状態を減らすため、リフレッシュする時間や十分な睡眠をとるなどの工夫も同時に行いましょう。

セロトニンの材料にはタンパク質が不可欠

ゴマや大豆製品などに含まれる必須アミノ酸「トリプトファン」は、感情を穏やかに保ちストレスを減らしてくれる神経伝達物質「セロトニン」の材料です。「セロトニン」は身体のリズムを整えて快眠しやすい状態に導く「メラトニン」というホルモンの生成にも関わりますので、ストレスを減らすだけでなく、良質な睡眠にも欠かせません。

必須アミノ酸は単独で摂取するのではなく、他の必須アミノ酸と同時に摂取することで身体に必要なタンパク質を効率よく合成できます。つまり、必須アミノ酸をバランス良く含むタンパク質(アミノ酸スコアが高い、という言い方をする)を摂取する必要があります。アミノ酸スコアが高い食品とは、いわゆるタンパク質が多いとして知られる豚肉・鶏卵・牛乳・大豆などです。

また、そもそも栄養バランスが偏らないようさまざまな栄養素を摂取することも、ストレスに強い脳には重要なことです。ここまでご紹介してきた栄養素を意識的に日々の食事に取り入れていくことはもちろん、基本的な栄養バランスに偏りがない食生活を心がけましょう。

どんな食事の工夫がストレス対策に役立つ?

英語には「hangry」という言葉があります。もちろんこれは造語で、空腹「hungry」と怒り「angry」をかけ合わせたものですが、60年以上前から使われている用語です。ノースカロライナ大学チャペルヒル校、心理神経科学学科博士課程で学ぶジェニファー・マックコーマック氏らによれば「hangryとは空腹のために怒りが増したり、苛立ったりしている状態」だとされ、現在ではオックスフォード辞書にも掲載されています。

では、空腹が怒りやイライラを増加させてしまうのはなぜなのでしょうか。空腹になると、体内ではコルチゾールとアドレナリンが分泌されます。副腎皮質ホルモンの一つであるコルチゾールは先ほどもご紹介したように抗ストレスホルモンの一種で、肝臓での糖生成、脂肪組織での脂肪の分解、筋肉でのタンパク質代謝の促進、その他免疫抑制などに関わっています。

アドレナリンもコルチゾールと同じ副腎皮質ホルモンかつ神経伝達物質の一種であり、ストレス反応に大きく関わっています。血糖値を上げたり瞳孔を開いたり、心拍数を上げたりします。空腹時にはこれらのホルモンが分泌されることで、ストレスを受けたときと同じようにイライラや怒りが募るのですが、食事を摂るとストレスが発散されたのと同じような状態になり、イライラや怒りが緩和されます。

ですから、忙しいときこそ食事を後回しにせず、上手に時間を作って規則正しい食生活を送りましょう。空腹によって生じるストレス反応による余計なイライラや怒りなどに振り回されることなく、仕事や家事のパフォーマンスや、人間関係が上手くいきやすいと考えられます。

ストレスに強くなる栄養素を摂取しよう

前章でもご紹介したように、ストレスやイライラ対策のためにはカルシウム、マグネシウム、ビタミンB群、ビタミンC・E、タンパク質(トリプトファン)などを積極的に摂取すると良いでしょう。これらのビタミンやミネラル、栄養素は精神や神経を落ち着かせたり、ストレスがかかると大量に消費されてしまったりするので、十分に補充しなくてはなりません。

例えば、ビタミンB群はお互いに助け合って働きますので、ビタミンB1・B2・B6などをまんべんなく含む食品を摂取しましょう。具体的には「玄米・小麦全粒粉などの全粒穀物、牛乳、卵、豚肉、レバー、青魚、きのこ、大豆製品」などがおすすめです。卵や豚肉、レバー、大豆製品などには良質のタンパク質も期待できますので、ぜひ適宜摂取しましょう。

牛乳はよく知られているように、カルシウムを摂取するには欠かせない食材です。海藻類に含まれるマグネシウムや、果物類に豊富に含まれるビタミンCなども重要です。そこで、パンの朝食に牛乳・卵・サラダ・フルーツをつける、ご飯に納豆やお味噌汁を添えるなど、ちょっとした工夫でバランス良く栄養素を摂取できるようにしましょう。

昼食はできればお弁当を持参するのが望ましいですが、外食する場合はラーメン・丼ものを避け、野菜の多い定食を選ぶのがおすすめです。夕食は、朝・昼で足りなかった栄養素を補えるようにメニューを選んだり、作ったりすると食生活のバランスが改善されるでしょう。

そもそも、食材を購入するときに買い物かごの中を見て、おおまかな栄養バランスを考えておくと食生活のバランスを整えやすいです。野菜が少ないと思ったら果物を足す、インターネットで検索した手軽なレシピを作ってみるなど、無理なく楽しみながらメニューを工夫してみましょう。健康診断の結果が出たときに、医師や栄養士に相談してみるのも良い方法です。

また、以下のような食材はストレス・イライラ対策になる栄養素を多く含みます。食事の中に積極的に取り入れていきましょう。

大豆製品:トリプトファン、ビタミンB群など
納豆や味噌は発酵食品なので、含まれる菌類が腸内環境を整えてくれる
腸は感情を穏やかにする「セロトニン」をはじめ、人間の活動に欠かせないさまざまなホルモンを分泌する臓器
心身ともに健康な状態を保つためには、腸を健やかな状態に保つことも重要
緑黄色野菜:ビタミンC・E
パプリカやブロッコリー、ゴーヤなどはビタミンC、モロヘイヤやかぼちゃはビタミンEを多く含む
ビタミンCは水溶性、ビタミンEは脂溶性
ビタミンCを多く含む野菜は洗う時間を短く、調理も蒸したり焼いたりするとなくなりにくい
ビタミンEを多く含む野菜はオリーブオイルを使ったドレッシングをかけたり、揚げたりすると消化吸収が良くなる
じゃがいも・さつまいも:ビタミンC
イモ類には、イモのでんぷん成分で守られたビタミンCが豊富に含まれる
ふかしたイモをおやつに食べるなど、小腹が空いたときにもおすすめ
特に、さつまいもの皮には食物繊維などの栄養素が豊富に含まれるので、皮のまま調理すると良い
※じゃがいもは皮の芽の部分に毒素が含まれているため、必ず取り除く
ナッツ:ビタミンB群、ビタミンE
ナッツにはビタミンB群が、アーモンドやピーナッツ、ヘーゼルナッツにはビタミンEも含まれる
油で揚げたり食塩で味つけしたりしていないものを食べると、高血圧や生活習慣病などのリスクにつながりにくい
仕事中に小腹が空いたら、お菓子やパンよりもナッツ類をつまむとストレス軽減に

大豆製品は味噌汁や冷奴などで食べることも多いですが、特に絹ごし豆腐の場合、作る過程で水分をあまり絞らないことから、水に溶けやすいビタミンB群が木綿豆腐より多いです。また、緑黄色野菜を食べるときは多く含まれるビタミンに合わせ、洗い方や調理方法を工夫するとより効率的に栄養素を摂取できます。

その他、ストレス発散効果が見込める食べ物って?

その他にもストレス発散効果が見込める食べ物として、まず旬の野菜が挙げられます。春キャベツやたまねぎ、夏場のきゅうりやナス、秋のきのこ、冬のちぢみほうれん草など、旬の野菜はいずれも味が濃くてビタミン・ミネラルがたっぷり含まれますので、手間をかけなくても美味しく食べられます。素材の旨味を活かし、積極的に摂取しましょう。

小魚や肉、卵などもストレス対策の食べ物としておすすめです。

小魚
しらす・桜えび・ししゃもなどは丸ごと食べられるので、カルシウムを摂取しやすい
ちりめんじゃこは日に干しているぶん、ビタミンが増していてさらにおすすめ
味噌汁のだしをとった後の煮干しも捨てずに食べると良い
タンパク質の豊富な豚肉はビタミンB1も多く含んでいて、幅広いメニューに使いやすい
とんかつ、生姜焼き、煮物など、野菜と一緒に摂取できるメニューを
ビタミンCと食物繊維以外すべての栄養素を含む、完全食品と言われる食材
アレルギーの人を除き、ほとんどの人が手軽に摂取できる食品でもある
朝食にオムレツや卵焼きを出したり、煮玉子を作り置きしたりして、日常的に摂取しよう

また、食べ物でリラックス効果を期待できることもあります。例えば、こたつに入ってみかんを食べるというように、くつろいだ状況で手間のかからないおやつなどを食べるとリラックス効果が高いと考えられます。特に、果物はストレス対策に役立つビタミン類も豊富に含んでいますので、リラックスのおともにおすすめです。

ストレス解消には砂糖が役立つ?

甘いものを食べると、なんとなくほっとした、疲れがとれたという経験がある人は多いでしょう。イライラしたとき、ストレスを強く感じたときに甘いものを食べたくなる人もいます。これは、砂糖にはリラックス効果があるからです。

そもそも、砂糖は脳にとって非常に効率的なエネルギー源です。脳の神経細胞は、ブドウ糖が代謝されて二酸化炭素と水ができる過程で発生するエネルギー物質(ATP)を利用して活動しています。脳は全体重の2%程度の重さしかないのに、全身の20%ものエネルギーを消費することからもわかるように、非常にエネルギーを多く必要とする器官です。

脳の消費エネルギー量は全体重の50%を占める骨格筋全体が消費するエネルギー量とほぼ同じですから、脳がいかにエネルギーを多く消費しているかがわかります。こんなに大量のエネルギーを消費するにも関わらず、そのエネルギー源となるブドウ糖を脳内にほとんど蓄積することができません。血中にも貯蔵できるのは約20g程度です。

筋肉や肝臓にはグリコーゲン(ブドウ糖がつながったもの)を少し貯蔵できるのですが、これもやはり十分な量とは言えません。肝臓に貯蔵されたグリコーゲンは、空腹時など血糖値が一時的に低下したときにブドウ糖に分解され、血中に移行して細胞に送られることで血糖値を一定範囲内に保っています。

こうした仕組みのため、私たちの身体は絶えずブドウ糖の供給を必要としているにも関わらず、ブドウ糖を摂取しすぎたときには余剰分が脂肪細胞に蓄えられたり、肝臓で脂肪に変化したりして、肥満の原因となってしまいます。つまり、ブドウ糖は摂りすぎず、必要量だけをこまめに摂取する必要があるのです。

また、ブドウ糖から効率よくエネルギーを取り出すためには、前章でもご紹介したビタミンB群を十分に摂取しなくてはなりません。栄養バランスの良い食生活と、規則正しい1日3回の食事を心がけることは基本ですが、スポーツを行っていたり、成長期の子どもだったりとエネルギー消費量が多い場合は、間食で適宜エネルギー補給を行うことも重要です。

砂糖の主成分である「ショ糖」は、特にブドウ糖と果糖が結合した二糖類なので、ご飯やパンなどのデンプンに比べて摂取したときに体内で消化・吸収されるのが早く、インスリン分泌も高い傾向があります。そのため、砂糖を使ったお菓子などはエネルギー補給に即効性がありますので、適度な摂取量なら大切な栄養補給源となりえます。

砂糖はセロトニンを増やすって本当?

前述のように、砂糖は脳の貴重なエネルギー源となることがわかっていますが、砂糖は精神の安定においても有効です。砂糖の甘味を舌が感じると、その情報が脳に伝わり、脳内で「エンドルフィン」と「セロトニン」というホルモンが分泌されます。実際に甘いものを食べた後、脳波を測定してみると、リラックスした状態になっていることもわかっています。

これは、砂糖によって脳の快楽中枢が刺激され、脳内で「エンドルフィン」が分泌されることが第一の理由です。エンドルフィンは病気に対する抵抗力(免疫力)をアップさせたり、痛みを和らげたり、高揚感や幸福感をもたらして気持ちを落ち着かせ、ゆったりとした気分にさせたりしてくれます。

もう一つの理由として、「セロトニン」というホルモンが関係します。セロトニンは脳の「松果体」という部位で「トリプトファン」というアミノ酸から合成されます。トリプトファンは体内で合成できない必須アミノ酸の一種なので、必ず食物から摂取しなくてはなりません。さらに、脳内にトリプトファンを効率よく運ぶ必要があります。

このとき、トリプトファンを含む食材を摂取した後、インスリン分泌を刺激するデンプンや糖を摂取するとバリン・ロイシン・イソロイシンなど他の必須アミノ酸(分岐鎖アミノ酸)が筋肉に取り込まれるため、これらの血中濃度が下がり、トリプトファンの血中濃度が相対的に増えますので、脳内に多く取り込まれやすくなります。

ですから、食事でタンパク質の豊富な食材(肉・魚・卵・牛乳など)を摂取した後、デザートに砂糖を使った甘いお菓子を食べることで、トリプトファンとブドウ糖が同時に摂取でき、糖の刺激でインスリン分泌が高まってトリプトファンが効率よく脳内に入れますので、セロトニンが合成されやすくなります。

セロトニンは通称「幸せホルモン」とも呼ばれるように、感情や気分のコントロール、精神安定などに深く関わるホルモンです。セロトニンが不足すると脳機能が低下したり、心のバランスが保てなくなったりします。セロトニン不足はうつ病の原因とも言われており、実際に血中のトリプトファン濃度が低くなるほど抑うつ状態が酷くなることもわかっています。

疲労やストレスが溜まったときには、一口チョコレートを食べたり、砂糖入りの紅茶やコーヒーなどをコップ一杯飲んだりして適度に糖質を摂取すると、脳内セロトニンのレベルを上げてストレス解消に効果的だと考えられます。特に砂糖は消化吸収が早くインスリン分泌も高いことから、短時間で疲労回復したりストレス解消したりしやすいと言えるでしょう。

砂糖の摂りすぎには要注意!

上記のように砂糖はメリットの多い成分ですが、摂取しすぎるとどんどん脂肪が増えて肥満の原因となってしまいますので、くれぐれも摂取しすぎないよう注意が必要です。砂糖の摂取量における具体的な数値として、WHOが掲げる目安と、農林水産省の調査による値の2つがあります。

WHOが推奨する1日の砂糖摂取量の上限の目安は、約25gです。しかし、農林水産省の調査によると日本人の年間砂糖消費量は約15.4kgとなっていて、1日に換算すると約42kgです。ということは、現在、既に日本人はWHOの目安量の1.68倍もの砂糖を1日に摂取していることになります。

脳の活性化や、精神の安定のためには一定量の砂糖を摂取するのが良いことは事実ですが、摂りすぎには十分注意しましょう。特に、さまざまな糖を単に「砂糖」とひとくくりにするのではなく、糖の種類によって摂取の仕方を変えることも重要です。例えば、サトウキビから絞ったばかりの黒糖にはビタミンやミネラルが多く含まれますが、精製された白砂糖にはビタミンやミネラルがほとんど含まれません。

すると、白砂糖は血中に吸収されるとき、黒砂糖と比べてカルシウムなどのミネラル類、ビタミンB群などをより多く消費してブドウ糖になります。つまり、同じ甘さなら黒糖を食べた方が、体内のビタミンやミネラルを失いにくいと考えられます。このような糖による性質の違いも考慮しながら、どの糖をどれだけ摂取するかよく考え、砂糖と上手に付き合っていきましょう

おわりに:ストレス解消に役立つ栄養素や砂糖を上手に取り入れよう

ストレスやイライラに役立つ栄養素は、カルシウム・マグネシウム・ビタミンB群・ビタミンCやE・トリプトファンなどです。また、砂糖は脳のエネルギー源となるほか、エンドルフィンやセロトニンなどのホルモンを分泌してストレスを解消してくれます。

これらの栄養素を食事に取り入れたり、適量の砂糖を摂取したりすると良いでしょう。ただし、砂糖の摂りすぎは肥満の原因となりますので、十分注意して摂取しましょう。

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